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Low-E複層ガラス(ペアガラス)の種類と選び方!交換費用はいくら?

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みなさん、おはようございます!Mado Pro(マドプロ)スタッフです!

今回は数あるガラスの中でも「Low-E複層ガラス(ペアガラス)」について詳しくご紹介していきます。「ガラス交換を考えてるけどどんなガラスが良いか分からない」「Low-E複層ガラスってなに?」という方もこの記事を見ればLow-E複層ガラスについて丸わかりです!

最終更新日:2019.07.19

1.ガラスの種類

窓に使われるガラスの種類は細かく分類すると沢山ありますが、大きく分類すると、「一般ガラス」と「機能ガラス」に分けられます。
「一般ガラス」はごく普通の一枚ガラスなどの機能性を持たないガラスで、「機能ガラス」は断熱効果や防犯効果等様々な効果のあるガラスです。Low-E複層ガラスは、機能ガラスに分類され、なかでも断熱効果に優れたガラスです。

2.Low-E複層ガラス(ペアガラス)って?

複層ガラスのイメージ画像

≪複層ガラスについて≫

複層ガラスはガラスとガラスの間に、空気やガス等を封入したガラスです。AGCというメーカーの商標である「ペアガラス」という名前や「エコガラス」という名前で呼ばれることもあります。断熱効果を発揮するため、建物の窓ガラスに使われており、新築一戸建ての複層ガラスの普及率は2017年時点で97.3%(戸数普及率)と、現在建てられる住宅のほとんどに複層ガラス(Low-E複層ガラス含む)が採用されていることが分かります。

≪Low-E複層ガラスについて≫

Low-E複層ガラスは、上記で説明した複層ガラスに、更に特殊な金属膜をコーティングしたものです。その断熱性能は一枚ガラスの約3.1倍、一般複層ガラスの約1.5倍と高い断熱効果を発揮します。新築での普及率も81.3%と上昇していて、ハウスメーカーによっては標準仕様がLow-E複層ガラスという場合も多く、スタンダードなガラスになってきています。これからお家を建てるという方にはLow-E複層ガラスが断然おすすめです。

3.Low-E複層ガラス(ペアガラス)の効果

Low-E複層ガラスにすると具体的にどんな効果があるの?普通のガラスと何が違うの?という疑問を持たれる方もいますよね。ここでは、断熱性能の高いLow-E複層ガラスの気になる効果をご紹介していきます。

①外気温の影響を受けにくい

冬の暖房時、窓などの開口部から熱が出て行ってしまう割合は58%。さらに夏の冷房時、窓から熱が入ってくる割合は73%にも上ります。熱の出入りが最も多い窓を断熱化することで、

「冬、窓際からひんやりした冷気がくる」「夏、日差しが暑い」「エアコンがなかなか効きにくい」等、お部屋の寒さ・暑さに関するお悩みを解決します。

②節電・省エネ

板硝子協会のHPによると、一般的な一枚ガラスから、Low-E複層ガラスに交換した場合、

暖冷房費削減額は、年間51,572円。CO2排出削減量は年間で265.5kgと、ブナの木25本分に相当します。ガラスは一度交換してしまえばランニングコストをかけずに、節電効果や省エネ効果が期待できるという点も、断熱性能の高いガラスをおすすめする理由の一つです。

③結露対策

室内と室外に大きな温度差が出来ることで、冷えたガラス表面に結露が発生することがあります。Low-E複層ガラスは優れた断熱性能によって室内側のガラスの表面温度が下がりにくいので、一枚ガラスや一般的な複層ガラスと比較してより結露の発生を防ぐことができます。(※室内の快適湿度は40~60%です。Low-E複層ガラスでも高い湿度や、様々な条件が重なる場合結露することがあるので換気には十分注意してください)

④紫外線カット

紫外線カット率も一般的な複層ガラスに比べLow-E複層ガラスの方が高いです。ガラスの種類によって性能は異なりますが、日本板硝子製のLow-E複層ガラス「ペアマルチレイボーグ」の場合だと、紫外線カット率は85.8%となっています。

紫外線は室内にいても知らず知らずのうち浴びてしまうもの。毎日の紫外線の積み重ねは大切な家具や床だけでなく、肌や目にもダメージを与えてしまうので、紫外線対策としても効果を発揮するLow-E複層ガラスがおすすめです。

4.Low-E複層ガラス(ペアガラス)は2種類ある!?

Low-E複層ガラスと一口に言っても製品は色々なものがあります。大きく分けると以下の2種類に分けられます。どちらのタイプのガラスが良いかは、お部屋の状況やご要望によって異なるので、どんなガラスを選べば良いかよく分からないという場合は一度ガラスのプロにご相談ください。

①断熱タイプ(日射取得型)

Low-Eガラスの中でも、断熱効果に優れたガラスです。

室内の暖かさや涼しさを外に逃がしにくいのに加え、太陽の熱を適度に取り込むので、冬のお部屋も暖かく過ごせます。太陽の熱を取り込み、暖かく過ごしたいお部屋にオススメです!

②遮熱タイプ(日射遮蔽型)

Low-Eガラスの中でも、遮熱効果に優れたガラスです。

室内の暖かさや涼しさを外に逃がしにくい効果は断熱タイプと同じですが、こちらのガラスは、太陽からの日射を遮るのに優れています。西日や日差しが強いお部屋にオススメです

ちなみにマドプロスタッフのオススメは、冬は断熱タイプのガラスで暖かい太陽の熱を取り入れて、夏は日差しが気になる場合はシェード等で室外側から日差しを遮る組み合わせる方法がオススメです。

5.Low-E複層ガラス(ペアガラス)への交換はできる?

新築の戸建て住宅では主流になりつつあるLow-E複層ガラスですが、今入っている窓ガラスとのガラス交換は出来るのでしょうか?

答えは△です。実はガラス交換のリフォームにはあまり向いていません。今ご自宅に入っている窓ガラスが複層ガラスの場合はそのまま入れ替えることが出来ますが、ご自宅で使っているガラスが1枚ガラスの場合は、2枚のガラスを使用した複層ガラスは厚みがあるため、そのまま入れ替えることが出来ません。「アタッチメント」と呼ばれる部材を使えば取り付け自体は可能ですが、窓のガラス面積が少し狭くなってしまったり、結露が発生しやすいアルミ面積の部分が増えてしまうのであまりおすすめは出来ません。

内窓のガラスとして使用するか、今使っている窓をそのまま使いたいという場合は、「真空ガラス スペーシア」等の、昔の窓にもそのまま入れることができるリフォーム向けの断熱ガラスの方がおすすめです。

6.Low-E複層ガラス(ペアガラス)への交換費用の目安

Low-E複層ガラスの気になる交換費用ですが、

■ペアマルチEA(日本板硝子製Low-E複層ガラス 日射取得型)

中サイズ(0.8×0.9m 2枚)

約47,000~51,000円(消費税別・工事費込)

大サイズ(0.8×1.8m 2枚)

約68,000~76,000円(消費税別・工事費込)

■ペアマルチレイボーグ(日本板硝子製Low-E複層ガラス 日射遮蔽型)

中サイズ(0.8×0.9m 2枚)

約55,000~66,000円(消費税別・工事費込)

大サイズ(0.8×1.8m 2枚)

約84,000~106,000円(消費税別・工事費込)

※2019.7.19現在。価格は現場状況や店舗等により異なります。

こちらはあくまで目安の価格ですので、現場状況や店舗により価格は異なります。交換費用について知りたい方はまずは一度「概算見積り」または「正確な見積り」依頼を行うことをおすすめします。

ガラスの種類は色々あってなかなか最適なガラスを選ぶのは難しいかと思います。そんな時は、窓のプロであるMado Pro(マドプロ)の情報をぜひご覧下さい♪

<参考サイト>
・板硝子協会「冷暖房費削減シミュレーション」
・板硝子協会「複層ガラス/Low-E複層ガラス普及率の推移 」
・一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「Q&A」
・YKK AP「かしこいガラス選び」