窓の断熱性が上がる複層ガラスの構造や効果をご紹介!
複層ガラスは、2~3枚のガラスで構成されています。複数枚のガラスが用いられるため、
1枚ガラスより窓の断熱性は上がります。
部屋の窓が古くなり改修を検討しているなら、具体的な効果などを理解しておくと参考になるでしょう。
そこで今回は、複層ガラスの基本的な構造や主な効果をご紹介します。
■複層ガラスの構造・種類
複層ガラスは、複数枚のガラスを組み合わせる構造が特徴的です。具体的には、いくつかの種類に分けられます。
・複層ガラスの基本構造
複層ガラスは、基本的に2~3枚のガラスが組み合わされ、各ガラスの間に空気層が生成される構造です。
通常、複層ガラスを製造するときは、ガラスの間に「スペーサー」と呼ばれる部品をセットします。
各々のガラスはスペーサーにより一定の間隔を保てるようになり、その間に中間層が生み出される仕組みになっています。
・複層ガラスの種類
複層ガラスは、一般的なタイプや真空ガラス・トリプルガラスなど種類が多彩です。
一般的な複層ガラスは、各ガラスの間に乾燥した空気が封入されています。
中間部の空気層は周りの熱の移動を妨げる効果があり、窓の断熱性を向上するのに役立ちます。
真空ガラスは、ガラスの中間部から空気を抜いて真空状態にしたタイプです。
真空は空気の層より熱の動きを阻止する効果が高く、窓の断熱性は約2倍に上がるといわれています。
トリプルガラスは、3枚のガラスが組み合わされる構造です。
同タイプはガラス3枚の間に2つの空気層が生成されるため、空気層が1つの一般的なタイプより断熱性は高くなります。
他には、ガラス表面に特殊な金属膜を施して断熱・遮熱効果を高めるLow-E複層ガラスや、中間部にガスが注入されるタイプもあります。
■複層ガラスの効果
部屋の窓に複層ガラスを用いた場合、窓の断熱性・遮熱性や防犯性を向上するのに効果的です
・断熱性・遮熱性の向上
断熱性・遮熱性の向上は、複層ガラスがもたらす主要な効果です。
窓の断熱性は、基本的に室内の熱が外へ逃げにくくなる性能を意味します。
複層ガラスは、中間部の空気層や真空部分で熱の流れを阻止できます。
そのため、冬場、部屋の暖かい空気を保つのに効果的です。
一方、遮熱性は、屋外からの熱の流入を遮断する性能です。
Low-Eと呼ばれる金属膜により日差しなどの放射を反射する機能があります。
放射は熱の移動の75%ほどを占めるので、空気層と合わせれば非常に高い断熱効果が期待できます。
また、室温が変わりにくくなるため、急激な温度変化で発生する結露の防止にもつながります。
・紫外線をカットする効果
複層ガラスは、紫外線をカットする効果も小さくありません。
一般の1枚ガラスも紫外線カットの効果を備えていますが、複層ガラスは効力が倍増するといわれています。
窓の採光性は低下しないため、部屋を明るく保ちつつ紫外線の流入量を減らせるでしょう。
複層ガラスは多くのメリットを期待できるため、窓リフォームで導入することはおすすめできます。
■リフォーム方法・注意点
部屋の窓を複層ガラスに変更する方法は、大きく3パターンに分けられます。
また、リフォームした後は、トラブルに見舞われる可能性があるため注意が必要です。
・3つのリフォーム方法
窓に複層ガラスを入れる主な方法は、サッシ交換・障子交換・ガラス交換の3つです。
サッシ交換は、窓全体を取り替える方法です。複層ガラスは2~3枚のガラスが使われているため、
1枚ガラスが入っている窓に設置するとき、全体的にリフォームするケースが多く見られます。
障子交換は、ガラス本体とガラス周りの障子部分だけ入れ替えるパターンです。
窓を全体的に変更しないため、出費は抑えやすくなります。
ガラス交換は、窓ガラスだけ変える方法です。
複層ガラスは一般の1枚ガラスより厚さが増すため、通常は専用のアタッチメントを使って固定します。
この方法も窓全体を取り替える必要がなく、基本的に費用は安めです。
なお、窓全体を交換するか部分的に変えるかで見た目は異なってくるため、
リフォーム方法は予算や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
・リフォーム後の注意点
窓に複層ガラスを入れた後は、トラブル発生に注意することが大切です。
複層ガラスを設置したとき気をつけたいトラブルとしては、熱割れや内部結露が挙げられます。
熱割れは、ガラス本体にヒビが入る現象です。
ガラスに加わる熱の温度差が大きいと、ガラスの膨張率も均一でなくなり、割れるリスクが高まります。
内部結露は、中間層に水滴がついたり水がたまったりする症状です。
通常、複層ガラスは、密閉されています。
それでも、強い衝撃や経年劣化で欠損すると、湿った空気が入って結露するケースが見られます。
ただし、何もしていないのに内部結露が起こった場合はメーカー不良の可能性がありますので保証の対象になることもあります。
10年の保証期間があることもあるのでチェックしてみましょう。
これらのトラブルは、多くの場合、放置していても解決しません。
トラブル発生時には早めの対処が望まれるため、日頃のチェックが大切になります。
■まとめ
複層ガラスは、窓の断熱性向上や結露対策に役立つアイテムです。
具体的なリフォーム方法は、予算などをふまえて選択できます。
部屋の冷暖房が効きにくく悩まされている場合は、複層ガラスの導入をおすすめします。