断熱性などの低い部屋は二重サッシで室内環境を改善！
部屋の断熱性や防音性が低い場合、二重サッシを後付けすると室内環境を改善するのに有効です。エアコンの効率がよくない、あるいは屋外の騒音に悩まされているときは、サッシを二重に変えれば問題解決に役立つでしょう。そこで今回は、二重サッシの構造や効果をふまえ、サッシに使う窓ガラスの選び方やリフォームで後付けする方法をご紹介します。
■二重サッシの構造や効果
二重サッシは、窓の部分が二重構造になったタイプのサッシです。この特徴から、二重窓とも呼ばれています。
・二重サッシの基本構造
基本的に二重サッシは、外窓と内窓が組み合わさる構造です。
通常のサッシは、外窓1枚だけの構造を指します。それに対し、部屋のサッシが1枚でなく内窓も設置されていれば二重サッシや二重窓と呼ばれ、1枚タイプのサッシと区別されています。
また、二重サッシは、ペアガラス（複層ガラス）と混同されるケースが少なくありません。ただし、ペアガラスは、複数のガラスが組み合わさったタイプです。サッシが二重になっているわけではなく、二重サッシとは異なります。
そのため、部屋に二重サッシを後付けするといった場合、既存の窓に内窓を設置するリフォームを意味します。
・二重サッシの効果
二重サッシは、部屋の断熱性や防音性を向上するのに効果的です。
部屋のサッシが二重になると2枚のサッシの間に空気の層が生まれ、室内外の熱はサッシを出入りしにくくなります。室温に対する外気温の影響は弱まり、断熱性の向上につながります。
二重サッシで部屋の断熱性が上がりエアコンの使用回数が減れば、省エネや光熱費の節約にも役立つでしょう。
また、二重サッシは、音の出入りを遮るのにも有効です。サッシの枚数が増えた分だけ音の移動を妨げやすくなり、屋外からの騒音の侵入や室内からの音漏れを防ぐのに効果を発揮します。
■二重サッシの窓ガラスの選び方
二重サッシの窓ガラスを選ぶときは、ニーズに合っているかどうかを意識することが大切です。
・断熱性を重視
部屋の断熱性を重視する場合、Low-Eペアガラスが適しています。
Low-Eペアガラスは複数のガラスが重ねられた種類であり、Low-E膜と呼ばれる特殊な金属膜が加工されているので、断熱性に優れるところが大きな特徴です。二重サッシと同じく二重ガラスの間の空気層が熱の出入りを遮り、高い断熱効果を発揮します。
また、高断熱複層ガラスは、エアコンの使用効率を上げるのに有効です。このタイプは2枚のガラスの間にアルゴンガスが含まれるため、より断熱効果は高まります。
・防音性を向上
二重サッシの防音性を向上するなら、真空ガラスがおすすめです。
真空ガラスは2枚のガラスの間が真空になっています。音が振動する空気がそもそもないので高い防音性能があります。さらに、熱の移動も起こりにくいので断熱性能も高いです。
ペアガラスを構成している2枚のガラスが同じ厚みの場合、共鳴現象が起こり防音性能は下がる可能性があります。ペアガラスをお使いになる場合はガラスの厚みを変えることで改善できます。これを異厚と呼びますが、異厚のペアガラスでも高い防音性能と断熱性能があります。
二重サッシで用いるガラスの種類に迷ったときは、いずれの性能を重視するかで判断するとよいでしょう。
■二重サッシを後付けする方法
部屋に二重サッシを後付けする方法は、大きく分けるとDIYか専門業者に依頼するケースの2つです。
・DIYによる後付け
二重サッシをDIYで後付けする場合、窓を採寸して道具を準備する必要があります。
内窓は窓枠のサイズに合わないと適切に設置できないため、事前の採寸作業は重要です。窓枠の大きさを確認した後、工具類を用意してDIY用の内窓を購入したら、設置作業に取りかかります。
窓枠に内窓を取り付けるときは、新しい窓枠を設置してから窓ガラスを入れます。その際、すき間があると部屋の気密性は保ちにくくなるため、新しい枠の大きさは窓枠ピッタリにする必要があります。
窓の設置作業に慣れていない場合、失敗するリスクを避けるなら、無理にDIYするより専門業者に頼んだほうが安心でしょう。
・専門業者に依頼
二重サッシの後付けを専門業者に依頼した場合、窓の採寸から内窓の設置まで業者に任せられます。
専門業者が窓を採寸した場合、正確にサイズを測定するだけでなく窓枠に歪みがあるかどうかのチェックも可能です。窓枠の状態をふまえて内窓を取り付けるため、部屋の気密性は保ちやすくなります。
内窓の設置作業は、既存の窓枠に新しい枠材を設置し、窓ガラスを入れる手順で進められます。費用相場は腰高窓なら5～10万円、一般的に作業期間は窓1つあたり半日ほどです。
専門業者は短時間で内窓を設置できるため、二重サッシの後付けを手早く済ませたい場合におすすめできます。
■まとめ
二重サッシは、部屋のサッシが二重になり断熱性や防音性の向上に効果のあるタイプです。サッシに使われる窓ガラスは多くの種類があり、ニーズに合わせて選べます。
リフォームで二重サッシを後付けする場合、すき間なく内窓を設置する作業は簡単でなく、DIYは失敗する事例が多いといわれています。そのため、上手に内窓を取り付けるなら、専門業者に依頼する方法がおすすめです。
専門業者に二重サッシを設置してもらえば、快適な室内環境を実現できるでしょう。
