遮熱は断熱と何が違う?遮熱の意味やリフォームで得られるメリットをご紹介!

断熱は、熱の動きを遮ることです。よく遮熱と混同されますが、厳密な意味には違いが見られます。基本的な意味を確認しておけば、リフォームで遮熱タイプの窓やガラスを用いるメリットなどが理解しやすくなるでしょう。そこで今回は、遮熱と断熱の違いをふまえ、部屋の遮熱性を高めるメリットや具体的な方法をご紹介します。

■遮熱と断熱の違い

「断熱」は、室内外への熱の出入りを抑えることです。厳密には、それぞれ意味が異なり区別されています。

・熱の伝わり方

熱の伝わり方は、大きく分けると「放射」「対流」「伝導」の3種類です。

放射は、熱が電磁波として伝わる現象を指します。電磁波は、テレビ・携帯が発する電波や太陽光・焚火から放射される赤外線の総称です。電波や赤外線の熱が体に伝わると、暖かく感じられます。

対流は、熱を含んだ液体や気体が移動する状況です。お風呂で水が温められると、湯船の上方に移動するケースが該当します。また、伝導は、ひとつの物質のなかを熱が伝わる現象です。鍋を火にかけると、熱伝導により全体が熱くなります。

断熱は熱の移動を抑えることであり、遮熱は特に放射を反射させることを指しますが、部屋のリフォームでは混同されがちです。

断熱手段のひとつが放射です。

・遮熱と断熱の区別

遮熱は、基本的に屋外の熱を部屋へ侵入させないことです。通常、太陽の放射熱が室内へ入ってくるのを遮るケースが当てはまります。

一方、断熱は、室内の熱を屋外へ逃がさないこと、屋外の熱を室内に入れないことをいいます。この働きにより、部屋の暖かい空気は、対流や伝導が起きても室外へ流出しにくくなります。冬場、断熱性のある部屋は室温を保ちやすくなり、外が寒くなっても室内は簡単に冷えてきません。

そのため、部屋の遮熱性・断熱性は、快適な居住環境を実現するうえで重要な要素と考えられます。

■遮熱性を高めるメリット

部屋の遮熱性を高めるメリットは、3種類の熱の伝わり方のうち75%が放射であるため、高い断熱効果が期待できます。

・室温の上昇防止

遮熱性の向上は、強い日差しによる室温の上昇を防ぐのに効果的です。

夏場、部屋に日光が差し込むと、室温の上昇を招きます。大量の放射熱が室内へ侵入してくれば、冷房を動かしても涼しくなるまでに時間がかかるでしょう。長く暑さに耐えていると熱中症になる可能性もあり、望ましくないといわれています。

部屋の遮熱性を高めた場合、何も対策しないより太陽光の侵入を抑えられます。室温は上昇しにくくなるため、夏場の暑さ対策として有効です。同時に、冷房の効率がよくなれば、光熱費の節約にもつながるでしょう。

また、部屋が西向きで夕方の西日に悩まされている場合、その対策としても効果があります。

・紫外線カット

遮熱性の改善は、太陽から放射される紫外線のカットにも役立つ方法です。

紫外線は、日焼けの原因になる太陽光線として知られています。肌にとっては有害であり、外出時には対策が必要といわれています。また、室内でも、紫外線の影響で家具やカーテンが変色するケースは少なくありません。

遮熱は太陽光の侵入を妨げる働きであり、この性能が高まれば紫外線カットにも効果を発揮します。部屋の遮熱性向上で紫外線が遮られれば、大切なインテリアの色あせは防ぎやすくなるでしょう。

冷房をつけても室内が涼しくならない、あるいは家具の日焼けが目立つ場合、部屋の遮熱性を高める対策はおすすめです。

■遮熱性を改善する方法

リフォームで部屋の遮熱性を改善する方法には、「庇の設置」「遮熱材の活用」「窓ガラスの交換」などがあります。

・庇の設置

庇は、窓や玄関先の上部に設置される小型の屋根です。

部屋の窓に取り付けられた場合、庇は日よけの役割を果たします。直射日光の侵入は遮られ、室内を照りつける日差しは弱められます。夏場は太陽熱による暑さを抑えやすくなり、冬場も太陽のまぶしい光を和らげられる設備です。

また、雨よけの機能もあり、部屋の屋外側を太陽光や雨水から守る対策として適しています。

・遮熱材の活用

遮熱材は、太陽から放射される熱を反射できる資材です。

代表的な種類としては、遮熱塗料・遮熱シートが挙げられます。屋根や外壁に塗料を塗るかシートを設置すると、暑さの主要原因といわれている太陽の放射熱は跳ね返されます。

遮熱材を活用すると室内に侵入してくる熱の量は減少するため、夏場の暑さ対策に有効です。

・窓ガラスの交換

窓ガラスの交換も、部屋の遮熱性向上につながります。

部屋の窓は、太陽光が通過しやすい場所です。遮熱に優れたガラスを設置すれば、放射熱が侵入する量は大幅に減ると期待できます。屋外の暑さが厳しくても、室内では快適に過ごしやすくなるでしょう。

暑さ対策で部屋をリフォームするなら、窓ガラスを交換する方法はおすすめと考えられます。

■まとめ

遮熱は、屋外からの熱の侵入を遮ることです。厳密な意味では、熱の移動を抑える断熱と区別されています。

部屋の遮熱性が上がると太陽の熱は室内へ入りにくくなるため、暑さを和らげるのに効果的です。また、紫外線がカットされれば、家具やカーテンの劣化防止にも役立ちます。

リフォームで窓の断熱効果を高めるなら、遮熱機能を備えたガラスに交換する方法はおすすめできます。

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