■二重窓とは？

まずは簡単に二重窓の仕組みについてご紹介します。

二重窓（別名「内窓」）は、窓を二列に配置した窓の形式で、とくに断熱性に優れていることで知られています。窓と窓の間に空気の層が形成され、外部からの熱伝導を減らす仕組みがその理由です。寒冷地ではとくに多く採用されています。ただし近年では、その優れた性能により、寒冷地だけでなく全国各地で人気を博しています。

■二重窓が夏におすすめの理由

二重窓は、冬季の断熱効果による暖房効率の向上だけでなく、夏場でもさまざまなメリットがあります。その理由をいくつか見ていきましょう。

・遮熱効果で直射日光を軽減

二重窓には、窓から入る「日射熱」を低減させる効果があります。

夏場の部屋が暑くなる主な原因は、太陽光から来る日射熱です。窓ガラスを通過した日射熱は室内に入り、室内の気温を上昇させます。遮光のレースカーテンなども一定の効果はありますが、内側に設置されている時点で室内に日射熱が入ることを完全には防ぎきれません。

二重窓であれば、2枚のガラスを通過しなければならないため、室内に入る日射熱が大幅に低減されます。これだけでも、室温上昇をかなり抑えられます。

なお、二重窓はガラスの種類を選んで設置できます。遮熱性に優れたタイプの窓ガラスを選ぶと、さらに直射日光を遮断できるため、効果が高まります。

・エアコン効率アップで電気代節約

二重窓の設置は、夏場のエアコンの効率を高めるのにも役立ちます。理由は、二重窓の断熱性です。

新設の内窓と外窓との間にできる空気の層は、室内の空気を漏らさず、外気を中に入れない、という役割を果たします。エアコンで冷やされた空気が外に逃げなくなれば、それだけで大きな効率アップになるでしょう。

当然、部屋の温度を保つために必要なエネルギー量も減ります。結果として、使用される電気料が減り、電気代の節約にもつながるのです。

・紫外線カットで家へのダメージを防止

夏の強い日差しは、窓辺のフローリングや家具に日焼けを引き起こし、色あせや劣化の原因になります。この理由は、日光に含まれる紫外線に大きな要因があるとされています。

二重窓であれば、外側の窓を抜けて入ってきた紫外線を内窓が軽減してくれます。室内に入る頃には、紫外線の量をかなり減らしてくれるため、室内設備等のダメージ軽減にも役立ちます。

・施工日の調整がしやすい

夏場は、冬の繁忙期と比べて二重窓の施工を希望する人が少ないため、希望日程に近い日を施工日に設定しやすくなります。また、既存の窓を壊すことなく設置できるため、基本的に1窓あたり数時間で作業が完了。普段の生活を続けながら、リフォームを進められます。

■二重窓が持つその他のメリット

上記でご紹介した以外にも、二重窓には多くのメリットがあります。

はじめに注目したいのは防音性です。機密性の高さが音を漏らさず、さらに窓と窓の間に設けられた空間が緩衝材となり、透過音と隙間音の両方を防げるということで、二重窓は騒音対策として非常に優秀です。

さらに、防犯対策としても二重窓は効果的です。窓は犯罪者からすると侵入しやすい箇所のひとつ。しかし、一般的な窓に比べると窓を2回割る必要があるため、その分手間が掛かります。さらに、防犯ガラスなどを組み合わせると、より効果を高められます。

また、内窓側については結露がしにくくなるため、現在の窓に結露が行っている場合は、条件次第で解決策のひとつとなります。

■二重窓のデメリット

最後に、二重窓のデメリットについても簡単に解説します。

まずは価格について。とくに、一枚ガラスから複層ガラスへの変更を伴う場合には、ある程度の費用が必要です。こうした点は、間取りフォームの補助金制度などをうまく利用しましょう。

次に、掃除の手間が増える点です。とくに、窓と窓の間は清掃がしにくく、手間がかかります。加えて、窓の開け閉めの数も増える点には注意しましょう。

その他、設置上の制約も考えられます。特定の形状をした窓には設置が困難なため、新規窓設置のスペースが必要になります。この辺は、あらかじめ業者と念入りに打ち合わせをしておきましょう。

■まとめ

そもそも寒冷地で多く採用されてきた二重窓。そのため、寒さ対策や結露防止のイメージを持たれる方が多い傾向にありますが、上記のとおり、実は夏であっても二重窓にはさまざまなメリットがあります。暑い時期の室内をより快適に、とお考えの方はぜひ二重窓の設置をご検討ください。