【省エネ基準って?】家を建てる、住宅を購入する際の注意点
最終更新日:2019.09.06
おはようございます!Mado Pro(マドプロ)スタッフです!
以前「新築住宅の省エネ基準適合義務化」についてのお話を書きましたが、ほとんどの新築住宅で適合義務化が見送りとなりました。今回は、これから家を建てる方、中古住宅を購入しようと考えている方に知ってほしい「省エネ基準」についてご説明していきます。
1. 省エネ基準って?
2. 「省エネ基準適合義務化」は見送りに
3. 省エネ基準適合義務化されないとどうなる?
4. 日本の住宅の断熱性能は世界と比べると低い
5. 粗悪な家を買わされない為に。「省エネ」に関心を!
6. 窓リフォームのことや省エネに関する知識はマドプロで!
■省エネ基準って?
日本では、1970年代に起こったオイルショックをきっかけに、燃料資源を有効に使うため「エネルギーの使用の合理化に関する法律(通称“省エネ法”)」が1979年に制定され、建築物向けには1980年に省エネ基準が定められたのが始まりです。その後は以下のような流れで改正されていきました。
1980年 昭和55年省エネ基準
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1992年 平成4年省エネ基準(新省エネ基準)
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1999年 平成11年省エネ基準(次世代省エネ基準)
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2013年 平成25年省エネ基準(改正省エネ基準)
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2016年 平成28年省エネ基準 ※平成25年基準を踏襲したもの
平成25年の改正省エネ基準からは、壁や窓などの断熱性能に加えて、給湯や家電、照明などの住宅設備のエネルギー消費の効率性も評価の対象となり、家全体でエネルギー消費を考える流れへと変化しています。
■「省エネ基準適合義務化」は見送りに
2020年から省エネ基準の適合が義務化されるという話がありましたが、現状の適合率の低さや、適合義務化に対応できない(省エネ計算ができない)工務店が相当数いるなどの理由で、ほとんどの新築住宅(小規模住宅・小規模建築物)では義務化は見送りとなりました。
■省エネ基準適合義務化されないとどうなる?
これまでのお話は住宅業界のお話でしたが、私達にはどう関係があるのでしょうか?
義務化が見送られたことでどうなるかというと、義務ではないので、断熱性能が凄く低い住宅を建てることも可能となってしまいます。
省エネ基準を満たしていないローコスト住宅は一見安いようにみえますが、夏暑く冬寒かったり、温度差によるヒートショックの危険性や、冷暖房費が多くかかってしまうなど住む人にとって快適な家とはいえません。
また、耐震基準が設けられたときのように、将来省エネ基準が義務化された場合には、家の資産価値が下がってしまったり、家を売ることが難しくなってしまうリスクもあります。ローコスト住宅を購入する際には家の性能がどうなっているのかという部分もあわせて確認することが大切です。
■日本の住宅の断熱性能は世界と比べると低い
窓の断熱性能でみてみると、日本は世界に比べて住宅の断熱性能が相対的にみてとても低いということが分かります。「熱貫流率」と呼ばれる、断熱性能を表す数値(数値が低いほど断熱性能が良い)で世界の窓の断熱性能の最低基準を見てみると、フィンランドでは1.0 W/㎡K。ドイツでは1.3W/㎡Kです。一方日本には最低基準というもの自体設けられておらず、経済産業省が定めた窓の等級の最高レベルの等級でも2.33W/㎡K以下と求められる断熱性が低いことが分かります。
今回は義務化が見送りとなりましたが、すでに大手ハウスメーカーなどでは省エネ基準を満たした住宅が標準仕様とされています。これから新しく家を建てる方は日本の省エネ基準は最低基準として、ZEHやLCCM住宅などの将来を見据えた家を建てられることをおすすめします。
■粗悪な家を買わされない為に。「住宅の省エネ性能」にも関心を!
いかがだったでしょうか。義務化がされなくなったことで一見「省エネ」は関係なくなったように思えますが、義務化が見送りになったからこそ、これから家を買う人が、性能の低い家を安易に買わないようしっかりと知識をつけておくことが大切です。
■窓リフォームのことや窓の断熱性能に関する情報はマドプロで!
マドプロでは、一般の方に分かりやすく住まいに関する知識やお役立ち情報等を掲載しています。今回の記事で省エネに関して気になったという方は、是非特集コンテンツや、その他のブログ記事も是非チェックしてみてくださいね!
参考サイト:
一般社団法人日本サステナブル建築協会「よくわかる住宅の省エネルギー基準」
ウェルネストホーム「2020年の省エネ義務化問題!【住宅の資産価値が激減!?】」
日本経済新聞『低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン』
三協アルミ「省エネルギー基準について」
一般社団法人日本サッシ協会「省エネルギー基準について」