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内窓リフォームのメリットとデメリットは?内窓を設置するときの判断基準を解説

暖かな内窓のイメージ画像

「内窓リフォームが人気と聞くけれど本当に良いのだろうか?」

「内窓リフォームはメリットばかりではないはず。デメリットも詳しく知っておきたい!」

 

内窓のリフォームを検討していて、そう思っていませんか。

 

内窓は二重窓とも呼ばれますが、内窓リフォームは、主に以下のようなメリットやデメリットがあります。

 

メリット

デメリット

・断熱性が高い

・結露対策になる

・防音効果が期待できる

・防犯対策になる

 

性能を変えられる!

(より快適な暮らしが手に入る)

 

◎設置前

・設置上の制約がある場合がある

・設置費用が高額になる場合がある

・設置時にカーテンレールなどの撤去が必要になる

そもそも設置できない場合がある!

 

◎設置後

・窓枠に物を置けなくなる

・掃除の手間がかかる

・窓の開け閉めの手間がかかる

・寒さを感じる場合がある

人によって使いづらさを感じる場合がある!

 

 

断熱性や防音性などを高めていく効果が期待できるだけではなく、省エネにもつながるなどのメリットがあり、
国や地方自治体が補助金を出して内窓リフォームを推進しています。

 

今より快適な暮らしを手に入れたい方にとって、良い選択肢といえます。

 

しかし、サイズ面などの制約があったり、窓の種類を変更したかったりする場合は、
内窓(二重窓)を設置できないといったデメリットも見過ごせません。

 

そのような場合、内窓ではなく、現在使っている窓枠の上に新しい窓をかぶせる「カバー工法」のほうが適している場合が多いことを知っておくといいでしょう。

 

それぞれオススメする人は以下です。

 

内窓(二重窓)とカバー工法をオススメする人

内窓(二重窓)がオススメな人

予算が限られている人

窓が小さくなるのが嫌な人

・より強力な防音や防犯性を求める人

 

カバー工法がオススメな人

予算にある程度余裕がある人

サイズ面など制約があり内窓を設置できない人

・窓の種類を変更したい人

・設置後の出入りや掃除の手間が増えるのが嫌な人

見栄えをよくしたい人

既存のサッシを20年以上使用している人

 

予算に余裕があるならカバー工法が良い場合も多い!

 

本記事では、以下について詳しくお伝えしていきます。

 

本記事でわかること

・内窓(二重窓)リフォームのメリット

・内窓(二重窓)リフォームのデメリット

・内窓(二重窓)を設置すべきかどうかの判断基準

・内窓(二重窓)のリフォームで後悔しないためのポイント

・内窓(二重窓)リフォームの費用や工事期間

・内窓(二重窓)リフォームの費用削減に役立つ補助金の利用

 

本記事を参考にして、内窓(二重窓)リフォームのメリットやデメリットを理解し、どのようなリフォームを行うべきか正しく判断していきましょう。

 

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内窓リフォームコラムバナー画像

1. 内窓(二重窓)リフォームの5つのメリットを事例で紹介

メリット文字のイメージ画像

 

内窓(二重窓)のリフォームは、住まいの快適性が高まる以下のようなメリットがあります。

 

・断熱性が高い

・結露対策になる

・防音効果が期待できる

・防犯対策になる

・省エネ効果が期待できる

 

それぞれのメリットが日常生活にどのような影響を与えるのかも含め、以下で詳しく解説していきます。

 

1-1. 断熱性が高い

内窓(二重窓)は断熱性が高く、室内環境を快適に保つことができます。

 

一般的な窓ガラスは断熱性能が低く、室内から熱が逃げやすい構造です。
しかし内窓(二重窓)は、外窓と内窓の間に空気層ができるため、断熱効果が高くなります。

 

気密性も上がるのでスキマ風が入ることも少なくなるため、冬場は室内がより暖かくなるでしょう。
夏場はエアコンで冷やされた室内の冷気が外に逃げにくくなるため、電気代の節約にもつながります。

 

ご参考までに、換気小窓からの寒さで悩まれていた住宅のリフォームをした事例は下記になります。

 

Before

After

換気小窓からの冷気で寒い!
内窓リフォーム前冷気のイメージ画像

内窓をつけて冷気をシャットアウト!
内窓リフォーム後冷気のイメージ画像

※画像右上の小さい窓が「換気小窓」

※茶色い枠の内窓で全体を覆う

 

以前、寒さ対策としてガラス交換をしたそうですが、換気小窓はガラス交換ができず、冷気を感じていたそうです。

 

内窓を設置することで、全体をしっかり覆えるため、換気小窓があっても冷気をシャットアウトできるようになりました。

 

1-2. 結露対策になる

冬の朝、窓にびっしりとついている結露に悩んでいる場合、内窓(二重窓)を設置することで結露が起こりづらくなります。

 

窓の結露は、室内の水蒸気が窓際で冷やされることにより発生します。
朝方は気温が下がるため、外気温と室内温度の差が激しく、室内の空気が冷え切った窓ガラスに当たって冷やされ、
水蒸気となり大量の結露となってしまうのです。

 

内窓(二重窓)を設置すれば、内側の窓の温度はそれほど下がりません。
そのため、室内の空気が窓ガラスに当たってもそれほど冷えないため、結露が発生しづらくなるのです。

 

ご参考までに、寒さと結露で悩まれていた住宅のリフォームをした事例は下記になります。

 

Before

After

部屋が寒く、結露がひどい!
内窓リフォーム前冷結露のイメージ画像

寒さも結露も解消!
内窓リフォーム後冷結露のイメージ画像

※元は「上げ下げ窓」

※設置後の清掃も簡単な「開き窓」で施工

 

開き窓タイプの内窓(二重窓)リフォームを行ったところ、寒さや結露だけではなく、防音効果もあり設置前よりも静かになったそうです。

 

結露が発生すると、拭き取る手間がかかるだけではなく、窓周辺やカーテンにカビが生えたり、
湿気で壁紙などが腐食する可能性もあります。アレルギーなど健康被害に悩まされる人もいるかもしれません。

 

外気温によっては完全に結露がなくなるとは言い切れませんが、内窓(二重窓)を設置することで、
寒い朝に結露に悩まされる可能性が大幅に減るのはメリットと言えるでしょう。

 

1-3. 防音効果が期待できる

幹線道路に面した場所に自宅があるなどの理由で騒音に悩まされている場合、
リフォームをして内窓(二重窓)を取り付けることで、防音効果が期待できます。

 

外窓と内窓の間の空気層には音波の伝播を遅らせる働きがあり、選ぶ内窓によって防音性能は異なりますが、
外部の音を40デシベル程度カットできると言われています。

 

下記は、深谷市が提供している「騒音の大きさの目安」です。
現在問題になっている騒音レベルから40デシベル下がると、どのくらいの静かさになるのか確認してみてください。

 

騒音の大きさの目安

大きさ

聴覚的な目安

具体例

120db

聴力機能に障害

飛行機のエンジンの近く、近くの落雷

110db

自動車のクラクション(直近)

100db

極めてうるさい

電車のガード下、地下鉄構内

90db

犬の鳴き声(直近)

80db

うるさい

救急車のサイレン(直近)、パチンコ店内、走行中の電車内

70db

セミの鳴き声(直近)、高速道路走行中の自動車内

60db

普通

普通の会話、デパート店内

50db

エアコンの室外機(直近)、静かな事務所の中

40db

静か

閑静な住宅地の昼間、図書館の中

30db

深夜の住宅街

20db

極めて静か

雪の降る音、木の葉の触れ合う音

 

音を完全になくすことはできませんが、たとえば緊急車両の騒音(80デシベル)に悩まされていた場合、40デシベル程度の聞こえ方になります。
これは図書館の静かさに相当するため、夜間であっても騒音を気にせずに睡眠が取れるようになるでしょう。

 

ご参考までに、駅前のマンション在住で、電車の音が気になるので防音対策をしたいという住宅のリフォームをした事例は下記になります。

内窓リフォーム後冷騒音のイメージ画像

 

当初、駅側の窓は防音ガラスを使用した防音用のサッシが使用されていたので、違う窓に防音対策の内窓(二重窓)を施工したところ、
とても防音効果が高いということで、駅側の窓も含めすべての窓を施工したそうです。

 

1-4. 防犯対策になる

内窓(二重窓)には、窓から侵入しようとする犯罪者を減らし、防犯性を高めるメリットがあります。

 

警察庁の「住まいる防犯110番」の記事によると、鍵がかかっている住宅に侵入し窃盗を行った犯罪者のうち、
戸建てと共同住宅(3階建て以下)では窓からの侵入が第1でした。
窓に鍵をかけていたとしても、短時間で窓を破壊して室内に侵入されるリスクがあるのです。

 

しかし、リフォームを行い内窓(二重窓)を設置することで、窓を破るために余計な労力と時間がかかるようになるため、
犯罪者は「誰かに目撃されてしまうかもしれない」と思い侵入をあきらめる可能性が高まります。

 

このように、内窓(二重窓)を設置することは防犯対策になると言えるでしょう。

 

1-5. 省エネ効果が期待できる

内窓(二重窓)を設置すると、省エネ効果が期待できます。

 

断熱性が向上することで室内の温度を一定に保つことができ、冷暖房の効率が良くなり、エネルギー消費が抑えられるからです。
たとえば冬に暖房を使用する際には熱が、夏に冷房を使用する際には冷気が外に逃げる量が減るため、より効率的に室内を暖めることができます。

 

冷暖房費の削減を一番の目的として内窓(二重窓)リフォームを行うケースはあまりないかもしれませんが、
結果として節約につながり、エコフレンドリーな家づくりが可能になるのはメリットと言えるでしょう。

 

2. 内窓(二重窓)リフォームの7つのデメリット

デメリット文字のイメージ画像

内窓(二重窓)の設置で考えられるデメリットとして、設置前から設置後で、以下が挙げられます。

 

◎設置前

・設置上の制約がある場合がある

・設置費用が高額になる場合がある

・設置時にカーテンレールなどの撤去が必要になる

 

◎設置後

・窓枠に物を置けなくなる

・掃除の手間がかかる

・窓の開け閉めの手間がかかる

・寒さを感じる場合がある

 

リフォームを成功させるために、デメリットについても理解しましょう。

 

以下で、詳しく解説していきます。

 

2-1. 設置上の制約がある場合がある

窓の形状によっては、内窓(二重窓)の設置ができない場合があります。
たとえば、以下のような内倒し窓だと、手前に倒れてくるため内窓リフォームはできません。

内倒し窓のイメージ画像

 

また、内窓(二重窓)を設置するには既存の窓枠に合わせる必要があるため、
窓のサイズを小さくしたい、あるいは大きくしたいということも不可能です。

 

詳しくは後述しますが、内窓(二重窓)が形状上設置できない場合は、代わりにカバー工法で窓交換を行う方法もあります。

 

そして、分譲マンションの場合は、共有部分は自己判断ではリフォームができません。
内窓(二重窓)は、専有部分として見なされるケースがあるため、管理組合へ確認したうえで判断してください。

 

このように、どんな状況下でも内窓(二重窓)が設置できるわけではないため、
リフォームを決定する前に事前にしっかり計画を練っておきましょう。

 

2-2. 設置費用が高額になる場合がある

内窓(二重窓)リフォームのデメリットとして、設置費用が高額になる場合があることが挙げられます。

 

住居全体の断熱効果や防音、防犯効果を見込んで設置する場合、
一部の窓だけではなく多くの窓をリフォームすることになるため、それに伴う費用が大きくなるからです。

 

詳しくは「3-1. 内窓(二重窓)設置の費用相場」で解説しますが、
住居全体を内窓(二重窓)にすると、トータルで数百万円の費用がかかる場合もあります。

 

窓リフォームの中では、内窓(二重窓)設置は比較的リーズナブルですが、高額になる場合もあることを覚えておきましょう。

 

2-3. 設置時にカーテンレールなどの撤去が必要になる

内窓(二重窓)リフォームの際には、カーテンレールなど窓際にある設備の撤去が必要なケースがあり、追加の工事費用が発生する場合があります。

 

カーテンレールやブラインドの設置場所にもよりますが、内窓を取り付けるスペースを確保するためには、
もともと設置されていたカーテンレールなどを一度撤去し、再配置しなくてはならない場合があるからです。

 

このため、内窓(二重窓)を設置する際は、カーテンレールなどの位置が変わる可能性があることや、
追加費用がかかる可能性があることを認識しておきましょう。

 

2-4. 窓枠に物を置けなくなる

窓枠に小物や観葉植物などを飾り、インテリアを楽しんでいる人も多いかもしれませんが、
内窓(二重窓)を設置すると、今までの窓枠のスペースが狭くなるため、以前のように物を置けなくなってしまう可能性があります。

 

窓辺のインテリアを楽しんでいる人にとっては、室内のレイアウトにも影響があるため、デメリットと感じることもあるかもしれません。

 

2-5. 掃除の手間がかかる

内窓(二重窓)は、2枚の窓を掃除する必要があり、窓と窓の間のスペースも定期的にキレイにする必要があるため、
通常の窓と比べると手間がかかります。掃除が好きではない人にとってはデメリットと言えるでしょう。

 

内窓と外窓の間のスペースは狭いため、掃除しづらいと感じるかもしれませんが、
長い間掃除をしないと汚れがたまり、カビなどが発生する原因にもなりかねません。

また、内窓(二重窓)の設置箇所が多い場合、掃除の手間は倍増します。

 

このように、内窓(二重窓)リフォームは、掃除の手間がかかるという点でデメリットとなり得ます。

 

2-6. 窓の開け閉めの手間がかかる

今までは、窓を一回開け閉めすれば完了でしたが、内窓(二重窓)を設置することで
内窓と外窓の2枚の窓ができるため、開け閉めに手間がかかるようになります。

 

窓を2枚開けたり閉めたりすることに抵抗を感じないようであれば良いですが、
たとえばベランダへの出入りで利用する窓などは、洗濯物を干す際など毎日のように開け閉めすることになるため、面倒だと感じるかもしれません。

 

このように、日常生活で不便や面倒を感じることがデメリットとなり得ます。

 

2-7. 寒さを感じる場合がある

「内窓(二重窓)にすると暖かい」と思われがちですが、
たとえば窓が複数枚ある部屋で一部だけに内窓(二重窓)を設置した場合、寒さを感じることがあります。

 

一部の窓だけリフォームしても、ほかの窓からの冷気の侵入は防げません。
そのため、断熱効果が部分的にしか感じられず、全体として寒く感じる場合があるということです。

 

部屋全体または建物全体の窓を内窓(二重窓)リフォームすることで寒さを感じにくくなりますが、
費用などの問題から一部の窓のみを内窓(二重窓)にする場合は、寒さを感じる場合があることを理解しておきましょう。

 

3. 内窓(二重窓)リフォームの費用や工事期間は?

家と電卓のイメージ画像

内窓(二重窓)のリフォームを検討する際、気になるのは費用や工事期間ではないでしょうか。

 

・内窓(二重窓)設置の費用相場

・内窓(二重窓)設置の工事期間

 

費用が相場より安すぎるのも、高すぎるのも適切とは言えません。以下を参考にして、内窓(二重窓)リフォームの計画を立てていきましょう。

 

3-1. 内窓(二重窓)設置の費用相場

内窓(二重窓)を設置するのにかかる費用は、どんなガラスを入れるのか、サイズや性能によっても変わってきます。

 

以下は、リフォーム費用の大まかな目安です。

 

内窓(二重窓)1枚あたりの設置費用の目安

腰高窓 (60100 cm × 100150 cm)

5~8万円程度

掃き出し窓 (100140 cm × 170 cm)

6~9万円程度

大きな掃き出し窓 (180220cm × 200cm)

10~16万円程度

 

「腰高窓ってどんな窓?」と思うかもしれませんが、下の画像では右側が腰高窓です。
ベランダに面した左側が掃き出し窓になります。

窓種のイメージ画像

 

ガラスのサイズが大きいものや、断熱効果や防犯効果の高いガラスは、そうではないものと比べると高価になります。
複数枚のリフォームを検討している場合は、場所によってガラスの種類を変えるなどすると良いでしょう。

 

実際にいくら費用がかかるかは、業者で見積もりを取って判断することをオススメします。

 

3-2. 内窓(二重窓)設置の工事期間

内窓(二重窓)の工事期間ですが、1枚の窓あたり数時間程度が目安です。

 

リフォームと聞くと長期間かかるイメージがあるかもしれませんが、
内窓(二重窓)の場合は壁を壊したりといった大掛かりな作業ではなく、
今ある窓の内側に新しい窓を取付けるだけなので、専門業者が行えば数時間以内には完了します。

 

複数枚リフォームをする場合でも、複数人のスタッフが行えば1日で工事が終わると考えてよいでしょう。

 

4. 内窓(二重窓)を設置すべきかどうかの判断基準

判断基準のイメージ画像

「内窓リフォームのメリットとデメリットは理解できたけれど、
我が家の場合は内窓を設置するのがベストなのだろうか?」とお悩みの方もいるかもしれません。

 

断熱性や防音性、防犯性、結露防止力を高めたいのであれば、窓リフォームがオススメです。

 

ただし、必ずしも内窓(二重窓)がベストの選択肢とは限りません。

 

現在使っている窓枠の上に、新しい窓をかぶせるカバー工法という方法でも窓交換ができます。

カバー工法流れのイメージ画像

 

 

カバー工法ではプラスされたサッシの分(上下7㎝、左右5㎝程度)、
窓ガラスがリフォーム前より小さくなりますが、サッシと窓ガラスが新しくなるため、見た目もキレイになります。

 

カバー工法と内窓(二重窓)には以下のような違いがあるため、
リフォームにおける優先事項を考慮しつつ、どちらを設置すべきか判断していきましょう。

 

 

内窓(二重窓)

カバー工法

費用

安い(15~16万円)

高い(11020万円)

天窓・出窓リフォーム

できる

できない

大きさの変化

今までと変わらない

少し小さくなる

掃除や開け閉めの手間

手間がかかる

今までと変わらない

防音・防犯

高め

普通

窓の種類変更

できない

できる

見栄え

よくはない

比較的よい

古いサッシへの対応

できない

できる

 

上記の違いを踏まえたうえで、内窓(二重窓)をオススメする人とカバー工法をオススメする人は以下のとおりです。

 

内窓(二重窓)とカバー工法をオススメする人

内窓(二重窓)

・予算が限られている人

・天窓や出窓をリフォームしたい人

・窓が小さくなるのが嫌な人

・より強力な防音や防犯性を求める人

 

カバー工法

・予算にある程度余裕がある人

・サイズ面など制約があり内窓を設置できない人

・窓の種類を変更したい人

・設置後の出入りや掃除の手間が増えるのが嫌な人

・見栄えをよくしたい人

・既存のサッシを20年以上使用している人

 

カバー工法は天窓や出窓には使えないため、内窓リフォーム一択となります。

また、物理的に内窓(二重窓)は2枚の窓が設置されるため、防音効果や防犯性能はカバー工法よりも高めです。

 

一方、既存のサッシを20年以上使用している場合は、カバー工法がおすすめです。

 

また、サッシの寿命は一般的に20~30と言われているため、
寿命に近い場合はカバー工法でサッシごと変えたほうが良いと思われます。

 

リフォームにおける優先事項を認識したうえで、最適な方法を決めていきましょう。

 

5. 内窓(二重窓)のリフォームで後悔しないための2つのポイント

ポイント黒板のイメージ画像

 

内窓(二重窓)のリフォームは生活の質を大きく改善できる可能性がありますが、
以下のポイントを抑えずに工事を依頼すると、思う通りにならなかったと後悔してしまうかもしれません。

 

・設置後のデメリットを把握したうえで大丈夫なら導入する

・目的に合わせてガラスを選ぶ

 

上記のポイントを押さえることで、より満足のいく内窓(二重窓)リフォームを実現できるでしょう。

 

以下で、詳しく解説していきます。

 

5-1. 設置後のデメリットを把握したうえで大丈夫なら導入する

2章で紹介した内窓(二重窓)のデメリットを把握することが大切です。

 

防音効果や結露対策、断熱性向上などのメリットに目が行きがちですが、
掃除の手間がかかることや窓の開け閉めの手間がかかることなど、デメリットを認識したうえでリフォームを行いましょう。

 

デメリットが気になり内窓(二重窓)の設置に踏み切れない場合は、カバー工法でリフォームを行ったり、
6章の内容を参考にして補助金を利用し、費用削減をはかったりなど工夫していくことで、デメリットがあまり気にならなくなるかもしれません。

 

リフォームを行う前に、内窓(二重窓)を設置した後の様子を、ネガティブな面を含めてイメージするようにしてください。

 

「結露がほとんど発生しなくなった」「外の騒音が聞こえなくなり静かになった」など、
ポジティブな現象しか起こらないということは珍しいでしょう。

 

それよりも、「リフォーム前よりも掃除が増えて面倒」「リフォームしていない隣の部屋から冷気が流れ込んできて寒い」などのネガティブな感情が生まれがちがちです。

 

こういったことを想像していないと、「思ったようなリフォームができなかった」「内窓なんてつけるんじゃなかった」と後悔するかもしれません。

 

必ず内窓(二重窓)を設置した後をイメージして、しっかり納得できて、
あるいは納得できる方法を選んでからリフォームに取りかかる
ようにしましょう。

 

5-2. 目的に合わせてガラスを選ぶ

内窓(二重窓)のリフォームで後悔しないためには、設置目的に合ったガラスを選ぶことが大切です。

 

内窓(二重窓)として使われるガラスは大きく分けて以下の3つがあり、期待できる効果がそれぞれ異なります。

 

内窓(二重窓)に使われるガラスの種類と期待できる効果

種類

断熱・結露対策

防音・防犯対策

単板ガラス(一枚ガラス)

✕もしくは

✕もしくは

複層ガラス(ペアガラス)

合わせガラス

 

単板ガラス(一枚ガラス)は厚みによって性能が変わりますが、高気密サッシとの組み合わせで使われると、
断熱効果などがアップします。単板ガラスだけでは、結露や防音、断熱、防犯対策などにはあまり適しません。

 

複層ガラス(ペアガラス)は、窓枠にガラスが2枚入っており、ガラスとガラスの間にある空気層が断熱性を高めると言われています。
そのため、結露対策としてもよく採用されるガラスです。ただし、防音性能はあまり高くないというデメリットがあります。

 

合わせガラスは、ガラスとガラスの間にフィルムを挟んだもので、防音や防犯効果が期待できます。
どのようなフィルムを挟むかで効果も変わってくるため、騒音に悩んでいる場合はどのような音を抑えたいのかを専門業者に相談するのが良いでしょう。

 

ただし、断熱効果や結露対策は、複層ガラスほどは期待できません。

 

どのような悩みを解消するために内窓(二重窓)リフォームをするのかをいま一度確認し、後悔のないようにガラスを選んでいきましょう。

 

6. 内窓(二重窓)リフォームの費用削減に役立つ補助金

 

「内窓(二重窓)の設置にかかる費用がネックで、なかなかリフォームに踏み切れない」

「できるだけ、リフォーム費用を抑えたい」

 

このように思うのであれば、国や地方自治体が実施している内窓設置を対象した補助金を利用するのがオススメです。

 

国で実施している補助金制度については、以下をご覧ください。

 

内窓(二重窓)リフォームで利用できる国の補助金制度

名称

対象要件

補助金上限額

子育てエコホーム支援事業

(国土交通省)

・リフォーム

・新築(子育て世帯、若者夫婦世帯のみ)

20万円

子育て世帯、若者夫婦世帯は30万円)

先進的窓リノベ2024事業

(環境省)

・建築から1年以上経過した住宅

・補助金額が5万円以上

200万円

住宅エコリフォーム推進事業

(国土交通省:令和5年度)

ZEH仕様で登録されている製品を用いたリフォーム

・補助率上限40% 

35万円

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

(環境省)

・省エネ効果(15%以上)が見込まれる改修率を満たす高性能建材を使用

・断熱グレードによって単価が異なるが、内窓設置は1㎡あたり3万円

 

「住宅エコリフォーム推進事業」は、例年6月上旬頃に国土交通省のホームページで詳細が発表されます。

 

対象となる製品が限定されている場合もありますので、詳細はそれぞれのホームページを確認してください。

 

地方自治体ではたとえば、東京都では「既存住宅における省エネ改修促進事業」という制度があります。
1つ以上の居室のすべての窓に高断熱窓を設置すると、かかった費用の最大3分の1(100万円まで)の補助が受けられます。

 

「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」と「既存住宅における省エネ改修促進事業」は、併用が可能です。

 

ただし、単純に補助上限額を足した金額が支給されるわけではなく、合計補助金額の上限が設定されているため、
詳しくはリフォーム工事を依頼する業者にお尋ねください。

 

補助金申請の際に、工事を行う業者が申請しなくてはならないケースも多いため、
業者はより正確な知識を持っている可能性が高いからです。

 

注意点としては、補助金事業を行っていない地方自治体があることや、
リフォーム工事の段階で補助金申請が定員に達し、締め切られている場合があることを念頭に置いておきましょう。

 

補助金の申請受付がスタートして数カ月後には締め切りになってしまうケースもあります。
この場合、補助金申請のスタート時期に合わせて工事を依頼するなどの工夫が必要です。

 

お住まいの自治体に内窓設置の補助金制度があるか調べる際には、申請時期や金額などを合わせてチェックしておきましょう。

 

7. まとめ

本記事では、内窓(二重窓)リフォームのメリットやデメリットを中心に、リフォームするべきかの判断基準や、
リフォーム後に後悔しないためのポイントについてお伝えしてきました。

 

内窓(二重窓)設置の主なメリットは以下のとおりです。

 

・断熱性が高い

・結露対策になる

・防音効果が期待できる

・防犯対策になる

・省エネ効果が期待できる

 

デメリットとしては、以下が挙げられます。

 

◎設置前

・設置上の制約がある場合がある

・設置費用が高額になる場合がある

・設置時にカーテンレールなどの撤去が必要になる

 

◎設置後

・窓枠に物を置けなくなる

・掃除の手間がかかる

・窓の開け閉めの手間がかかる

・寒さを感じる場合がある

 

リフォームの際には、内窓以外にカバー工法という方法もあり、以下のような違いがあります。

 

 

内窓(二重窓)

カバー工法

費用

安い

高い

掃除や開け閉めの手間

手間がかかる

今までと変わらない

見栄え

よくはない

比較的よい

 

上記の違いを踏まえたうえで、内窓(二重窓)をオススメする人とカバー工法をオススメする人は以下のとおりです。

 

内窓(二重窓)とカバー工法をオススメする人

内窓(二重窓)

・予算が限られている人

・天窓や出窓をリフォームしたい人

・窓が小さくなるのが嫌な人

・より強力な防音や防犯性を求める人

 

カバー工法

・予算にある程度余裕がある人

・サイズ面など制約があり内窓を設置できない人

・窓の種類を変更したい人

・設置後の出入りや掃除の手間が増えるのが嫌な人

・見栄えをよくしたい人

・既存のサッシを20年以上使用している人

 

リフォームにおける優先事項を認識したうえで、最適な方法を決めていきましょう。

 

本記事が内窓(二重窓)リフォームを検討している方が良い選択を行う際の参考になれば幸いです。