マンションでも二重窓リフォームはできる?

マンションのリフォームを行う場合には、規約等の問題で許可を取ったり、そもそも工事自体ができなかったりする場合があります。一方、二重窓の場合は、その多くが問題なく勧められます。以下でその理由と、二重窓リフォームの基礎知識をご紹介します。

■マンションの窓リフォームにご注意

マンションは、「専有部分」と「共用部分」に分けられます。専有部分は個々の所有者が自由にリフォームできるエリアを指し、一方の共用部分はマンションの全所有者が共有するスペースであり、通常、個々のリフォームは認められていません。

ただし、管理組合によっては窓ガラスの部分についてだけリフォームを許可していることもあります。窓ガラスの交換やリフォームを考えている場合は、事前に管理組合に確認を行うようにしましょう。

・二重窓リフォームなら専有部分なので問題なし!

上記のとおり、共有部分の窓リフォームは管理組合の許可が要る、もしくは一律で禁止がされています。一方、専有部分にあたる窓の内側には、「内窓」または「二重窓」を設置することができます。これは窓の内側に新たに樹脂製の窓を取り付ける工事で、室内側の改装となります。

ちなみに、二重窓であっても外窓そのものや窓ガラスは共用部分に分類されます。したがって、たとえば断熱性を高めるために元々一枚だった窓ガラスを二重ガラスに交換したいと思っても、基本的にはこれを行うことは許されていません。

■マンションで二重窓リフォームをするメリット

次に、二重窓リフォームの基礎知識として、取り付け・交換による効果とそのメリットをご紹介します。

・断熱性能

新たに設置される窓(内窓)と既存の窓の間に形成される空間は、断熱性能を向上させる重要な要素となります。これは、既存の窓枠内部にピッタリと内窓を設置することにより、空気の層が形成され、優れた気密性が確保されるからです。結果、室内の熱を逃がさずに断熱性が強化されます。

さらに、現在の内窓のサッシ枠はほとんどが樹脂製で作られています。金属製のサッシ枠に比べて断熱性が優れており、全体の断熱性能を更に引き上げる役割を果たしています。

なお、室温が保たれて快適性が高まるだけでなく、エアコンの使用頻度が下がることで電気代が安くなるといった省エネ効果も期待できます。

・結露対策

結露は、室内の暖かい空気が冷えたり、室内温度が変化したりして、「飽和水蒸気量」を越えたときに生じます。とくに、室内外の温度差が大きい場合や、室内湿度が高い環境下でより頻繁します。

二重窓(内窓)の設置は、2枚の窓の間に空気層を作ることで、室内外の温度差を小さくできます。結果、新設窓の結露を大幅に減らす効果があります。ただし、既存窓(外側の窓)の結露問題に対する解決策にはならないので注意も必要です。

・防音効果

ガラスは壁や屋根に比べ、防音能力が低いことが特徴的です。そのため、音は窓ガラスを通してより頻繁に伝播します。これは室内外の音ともに当てはまります。

既に述べたように、二重窓(内窓)を設置することで、既存の窓枠内部にピッタリとフィットさせることで、部屋の気密性が向上します。この気密性の高まりは、音の伝播を減らす役割を果たします。

・防犯性能

内窓(二重窓)の設置により、窓が二層構造になることで、不審者からの侵入防止に一定の効果があります。なぜなら、侵入者は2枚のガラスを突破するか、2回ロックを解除することが必要になるからです。

ただし、単純に内窓を追加しただけでは防犯効果が十分に発揮されない可能性があります。そのため、内窓に適用するガラスの選択は防犯性能向上のポイントです。

■二重窓リフォームに関わる注意点

メリットの大きな二重窓ですが、リフォームの前にはいくつか注意すべき点があります。

・費用が高くなる

二重窓(内窓)の設置費用は主に「新たな窓枠」および、それに合致する「ガラス」のコストによるものです。これまでは内窓に単層ガラスが多く使われていましたが、それでは結露対策や窓周辺の寒さへの対応が十分でないという意見が出たため、最近では「複層ガラス(ペアガラス)」が内窓のガラスとして主流になりつつあります。これにより、コストは上昇し、断熱フィルムと比較しても価格は高めとなっています。

・設置できない場合がある

二重窓は、すでに存在する窓の内側に新たに窓を取り付ける工事です。そのため、既存の窓の内側に、内窓(二重窓)を取り付けるための十分なスペースが確保できるか、内窓設置により開閉機能に何らかの影響が生じないかなど、事前に確認が必要です。

具体的には、窓枠の幅がない窓、カーテンボックス付きの窓、開き窓や上下開閉タイプの窓などが、二重窓が設置できないケースです。しかし、実際には内窓の設置が可能な場合もあります。そのため、具体的な状況については専門業者に問い合わせるようにしましょう。

■まとめ

規約次第ではありますが、マンションであっても二重窓であればリフォームは可能です。断熱や防音、防犯、省エネなどメリットは大きいため、いずれかの問題でお悩みの方はぜひご検討ください。

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