次世代住宅ポイント制度で対象となったリフォーム工事
2019年度に窓断熱リフォームの工事をされた方は、次世代住宅ポイント制度の恩恵にあずかれたのではないでしょうか。この制度では、どのようなリフォーム工事が支援の対象となったのでしょうか? 今回は、次世代住宅ポイントで支援の対象となった省エネリフォーム工事に焦点を当て、その中身や還元の内容について見ていきましょう。
■対象になったのは断熱改修やバリアフリーなど
対象となったリフォーム工事は、窓や外壁の断熱改修、エコ住宅設備の設置、バリアフリー改修など合計9項目。
断熱改修
開口部、外壁、屋根、天井、床の断熱改修工事が対象です。開口部の改修には、窓ガラスの交換や内窓の設置、外窓交換などがあります。外壁や屋根・天井、床の改修工事では、規定された断熱材の最低使用量を超える工事に対してポイントが付与されました。
エコ住宅設備の設置
具体的な設備が決まっていて、「太陽光利用システム」「節水型トイレ」「高断熱浴槽」「高効率給湯機」「節湯水栓」を設置する工事が対象となっていました。なお、太陽光利用システムとは、屋根に集熱器を、軒先や屋内に蓄熱槽を設置するシステムで、太陽光発電システムとは異なるものです。「高効率給湯機」とは、たとえばエコキュートやエコジョーズなどが該当。「節湯水栓」には、節水機能を持つ浴室シャワー水栓や、台所・洗面所の水洗などが含まれます。
バリアフリー改修
どのような工事が対象かは明確な定義があり、「手すりの設置」「段差解消」「廊下幅等の拡張」「ホームエレベーターの新設」「衝撃緩和畳の設置」の5種類。複数個所の工事を行えば、その合計ポイントが発行されました。
耐震改修
現行の耐震基準に適合させる工事が対象です。昭和56年5月31日以前に建築された建物は、すべて旧耐震基準に基づくもので、強度不足が懸念されます。施工方法や素材に関する規定は特になく、現行の耐震基準を満たせばポイント発行が認められました。
家事負担軽減に資する住宅設備の設置
「ビルトイン食器洗機」「掃除しやすいレンジフード」「ビルトイン自動調理対応コンロ」「浴室乾燥機」「掃除しやすいトイレ」「宅配ボックス」の6種類。上限内であれば設置台数に関係なくポイントが加算されました。
リフォーム瑕疵保険への加入
国土交通大臣指定の「住宅瑕疵担保責任保険法人」が取り扱うリフォーム瑕疵保険および大規模修繕瑕疵保険に加入した人が対象。
インスペクションの実施
インスペクションとは、住宅に精通した専門家がそのコンディションや性能を診断し、適宜修繕やメンテナンス、リフォームに関するアドバイスや進言を行うこと。国が定める建築士基準、調査基準による建物調査を基本としました。
若者・子育て世帯が既存住宅を購入して行う一定規模以上のリフォーム
居住目的で住宅を購入し、売買契約締結後3ヶ月以内にリフォーム工事契約を締結した方が対象。リフォーム工事の内容について特に規定はないものの、リフォーム工事費に関しては税込み100万円以上とする決まりでした。
■「開口部の断熱改修」具体的にはどんな製品?
「開口部の断熱改修」つまり窓の断熱リフォームは次世代住宅ポイント制度で支援の対象とされました。どんな窓製品が要件を満たすのかというと、断熱性能にすぐれる「複層ガラス」「インプラス(二重窓)」「スペーシア」などです。
《3製品の特徴》
複層ガラス | 2枚ガラスの間に厚い空気層を形成させ、高い断熱性能を確保した窓ガラス。防犯・防音効果も高い。 |
インプラス | 二重窓。サッシは外気の影響を受けにくい樹脂を使用。高断熱・結露防止・防音対策に最適。 |
スペーシア | 日本板硝子製の真空ガラス。断熱性能は1枚ガラスの約4倍、複層ガラスの約2倍という高さ。 |
防音対策としてリビングの窓をインプラス(大サイズ)に交換、ヒートショック対策として浴室にもインプラス(小サイズ)を設置し、既存窓ガラスにはスペーシア(小サイズ)を使用。さらに2階寝室の窓ガラスを断熱の目的で複層ガラス(2枚・中サイズ)へ変更。この場合におけるポイント合計は以下のようになります。
・インプラス(大):20,000×1=20,000ポイント
・インプラス(小):13,000×1=13,000ポイント
・スペーシア2枚(大):7,000×2=14,000ポイント
・複層ガラス2枚(中):5,000×2=10,000ポイント
合計=20,000+13,000+14,000+10,000=57,000ポイント
内窓は1カ所あたりに、ガラス交換は1枚あたりにポイントが発行される仕組み。窓ガラス4枚をサッシごとリフォームして発行されたのが計57,000ポイント。申請者は後日、施工証明書などとともに申請書を事務局に提出し、ポイント数に見合う商品を手に入れることで、工事の還元が受けられます。
■まとめ
今回は、2019年度次世代住宅ポイント制度の対象となったリフォーム工事の概要についてご説明しました。同制度はすでに終了しています。今年窓の断熱リフォームを行う予定の方は、現行の補助金制度をご活用ください。インプラスやスペーシア、複層ガラスといった高い断熱性能を誇る窓の交換リフォームでは補助の対象となることがあります。