二重窓の取り付け・交換費用は?窓リフォームの相場解説
二重窓とは、すでに存在する窓に加えて室内側に別の窓サッシを設置することを指します。「内窓」や「二重サッシ」と呼ばれることもあります。既存の窓と新たに設置された窓の二層構造が作られ、断熱効果や防音効果などが得られるのが、二重窓のメリットです。
室温が安定しなかったり、騒音問題などを抱えたりする方におすすめのリフォームですが、施工には費用がかかります。今回は、そんな二重窓の取り付け・交換リフォームに関する費用相場や、知っておきたい注意点についてまとめました。
■二重窓のリフォームにかかる費用相場
二重窓のリフォームにかかる費用相場は、1窓あたり3万円~14万円(施工費用込み)です。価格に差があるのは、窓のサイズとガラスのグレードによるものです。
まずはサイズについて。窓のサイズは大きければ大きいほど費用が高くなります。これは、ガラスはもちろん、サッシのサイズにも違いがあるからです。
サイズ(高さ×幅 cm) | 費用相場 | |
小窓 | 60~100×100~150 | 約3万円~約6万円 |
中窓 | 100~140×150 | 約4万円~約8万円 |
大窓 | 190~240×200 | 約10万円~約14万円 |
さらに、防犯・防災ガラスや断熱・遮熱効果の高いガラスを使うと、その分の費用が上乗せされる形です。なお、窓の大きさや形状、設置場所、工事内容などによってもリフォームの総額は変わるため、具体的な見積もりを取ることが重要です。
■二重窓リフォームの価格が高くなる理由
二重窓へのリフォームは、建物の断熱性能や省エネ効果を向上させる有効な手段ですが、前述のとおり、その価格についてはいくつかの要素により変動します。
リフォームのコストは大きく分けて、窓フレームの設置費用と窓ガラスの代金によって決まります。二重窓にするだけでも一定の効果が得られますが、ガラスの性能によってその効果はさらに向上します。しかし、窓ガラスの性能と価格は直結します。高性能なガラスは一般的なガラスよりも価格が高価なのです。
たとえば、一般的な窓ガラスは1枚あたり1万5,000円から2万円前後ですが、高断熱ペアグラスのような高性能なガラスは約10万円となります。これは一般的なガラスの5倍以上の価格であり、窓の枚数によっては大きな費用差となります。
・二重窓に使われる窓ガラスの種類
以下で、一般ガラス以外の二重窓に使われるガラスについて、簡単にご紹介します。
ガラスの種類 | 特徴 |
遮熱高断熱複層ガラス | ガラスに特殊金属膜があり、2枚のガラスの間にアルゴンガスが含まれるため、熱の移動を抑える。断熱効果は一般的な複層ガラスの約2倍。 |
高断熱複層ガラス | 2枚のガラスの間にアルゴンガスが含まれており、熱を保持し外気温が室内に伝わりにくい。断熱効果は一般的な複層ガラスの約1.5倍。現在の標準仕様。 |
複層(ペア)ガラス | 2枚のガラスの間に中空層があり、結露を防いだり熱が伝わりにくくなったりする。断熱効果は1枚ガラスの約2倍。エアコンの稼働エネルギーを減らし、エコに貢献する。 |
真空ガラス | 2枚のガラスの間が真空になっており、音の振動を抑えるため防音効果がある。さらに真空であるため熱の移動も抑えることができる。楽器の防音対策にもおすすめ。 |
■複数取り付けがおすすめ
二重サッシのリフォームにおいては、一度に複数窓の工事を行うことで、コスト削減ができる場合があります。
一部のリフォーム会社では、工事費用に対する値引きを提供する場合があります。なぜなら、同時に複数の作業を進めることは、業者にとっても効率的だからです。
具体的には、1窓あたり1割程度の値引きにつながることもあります。なかには、さらなる割引きをしている業者も。複数の二重窓の設置を検討している方は、リフォーム会社との事前の打ち合わせで、このような割引制度の存在を確認してみましょう。
■二重窓のリフォームには補助金が使える?
二重窓のリフォームは、建物の省エネやエコを実現するための一手段であり、日本の各自治体や国から補助金が出ることがあります。これはエネルギー消費効率の改善を目指す政策の一環で、リフォーム工事や新築工事に適用されます。
具体的には、窓の断熱リフォームに対して補助金が出る制度などが挙げられます。二重窓のリフォームも、ここに含まれます。ただし、申請にはいくつかの書類が必要となります。
たとえばマンションの場合、管理規約のコピー、平面図、工事申請書など、約10種類ほどの書類を事前に準備しなくてはなりません。専門家でない場合は、作業が煩雑になると言えます。
そのため、補助金の申請は専門知識を持つ業者に依頼することで、スムーズに手続きを進められます。二重窓リフォームの実績があり、信頼できる業者に依頼することが、補助金を適切に受けるための鍵となります。
・地方自治体の補助金制度もチェック
国だけでなく、地方自治体によってもさまざまな補助金制度が存在し、一部の自治体では国の補助金制度と併用が可能なものもあります。具体的な補助金制度については、各市区町村や対応している業者に問い合わせて確認しましょう。
■まとめ
省エネ効果や居住環境の改善を考慮すると、高性能なガラスを使用した二重窓へのリフォームは価値があります。しかし、初期投資が大きくなることを考慮に入れ、補助金制度の活用やリフォーム業者との交渉などで、費用負担を抑えられるようにすることも大切です。
以上を踏まえると、二重窓へのリフォームはコストと効果を考慮した上で、適切に計画することが求められます。