マンションの部屋は窓のリフォームで断熱性を向上

マンションでは、部屋の窓に古いものが使われている場合が多く、断熱性を確保することが難しくなります。室内の断熱性を高めるには、窓をリフォームする方法が有効です。建物の外観などを変えないリフォームであれば、マンションでも実施できるでしょう。そこで今回は、マンションで快適に生活するために、部屋の断熱性が上がる窓のリフォーム方法などをご紹介します。

■マンションで断熱性を高める意味

マンションで部屋の断熱性を高めることは、快適な室内環境を実現できる意味があります。

・快適な室温を保ちやすい

部屋の断熱性を改善するリフォームは、快適な室温を保つのに効果的です。

築年数の古いマンションでは、アルミ製のサッシに単板ガラスといった断熱性能が良くない窓が使われている場合があります。各窓をはじめ壁や床から熱が出入りしやすくなり、エアコンをつけても適温を維持できないケースが少なくありません。

その際、リフォームで部屋の断熱性が向上すると熱の出入りが減り、適度な室温を保ちやすくなります。エアコンの効き目がよくなるため、電気代の節約にもつながります。

夏や冬にエアコンの効果が下がっているとき、部屋のリフォームによる断熱性の向上はおすすめです。

・結露によるカビが発生しにくい

部屋の断熱性を高めた場合、結露によるカビの発生を抑える効果もあります。

部屋で結露が生じる主な原因は、室内外の温度差です。冬に外気で窓や壁が冷やされると、室内の暖かい空気との温度差で窓ガラスや壁の表面に水滴がつきます。水滴がついた部分は湿気を帯びるため、そのまま放置するとカビが発生します。

断熱性に優れた窓や壁は、熱の移動が起こりにくくなります。冬も室内側は冷えにくくなるため、部屋を暖かくしたとき大きな温度差が生じる事態を避けられます。窓ガラスや壁の表面は結露しにくくなり、カビの発生を抑えられます。

結露により部屋にカビが発生しているときも、断熱性の向上は問題解決に効果のある対処法です。

■部屋の断熱性を高めるリフォーム

マンションで部屋の断熱性を高める方法としては、窓全体や窓ガラスのリフォームが挙げられます。

・窓全体のリフォーム

窓全体のリフォームは、マンションの断熱性を高める代表的な方法です。

マンションでは、気密性が悪く古い窓から空気が大量に出入りしているケースが多く見られます。そのため、窓を全体的にリフォームすると、部屋の断熱性を上げる効果が大きいといわれています。

マンションは外観・構造を統一する必要があり、大幅な変更は好まれません。多くのリフォームでは、既存の窓に内窓を追加する二重窓や使用中の窓枠を残したまま新しい窓を入れるカバー工法が選ばれています。

いずれも壁を解体せずに窓全体を改修できるため、マンションの窓リフォームに適しています。

・窓ガラスのリフォーム

マンションの部屋は、窓ガラスのリフォームで断熱性を高める方法もあります。

窓ガラスのリフォームは、ガラス部分だけ交換する方法です。熱を通しにくいガラスの種類は、複層ガラスや真空ガラスです。2枚のガラスの間の空気層や真空部分が熱の移動を妨ぎ、窓の断熱性を高めます。

ガラスのみ交換する場合は窓枠を取り替えず、費用を抑えつつ作業時間も短縮できます。少ない予算で手早く部屋の断熱性を高めたい場合、ガラスだけ交換する方法はおすすめできます。

なお、マンションの窓・窓ガラスは基本的に共用部分であり、通常、リフォームするときは管理組合などの許可が必要です。

■複層ガラスの断熱性の高さ

窓全体のリフォームと窓ガラスの交換ともに、ガラス部分は複層ガラスを利用すると断熱性が高まります。

・複層ガラスの構造

複層ガラスは、2枚のガラスが組み合わされた構造のガラスです。

2枚のガラスは密着せず、その間に空気層が形成されます。ガラスの間の空気層は、そのままでも熱の移動を防ぎますが、特殊なガスを注入したり真空状態にすることで、断熱性をさらに向上できます。

さらに、ガラス表面を特殊な金属でコーティングする処置も、窓の断熱機能を上げるのに効果的です。放射と呼ばれる熱の移動を防ぐ効果があります。

また、複層ガラスは、通常のガラスに比べると断熱性だけでなく遮熱やUVカットの性能も優れています。

・単板ガラスとの性能の差

住宅関係の会社が示したデータによると、複層ガラスと単板ガラスの性能の差は顕著です。

断熱性を見た場合、熱貫流率は、単体ガラスが6.0に対して複層ガラスは2.9にとどまります。熱貫流率は1㎡あたり1時間に熱が移動する量であり、複層ガラスは単板ガラスの2倍ほど熱が伝わりにくいと理解できます。

日差しが室内に入る割合・UVカット率は、単体ガラスが88%・26.1%です。複層ガラスは79%・43.2%であり、遮熱とUVカットの性能も単板ガラスを上回っています。結露も複層ガラスのほうが起きにくく、防露にも優れていると確認されています。

以上の比較データからも、複層ガラスの優れた性能が示されており、マンションの窓リフォームにおいて採用することは有益です。

■まとめ

マンションの室内環境を快適にするうえで、部屋の断熱性を高めることは重要と考えられます。部屋のなかで窓は熱が出入りしやすいため、内窓を追加したりガラスを交換すると断熱性を向上するのに効果的です。

窓リフォームでガラスを変えるなら、断熱性に加えて遮熱性なども優れた複層ガラスがおすすめできます。手軽なリフォーム方法を選べば、時間や手間をかけず快適な室内環境を実現できるでしょう。

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