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熱中症の現状
熱中症の発生場所で最も多いのは「住宅」!?
皆さんは熱中症が起こる場所と聞いてどんなところを思い浮かべますか? アスファルトで舗装された道路やグラウンド等、炎天下の屋外をイメージする方も多いですよね。
でも実は、熱中症の発生場所は、住宅等居住場所※1 が最も多く、全体の40%以上を占めているんです! 「家の中にいることが多いから大丈夫」なんて思っているととっても危険なんですね!
※1 東京消防庁管内での統計
室内で起こる熱中症の発生場所
室内で起こる熱中症の発生場所の中でも、最も多いのがリビング。 次いで寝室、トイレです。特に睡眠時は、コップ1杯程度の水分が失われるため、 気がつかないうちに熱中症に…なんていうことも。 就寝前にもしっかりと水分補給や室温・湿度の調節を心がけましょう。
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熱中症とは
熱中症って?
「暑いことで起こりえる障害」すべてを含めたものを「熱中症」と言います。 熱中症は、最悪の場合死に至る可能性のある病態ですが、応急処置を知っていれば救命することが出来ます。
また、予防法を知っていれば未然に防ぐことのできる病態なので、 一人一人が熱中症の正しい知識を持って対策することが大切です!
熱中症はどうやって起こる?
普段、私達の脳の中では体温調節中枢が指令を出し、 汗をかかせたり、皮膚に行く血液量を増やしたりすることによって体温を調節しています。
でも、汗を大量にかきすぎたり、皮膚に送られる血液量が多過ぎると熱中症となってしまい、 さまざまな症状が現れます。
なかでも最も危険なのは、深部体温が40°を超えた時で、 脳が正常に反応しなくなり体に熱がこもることで、命が奪われる場合もあります。
熱中症を引き起こす条件
熱中症はどのような場合に起きるのでしょうか?熱中症を引き起こす条件には以下の3つがあります。
- 気温が高い
- 湿度が高い
- 風が弱い
- 日差しが強い
- 閉め切った室内
- エアコンがない
- 急に暑くなった日
- 熱波の襲来
- 高齢者
- 幼児、乳幼児
- 肥満
- 持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など)
- 低栄養状態
- 脱水状態(下痢、インフルエンザなど)
- 体調不良(二日酔い、寝不足など)
- 激しい運動
- 慣れない運動
- 長時間の屋外作業
- 水分補給がしにくい
どんな人がなりやすい?
同じ環境下でも、熱中症にかかりやすい人・かかりにくい人がいます。 熱中症にかかりやすい人は、本人や周囲の人が特に注意して対策をとることが必要です。
- 高齢者
- 乳幼児・子ども
- 肥満の人
- 普段から運動をしていない人
- 暑さに慣れていない人
- 過度の衣服を着ている人
- 病気の人、体調の悪い人
- 脱水状態にある人
高齢者が熱中症にかかりやすい理由
- 暑さを感じにくくなる
- 暑さ調節をする為の行動が鈍る(エアコンをつける、衣服を調節する等)
- 発汗量・皮膚血液量が減少する
- 体内の水分量が減少する
- のどの渇きを感じにくくなる
高齢者の場合は、体感温度だけでなく温度計や湿度計を置いて、常に客観的な判断が出来るようにしましょう!
子どもが熱中症にかかりやすい理由
- 汗腺などの体温調節能力が十分に発達していない
- 熱しやすい体格特性を持っている
- 身長の低い子どもは地面に近くなる為、高温の環境にさらされる
大人に比べ、自己申告が苦手な場合もあるので、子どもが自由に水分補給出来る環境を!
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熱中症の症状
重症度Ⅰ
- 手足がしびれる
- めまい・立ちくらみがある
- 筋肉のこむら返りがある(痛い)
- 気分が悪い
- ボーッとする
重症度Ⅱ
- 頭がガンガンする(頭痛)
- 吐き気がある
- からだがだるい(倦怠感)
- 意識がなんとなくおかしい
重症度Ⅲ
- 意識がない
- 体がひきつける(けいれん)
- 呼びかけに対し返事がおかしい
- まっすぐ歩けない、走れない
- 体が熱い
こんな時は熱中症を疑って!熱中症の危険信号
熱中症は早い段階での応急処置が大切!こんな症状が出たときには熱中症の可能性があります! 少しでも異変を感じたら無理をせずに、水分を取って涼しい場所へ移動しましょう。
- 高い体温
- 赤い・熱い・乾いた皮膚(全く汗をかかない。触るととても熱い)
- ズキンズキンとする頭痛
- めまい
- 吐き気
- 意識の障害(応答が異常、呼びかけに反応しないなど)
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熱中症になってしまったら
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熱中症の予防・対策方法熱中症を未然に防ぐには
水分をこまめに補給
- こまめに水分をとる
- のどが渇く前に水分補給(軽い脱水状態では、のどの渇きを感じない場合がある為)
- アルコール飲料での水分補給はNG
- 一日あたり1.2リットルの水分補給
- 起床時、入浴前後に水分補給
- 大量に汗をかいた場合には、塩分も補給する
水分をこまめに補給
暑い日が続くと、発汗量が多くなったり皮膚血液量が多くなる等、体が暑さに強くなっていきます。 ですが、こうした暑さに対する体の適応は気候の変化より遅れて起こるので、 日ごろから運動をして夏の暑さに強い体作りをすることが大切です。
運動の目安は、無理のない範囲で「やや暑い環境」「ややきつい」と感じる強度で 毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を続けることが効果的です。
この体の変化は運動開始数日後から起こり、約2週間程で完成するといわれています。 そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけていれば、 夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。
エアコンを我慢せずに使用する
エアコンが苦手だったり、電気代節約の為に、猛暑の中我慢して過ごすことはとても危険です! 設定温度や風向きを調整して、上手にエアコンを活用しましょう!
エアコン使用時のポイント
① 温度ムラをなくす
エアコンをつけたとき、冷たい空気が下にたまり「温度ムラ」ができてしまうことがあります。 このムラがあると、部屋を冷やしすぎたり、よけいな電気代がかかってしまうことも! ムラをなくすためには、エアコンの風向きを上向きか水平に設定したり、扇風機を併用して空気が循環するように工夫しましょう。② 体感温度を下げる
同じ温度でも、風があるときのほうが涼しく感じ、体感温度は下がります。 扇風機などの風を上手に利用し、エアコンの設定温度を下げ過ぎないように注意しましょう。 直接風が当たるのが気になる場合や就寝時に使用する場合は、扇風機をを部屋の壁や天井に向けて、はね返った風を利用しましょう。③ 換気を行う
エアコンを効果的に使用するため、帰宅後はエアコンをつける前に窓を開けて換気を行いましょう。参考:環境省「夏を快適に過ごすには」:エアコンの上手な使い方
参考:ダイキン工業株式会社HP住まいの工夫をする
家の断熱効果をあげる
家の断熱効果を高めることで、エアコンの効きを良くし、快適な室温をキープ!エアコン代の節約にも!
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気化熱を利用する
打ち水をすると、「気化熱」によって地面の熱が大気中に逃げていき、涼しさを感じることが出来ます。お風呂の残り水など再生水を利用してのエコな打ち水がおすすめ!
参考:環境省「熱中症環境保健マニュアル」