2019年注目を集めた次世代住宅ポイント制度をおさらい
2019年度の次世代住宅ポイント制度は、2020年3月31日をもって終了しました。この制度では、性能の高い住宅の新築・リフォーム工事を条件にさまざまな商品と交換できるポイント発行システムが話題となりました。今回は、同制度の内容や役割について振り返ってみたいと思います。
■次世代住宅ポイント制度とは?
次世代住宅ポイント制度は、断熱やバリアフリー、耐震性の向上など、性能が高く家事負担の軽減につながる住宅を支援対象とし、対象工事をされた方にはさまざまな商品と交換できるポイントが発行されるというものでした。
分譲マンションや新築住宅の購入のほか、住宅のリフォームも対象とされました。工事の請負契約や着工、引渡し時期などは規定の期限が定められています。いずれの対象住宅も引渡し時期が2019年10月1日以降と定められていたのは、消費増税への軽減を反映させるためです。
特定の性能を有する住宅を支援
支援対象となった住宅は、「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「新築分譲住宅の購入(完成済み購入タイプ)」「リフォーム」の4タイプ。求められる性能はそれぞれに異なります。
「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」は、断熱性能や耐震性能、あるいは高齢者に配慮した住宅設備や、家事の負担を軽減できる設備の設置などが要求されました。「リフォーム」は、開口部や外壁、屋根などの断熱改修、太陽光利用システムなどのエコ住宅設備の設置のほか、リフォーム瑕疵保険への加入やインスペクションの実施にもポイントが付与されました。
本事業では、新築住宅の支援に1032億円、リフォーム工事の支援に268億円の予算が使われました。
■目玉となった「商品と交換できるポイント発行」
次世代住宅ポイント制度の目玉は、さまざまな商品と交換できるポイント発行にあったといってよいでしょう。新築(注文住宅・分譲住宅の購入)には最大35万ポイント、リフォームには最大30~60万ポイントを発行。ポイントは設備の設置や住宅の取得に応じて加算される仕組み。新築住宅の購入やリフォーム工事をした方たちは、発行されたポイントで、生活家電や調理器具、生活用品、食料品などを手に入れることができました。
《主な交換商品》
家電類 | 飲食料関係 | 日用品・子育て用品 |
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《商品交換例》
◎注文住宅の新築で、ビルトイン食器洗機(18,000ポイント)・浴室乾燥機(18,000ポイント)を設置して36,000ポイントを取得
→ティファールブランドの電気圧力鍋「クックフォーミーエクスプレス」(36,000ポイント)などと交換可能。
◎内窓(大サイズ)を3枚設置するリフォーム(60,000ポイント)
→ダイソンブランドのコードレス掃除機(60,000ポイント)などと交換可能
一定の性能を有する新築住宅の購入であれば、30万ポイントが発行される仕組みで、発行ポイント内であれば好きな商品と交換できます。30万ポイントと交換できる商品には、空気洗浄ファンヒーター(90,000ポイント)、ロボット掃除機ルンバ(14万ポイント)などがありました。
もっとも多くポイントが発行されたのが、若者・子育て世帯が購入した住宅に対するリフォーム工事で、最大60万ポイント。ソニーの4Kテレビ55型(20万7,800ポイント)と交換してもまだ30万ポイント以上の残高があり、そこからさらに家電類や食料品との交換ができました。
■コロナ対応でポイント申請期間延長へ
ポイントの発行申請の受付は、2020年3月31日をもって終了しています。今年は新型コロナウィルスの拡大という予期せぬ事態が起こったため、これに合わせて影響を受けた方はポイント発行申請の期間が延長されています。
◇期限延長が認められる対象者
基本的に、新型コロナウィルス感染症の影響で期間内の工事を断念せざるを得なかった人。事業者から契約を断られたり、引渡しの見込みが立たずに契約をあきらめたりした人などが対象。
◇変更後の申請開始日
2020年6月1日
◇申請期限
2020年8月31日(期限前でも予算額に達し次第終了)
◇商品交換申し込み期間
2020年6月1日~2020年11月30日
詳細については、「次世代住宅ポイント事務局」HPにてご確認ください。
■まとめ
お得な商品と交換できる次世代住宅ポイントは、子育て世帯の生活支援になったほか、省エネ住宅を促進するうえで一定の貢献度があったといえます。現在も省エネ住宅や断熱改修をサポートする補助金制度は動いているものがありますので、リフォーム予定の方はチェックしましょう。