ペアガラスと二重サッシの違いとは?

「複層ガラス」、「ペアマルチ」、「ペアガラス」、「二重サッシ」、「内窓」、「二重窓」など。窓リフォームにはさまざまな選択肢があります。しかし、いったい何がどのようなリフォームなのだろうと迷われてしまう方も多いでしょう。そこで今回は、なかでも多い「ペアガラスと二重サッシの違い」について詳しくご紹介します。

■ペアガラスとは?

「ペアガラス」とは、二つ以上のガラスの間に一定の空間を持つ窓ガラスの総称です。

2000年頃までは、新築住宅(戸建住宅、マンション、アパート等)の窓では一般的にⅠ枚ガラスが使用されていました。このタイプのガラスは、雨風を防ぐ基本的な機能と、厚さを増すことで風力に対抗する能力はありますが、特段の性能はありません。

一方、「ペアガラス」は二枚のガラスから作られており、ガラスとガラスの間に空間(中空層)を持たせています。この中空層を作るために、「スペーサー」と呼ばれる乾燥剤入りの金属部材がガラスとガラスの間に挟み込まれ、その間に乾燥空気が封入されます。

さらに、複層ガラスの中空層には、アルゴンガスなどの熱伝導率の低いガスを封入するものもあります。これにより、熱の移動をより効果的に防げるようになりました。

 

・ペアガラスの効果とメリット

ペアガラスには、断熱性と結露対策というメリットがあります。

一枚ガラスに比べ、ペアガラスはガラスとガラスの間に存在する空気層がダウンジャケットと同じような断熱効果を発揮します。冬期の暖房機器で生み出された暖房熱を外に逃がさず、室内に留められるようになります。

また、外からの冷気の侵入も防げるため、省エネ効果を大幅に向上させられます。さらに、「アルゴンガス」を封入した複層ガラスや「真空ガラス」を使用すると、より高い断熱性能を期待できます。

結露対策もポイントです。冬季や梅雨時に窓に発生する結露は、カーテンや窓枠を汚すだけでなく、健康問題を引き起こすカビの発生にもつながります。ペアガラスを使用すれば、外気の冷たさから窓を守り、結露の防止にも役立ちます。

■二重サッシとは?

二重サッシは、既存の窓の内側に新たな窓を追加で設置する方法を指します。「二重窓」や「内窓」、「インナーサッシ」とも呼ばれます。

最大の特徴は、その設置方法。一般的には、既存の窓に対して新しい窓を内側に追加で設置します。これにより、室内と室外を隔てる層が2つになるため、「二重」サッシと呼ばれます。

・二重サッシの効果とメリット

二重窓サッシ設置は、断熱性能や遮音性能の向上に役立ちます。二つの窓の間に空気層ができることで、室内の温度をより効果的に保持できるようになり、冷暖房の効率を上げられます。また、二つの窓が遮音効果を高め、外部の騒音を軽減する役割も果たします。

その他、二重窓の設置は、窓全体を新しく交換するリフォームと比べて費用が抑えられるというメリットもあります。すでに存在する窓を利用しながら性能向上を図るため、費用対効果が高いと言えるでしょう。

■ペアガラスと二重サッシを比較

次にペアガラスと二重サッシの違いについて、詳しく比較していきましょう。

・機能面では近しい効果もあり

結露や断熱といった効果についてはペアガラス、二重サッシともに期待ができます。また、防音・遮音効果については、使用するガラスを選ぶことでペアガラスでも効果が得られるでしょう。その他、紫外線・UVカットについては、ペアガラス、二重サッシ共にガラスを選ぶことで実現可能です。

上記のような効果を求めている場合は、ペアガラスと二重サッシのいずれか、もしくは両方を設けるのがおすすめです。

・二重窓は手間が増える?

ペアガラスは現在の窓に付いているガラスの交換となりますので、見た目や使い勝手が変わることはありません。一方、二重サッシは窓が内側にもうひとつ増えるため、どうしても開閉や掃除の手間が増えます。また、見た目も変わる点に注意が必要です。

・ペアガラスと二重サッシはこんな人におすすめ

上記の違いを踏まえて、どちらを選ぶべきかを考えてみましょう。

現在の見た目や使い勝手を変えずに、窓の機能を向上したいとお考えの方にはペアガラスがおすすめです。施工の大がかりにならないため、比較的手軽な選択肢と言えるでしょう。一方、より防音・遮音性を高める目的をお持ちなら二重サッシも検討してみましょう。ペアガラス以上の効果が期待できます。

■まとめ

ペアガラスと二重サッシは、いずれも比較的気軽かつリーズナブルに取り組める窓リフォームです。いずれもの室内環境を快適にしてくれる効果が期待できるため、お困りごとがある場合はぜひ検討してみましょう。

ただし、記事内にもあるとおり、ペアガラスと二重サッシは別々の施工方です。リフォームを依頼する際には、その違いについてしっかり把握した上で、ご自宅にぴったりな方法がどれなのかを考えるようにしましょう。

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