ガラス交換のメリットとデメリットは?ガラスを交換するときの判断基準を解説
「ガラス交換でリフォームを考えているけれど、メリットだけではなくてデメリットも知りたい」
「そもそもうちの窓、本当にガラス交換する必要があるのだろうか?」
と思っていませんか。
ガラス交換で窓リフォームする際には、以下のようなメリットやデメリットがあります。
メリット |
デメリット |
・断熱効果が期待できる ・日射対策が期待できる ・結露対策が期待できる ・防音効果が期待できる ・防犯効果が期待できる
→窓の性能が全体的に向上し、日常生活の満足感が上がる! |
・サッシがゆがんでいると思ったような効果が得られない場合がある ・費用が高額になる場合がある ・内窓に比べると防音・防犯効果が劣る ・カバー工法ほど全体の見た目が良くない
→状況によって後悔する場合があるので事前確認必須! |
上記を踏まえると、以下に当てはまる人はガラス交換でリフォームを行うべきです。
◎ガラス交換がおすすめな人 ※以下すべてにチェックを入れられるなら交換してOK
□本記事を最後まで読み、窓の性能を全体的に向上させることで、今より快適な暮らしができるイメージが持てた □サッシのゆがみや劣化がなく、問題なく性能向上できると確認できた □リフォーム業者に費用見積もりを依頼し、費用面は問題ないと確認できた □下記のやめておいたほうがいい人に当てはまらない
◎ガラス交換をやめておいたほうがいい人 ・防音・防犯効果を第一優先している →内窓を検討したほうがいい ・見た目をよくしたい →カバー工法を検討したほうがいい ・既存のサッシを20年以上使用している →カバー工法を検討したほうがいい |
本記事では、以下についてお伝えしていきます。
本記事でわかること |
・ガラス交換で窓リフォームをするメリット ・ガラス交換で窓リフォームをするデメリット ・ガラス交換で窓リフォームをすべきかどうかの判断基準 ・ガラス交換の窓リフォームで後悔しないためのポイント ・ガラス交換の窓リフォーム、費用や工事期間 ・ガラス交換の窓リフォームに利用できる補助金 |
本記事を参考にして、ガラス交換で窓リフォームをするメリットやデメリットを理解し、どのようなリフォームを行うべきか判断していきましょう。
1. ガラス交換で窓リフォームをする5つのメリット
「ガラスを交換すると本当に良いことがあるの?具体的に想像がつかない…」
「本当に住環境が快適になるの?」
と思うかもしれませんが、ガラスの性能は年々向上しており、リフォームを行うと以下のようなメリットが期待できます。
・断熱効果
・日射対策
・結露対策
・防音効果
・防犯効果
それぞれのメリットが日常生活にどのような影響を与えるのかも含め、以下で詳しく解説していきます。
1-1. 断熱効果が期待できる
断熱性が高いガラスを用いてリフォームすることで、窓の断熱効果が期待できます。
単板ガラスは断熱性能が低いため、室内から熱が逃げやすく、室外の熱を取り込みやすい構造です。
しかし断熱性が高いガラスを設置することで気密性も上がるため、冷暖房の効きが良くなり、電気代の節約にもつながります。
たとえば、一般的な一枚ガラスの4倍の断熱性能を持つスペーシアでガラス交換をした場合、年間の冷暖房費が約40%カットされるというデータもあります。
下記は、寒さ対策としてガラス交換リフォームをした事例です。
Before |
After |
寒さ対策で真空ガラス 「スペーシア」の不透明ガラスへ交換しました。
不透明ガラスといっても明るさも保たれるタイプのガラスです。
断熱効果が高まるため、冬場の寒さ軽減の効果が期待できます。
1-2. 日射対策が期待できる
遮熱ガラスやLow-E(低放射率)ガラスに交換することで、太陽の熱や光の透過をコントロールすることができ、日射対策が期待できます。
国土交通省が提供している「なるほど快適・安心な住まい 省エネ住宅」によると、夏場に外から家の中に入ってくる熱のうち、73%が窓の開口部からであることがわかっています。
つまり、南向きの窓や西向きの窓など、日差しが入り込む時間が長い場合は、室温が上昇する大きな原因となるでしょう。
しかし、遮熱ガラスを用いることである程度熱をカットできるため、温度の上昇が抑えられ、冷房の効きも良くなります。
また、耐熱強化機能がある遮熱ガラスに交換すれば、強い日差しが原因となる熱割れも抑えることができます。
下記は、強い日射が原因でガラスが熱割れしてしまった住宅のガラスを交換した事例です。
Before |
After |
一度ガラス交換をしても、ガラス内部の温度差などの原因で再び熱割れしてしまう可能性はありますが、耐熱強化機能があるガラスを用いることで、その可能性を下げることができるでしょう。
1-3. 結露対策が期待できる
冬の朝、窓にびっしりとついている結露に悩んでいる場合、ガラス交換をすることで結露が起こりづらくなることが期待できます。
窓の結露は、室内の水蒸気が窓際で冷やされることにより発生します。朝方は気温が下がるため、外気温と室内温度の差が激しく、
室内の空気が冷え切った窓ガラスに当たって冷やされ、水蒸気となり大量の結露となってしまうのです。
断熱性の高い窓ガラスを設置すれば、内側の窓の温度はそれほど下がりません。
そのため、室内の空気が窓ガラスに当たってもそれほど冷えないため、結露が発生しづらくなるのです。
結露を放置するとカーテンやサッシ、壁紙などにカビが生えてしまい、アレルギー症状や喘息などの疾患を引き起こす可能性がありますが、ガラス交換をすることで結露対策が期待できるでしょう。
下記は、結露に悩む住宅のガラスを交換した事例です。
Before |
After |
Low-E(低放射率)仕様と耐熱強化使用ガラスを使用することで、結露対策になるだけではなく、熱割れを防ぐ効果が期待できます。
1-4. 防音効果が期待できる
幹線道路に面した場所に自宅があるなどの理由で騒音に悩まされている場合、ガラス交換リフォームをすることで、防音効果が期待できます。
遮音効果がある窓ガラスに交換することで、外部の音を30~35デシベル程度カットできると言われています。
下記は、深谷市が提供している「騒音の大きさの目安」です。
現在問題になっている騒音レベルから30〜35デシベル下がると、どのくらいの静かさになるのか確認してみてください。
騒音の大きさの目安 |
||
大きさ |
聴覚的な目安 |
具体例 |
120db |
聴力機能に障害 |
飛行機のエンジンの近く、近くの落雷 |
110db |
自動車のクラクション(直近) |
|
100db |
極めてうるさい |
電車のガード下、地下鉄構内 |
90db |
犬の鳴き声(直近) |
|
80db |
うるさい |
救急車のサイレン(直近)、パチンコ店内、走行中の電車内 |
70db |
セミの鳴き声(直近)、高速道路走行中の自動車内 |
|
60db |
普通 |
普通の会話、デパート店内 |
50db |
エアコンの室外機(直近)、静かな事務所の中 |
|
40db |
静か |
閑静な住宅地の昼間、図書館の中 |
30db |
深夜の住宅街 |
|
20db |
極めて静か |
雪の降る音、木の葉の触れ合う音 |
音を完全になくすことはできませんが、たとえば緊急車両の騒音(80デシベル)に悩まされていた場合、45〜50デシベル程度の聞こえ方になります。
これは図書館の中や静かな事務所内に相当します。
ちなみに、ガラス交換ではなく内窓を設置すると、外部音を40デシベル程度カットできると言われているため、防音効果を最大限に高めたい場合は、ガラス交換よりも内窓が適していると言えるでしょう。
1-5. 防犯効果が期待できる
破られにくいガラスに交換することで、窓から侵入しようとする犯罪者を減らし、防犯性を高めるメリットがあります。
警察庁の「住まいる防犯110番」の記事によると、鍵がかかっている住宅に侵入し窃盗を行った犯罪者のうち、戸建てと共同住宅(3階建て以下)では窓からの侵入が第1位でした。
窓に鍵をかけていたとしても、短時間で窓を破壊して室内に侵入されるリスクがあるのです。
しかし、窓ガラスがなかなか破壊できないとなると、窓を破るために余計な労力と時間がかかるようになるため、犯罪者は「誰かに目撃されてしまうかもしれない」と思い侵入をあきらめる可能性が高まります。
このように、防犯に適したガラスに交換することは、防犯対策になると言えるでしょう。
下記は、1階の窓を防犯ガラスに交換した事例です。
After |
戸建住宅の1階にあるすべての窓ガラスを、セキュオという防犯ガラスに交換しました。
ハンマーなどでガラスを叩いても、ガラスは割れても膜を突き破ることができないため、窓の鍵を開けることができません。
犯罪者の侵入抑止効果が大きいと言えるでしょう。
ガラスの種類についてはこちらから
2. ガラス交換で窓リフォームをする2つのデメリット
ガラス交換のデメリットとして、以下が挙げられます。
・交換費用が高額になる場合がある
・サッシがゆがんでいると思ったような効果が得られない場合がある
窓リフォームを成功させるために、ガラス交換のデメリットについても理解しておきましょう。
以下で、詳しく解説していきます。
2-1. 交換費用が高額になる場合がある
ガラス交換によるリフォームのデメリットとして、ほかのリフォーム方法と比べると設置費用が高額になることが挙げられます。
掃き出し窓をリフォームした場合の費用目安について、下記の比較表をご覧ください。
リフォーム方法 |
費用目安 |
ガラス交換 |
14万円〜 |
内窓 |
11万円〜 |
カバー工法 |
28万円〜 |
詳しくは「3-1. ガラス交換の費用相場」で解説しますが、たとえば、掃き出し窓サイズの既存ガラスを複層ガラスや真空ガラスなど断熱性能の高い窓ガラスへ交換した場合、費用の目安は約14万円からとなります。
既存の窓の内側にもう一枚窓を設置する内窓(二重窓)でリフォームした場合は約11万円からが目安となるため、ガラス交換のほうが内窓よりも費用が高くなります。
既存のサッシを取り替えるカバー工法では約28万円からとなるため、ガラス交換のほうがリーズナブルですが、とにかく費用を安くしたいと考えている場合は、ガラス交換の費用が高額だと感じるかもしれません。
2-2. サッシがゆがんでいると思ったような効果が得られない場合がある
サッシがゆがんでいると、窓ガラスが完全にフィットしないため窓枠とガラスの間にスキマが生じます。
そして、スキマから外気が入り込むため、高性能なガラスに交換しても思ったような効果が得られない場合があります。
サッシが古いなど状態が良くない場合は、ガラスだけでなくサッシ自体の交換も検討する必要があるでしょう。
この場合は、ガラス交換ではなくサッシごと交換するカバー工法でのリフォームがオススメです。
3. ガラス交換の窓リフォームの費用や工事期間
ガラス交換による窓リフォームを検討する際、気になるのは費用や工事期間ではないでしょうか。
・ガラス交換の費用相場
・ガラス交換の工事期間
費用が相場より安すぎるのも、高すぎるのも適切とは言えません。
以下を参考にして、ガラス交換による窓リフォームの計画を立てていきましょう。
3-1. ガラス交換の費用相場
ガラス交換にかかる費用は、どんなガラスを入れるのか、サイズや性能によっても変わってきます。
以下は、リフォーム費用の大まかな目安です。
ガラス交換1枚あたりの設置費用の目安 |
|
腰高窓 (60~100 cm × 100~150 cm) |
10万円〜 |
掃き出し窓 (100~140 cm × 170 cm) |
14万円〜 |
大きな掃き出し窓 (180〜220cm × 200cm) |
16万円〜 |
「腰高窓ってどんな窓?」と思うかもしれませんが、下の画像では右側が腰高窓です。
ベランダに面した左側が掃き出し窓になります。
ガラスのサイズが大きいものや、断熱効果や防犯効果の高いガラスは、そうではないものと比べると高価になります。
複数枚のリフォームを検討している場合は、場所によってガラスの種類を変えるなどすると良いでしょう。
実際にいくら費用がかかるかは、業者で見積もりを取って判断することをオススメします。
3-2. ガラス交換の工事期間
ガラス交換の工事期間ですが、1枚の窓あたり数時間程度が目安です。
リフォームと聞くと長期間かかるイメージがあるかもしれませんが、壁を壊したりといった大掛かりな作業ではないため、専門業者が行えば数時間以内には完了します。
複数枚リフォームをする場合でも、複数人のスタッフが行えば1日で工事が終わると考えてよいでしょう。
4. ガラス交換で窓リフォームをすべきかどうかの判断基準
「ガラス交換のメリットとデメリットは理解できたけれど、我が家の場合はガラス交換でリフォームするのが本当に良いのかな?」とお悩みの方もいるかもしれません。
・ガラス交換で窓リフォームをすべきケース
・ガラス交換以外(内窓やカバー工法)でリフォームすべきケース
以下を参考にして、リフォームにおける優先事項を考慮しつつ、どの方法で窓リフォームを行うか判断していってください。
4-1. ガラス交換で窓リフォームをすべきケース
1章で解説した、断熱効果や日射対策といったメリットを享受したうえで、以下に当てはまる場合は、ガラス交換で窓リフォームをすべきです。
ガラス交換でリフォームすべきケース |
断熱対策・日射防止・結露防止し窓の性能を向上させたい 防音や防犯効果を第一優先としていない サッシを含めた窓の見た目を良くする必要はない サッシにゆがみや開けづらさがない サッシの使用期間が20年未満 |
断熱効果を高めたり、日射対策や結露防止をしたいと考えているのであれば、機能を満たした新しいガラスに交換しましょう。
しかし、防犯や防犯効果を第一優先とする場合は、次で解説している内窓がオススメです。
窓ガラス交換は、サッシの使用期間が20年未満、あるいは窓の開閉時に開けづらいといった不具合がないことが目安となります。
しかし、本当にサッシの交換が不要かどうかは、素人では判断しづらいものです。
業者に相談してチェックしてもらうことをオススメします。
4-2. ガラス交換ではなく、「内窓」や「カバー工法」でリフォームすべきケース
2章でご紹介した費用やサッシの不具合といった点が気になる場合は、ガラス交換よりも現在使っている窓の内側にもう一枚窓を設置する内窓や、サッシごと交換するカバー工法という方法がオススメです。
またガラス交換と内窓、カバー工法の特徴は以下をご覧ください。
|
ガラス交換 |
内窓(二重窓) |
カバー工法 |
費用 |
◯ 比較的安い(1窓10~20万円程度) |
◎ 安い(1窓5~16万円程度) |
△ 高い(1窓17~40万円程度) |
天窓・出窓リフォーム |
◎ できる |
◎ できる |
△ できない |
大きさの変化 |
◎ 今までと変わらない |
◎ 今までと変わらない |
△ 少し小さくなる |
掃除や開け閉めの手間 |
◎ 今までと変わらない |
△ 手間がかかる |
◎ 今までと変わらない |
防音・防犯 |
◯ 比較的高い |
◎ 高い |
◯ 比較的高い |
窓の種類変更 |
◎ できる |
△ できない |
◎ できる |
見栄え |
◯ 比較的よい |
△ よくはない |
◎ よい |
古いサッシへの対応 |
△ できない |
△ できない |
◎ できる |
雨戸付きの窓 |
◎ できる |
◎ できる |
△ できない場合がある |
そのため以下のケースでは、ガラス交換よりも内窓でのリフォームがオススメです。
内窓でリフォームすべきケース |
予算が限られている より強力な防音や防犯効果を求めたい |
リフォーム費用という観点から考えると、内窓の方がガラス交換よりもリーズナブルです。
使える費用が限られている場合は、内窓リフォームをおすすめします。
また、物理的に2枚の窓を設置することになるため、防音や防犯効果はガラス交換よりも高いと言えます。
ガラス交換でも防音や防犯効果は高めですが、より強力な効果を求める場合は、内窓でリフォームすべきです。
また、以下のケースでは、ガラス交換よりもカバー工法でのリフォームがオススメです。
カバー工法でリフォームすべきケース |
サッシを新しくして見た目を変えたい 既存のサッシを20年以上使用している |
既存のサッシを20年以上使用している場合はサッシの寿命が近づいているため、ガラス交換ではなく、カバー工法でサッシごと変えたほうが良いでしょう。
サッシが古くなってくると窓を開閉する際にがたついたり、重くなったりしがちですが、サッシを新しくすると窓の開閉がしやすくなり、生活上のストレスが減るでしょう。
実際には、個々のケースによってどの方法を取るのが最適かが異なります。業者に相談して、費用対効果が合うかどうかをしっかりチェックしてもらいましょう。そのほうが失敗がない判断ができるといえます。
\まとめ/
◎ガラス交換がおすすめな人 ※以下すべてにチェックを入れられるなら交換してOK
□本記事を最後まで読み、窓の性能を全体的に向上させることで、今より快適な暮らしができるイメージが持てた □サッシのゆがみや劣化がなく、状況的にも問題なく性能向上できると確認できた □リフォーム業者に費用見積もりを依頼し、費用面は問題ないと確認できた □下記のやめておいたほうがいい人に当てはまらない
◎ガラス交換をやめておいたほうがいい人 ・防音・防犯効果を第一優先している →内窓を検討したほうがいい ・見た目をよくしたい →カバー工法を検討したほうがいい ・既存のサッシを20年以上使用している →カバー工法を検討したほうがいい |
5. ガラス交換の窓リフォームで後悔しないための2つのポイント
ガラス交換による窓リフォームは生活の質を大きく改善できる可能性がありますが、以下のポイントを抑えずに工事を依頼すると、思う通りにならなかったと後悔してしまうかもしれません。
・目的に合わせてガラスを選ぶ
・しっかりした業者を選ぶ
上記のポイントを押さえることで、より満足のいくリフォームを実現できるでしょう。
以下で、詳しく解説していきます。
5-1. 目的に合わせてガラスを選ぶ
窓ガラスを交換する際には、目的に合わせてガラスを選ぶようにしましょう。
近年では、以下のようなガラスが広く用いられています。
大きく分けると以下の4つがあり、期待できる効果がそれぞれ異なります。
ガラスの種類と期待できる効果 |
||
種類 |
断熱・結露対策 |
防音・防犯対策 |
単板ガラス(一枚ガラス) |
✕もしくは△ |
✕もしくは△ |
複層ガラス |
◯ |
△ |
真空ガラス |
◎ |
◯ |
合わせガラス |
△ |
◯ |
単板ガラス(一枚ガラス)は厚みによって性能が変わりますが、単板ガラスだけでは、結露対策や断熱対策などにはあまり適しません。
複層ガラスは、窓枠にガラスが2枚入っており、ガラスとガラスの間にある空気層が断熱性を高めると言われています。
そのため、結露対策としてもよく採用されるガラスです。ただし、防音性能はあまり高くないというデメリットがあります。
真空ガラスは、複層ガラスとほぼ同じ構造ですが、ガラスとガラスの間が真空となることで断熱性能が倍になると言われています。
合わせガラスは、ガラスとガラスの間にフィルムを挟んだもので、防音や防犯効果が期待できます。
どのようなフィルムを挟むかで効果も変わってくるため、騒音に悩んでいる場合はどのような音を抑えたいのかを専門業者に相談するのが良いでしょう。
ただし、断熱効果や結露対策は、複層ガラスほどは期待できません。
どのような悩みを解消するためにガラス交換をするのかをいま一度確認し、後悔のないようにガラスを選んでいきましょう。
5-2. しっかりした業者を選ぶ
「窓ガラスを交換するだけなら自分でもできそう」あるいは「自分で交換したほうが安い」と自己判断せずに、しっかりとした業者を選ぶようにしてください。
素人がガラス交換をした場合、少しの寸法のズレや設置方法が原因でスキマが生じたりと、不具合が起こる可能性があります。
また、ガラスによって機能はさまざまです。自分で選んだガラスが、本当に今抱えている悩みを解決するのに最適かどうかは、自己判断では難しいでしょう。
その結果、期待した効果が得られないだけではなく、再度プロの業者に依頼する手間や費用が発生してしまい、二度手間になってしまいます。
業者を選ぶ際には、以下のポイントに着目していきましょう。
業者選びのチェックポイント |
・見積もりがわかりやすい ・疑問や質問にきちんと答えてくれる ・ホームページに施工事例や顧客の口コミがある |
また、上記のポイントを満たした業者を複数比較検討することが大切です。
業者選びの詳しいポイントはこちらから
6. ガラス交換の窓リフォームに利用できる補助金
「ガラス交換にかかる費用がネックで、なかなかリフォームに踏み切れない」
「できるだけ、リフォーム費用を抑えたい」
このように思うのであれば、国や地方自治体が実施しているガラス交換を対象した補助金を利用するのがオススメです。
国で実施している補助金制度については、以下をご覧ください。
カバー工法で利用できる国の補助金制度 |
||
名称 |
対象要件 |
補助金上限額 |
(国土交通省) |
・リフォーム ・新築(子育て世帯、若者夫婦世帯のみ) |
・30万円 (※子育て世帯、若者夫婦世帯は60万円) |
(環境省) |
・建築から1年以上経過した住宅 ・補助金額が5万円以上 |
・200万円 |
(国土交通省:令和5年度) |
・ZEH仕様で登録されている製品を用いたリフォーム |
・補助率上限40% ・35万円 |
(環境省) |
・省エネ効果(15%以上)が見込まれる改修率を満たす高性能建材を使用 |
・断熱グレードによって単価が異なる |
対象となる製品が限定されている場合もありますので、詳細はそれぞれのホームページを確認してください。
地方自治体ではたとえば、東京都では「既存住宅における省エネ改修促進事業」という制度があります。
1つ以上の居室のすべての窓に高断熱窓を設置すると、かかった費用の最大3分の1(100万円まで)の補助が受けられます。
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」と「既存住宅における省エネ改修促進事業」は、併用が可能です。
ただし、単純に補助上限額を足した金額が支給されるわけではなく、合計補助金額の上限が設定されているため、詳しくはリフォーム工事を依頼する業者にお尋ねください。
補助金申請の際に、工事を行う業者が申請しなくてはならないケースも多いため、業者はより正確な知識を持っている可能性が高いからです。
注意点としては、補助金事業を行っていない地方自治体があることや、リフォーム工事の段階で補助金申請が定員に達し、締め切られている場合があることを念頭に置いておきましょう。
補助金の申請受付がスタートして数カ月後には締め切りになってしまうケースもあります。
この場合、補助金申請のスタート時期に合わせて工事を依頼するなどの工夫が必要です。
お住まいの自治体に補助金制度があるか調べる際には、申請時期や金額などを合わせてチェックしておきましょう。
子育てエコホーム支援事業の詳しい説明はこちらから
先進的窓リノベ事業の詳しい説明はこちらから
7. まとめ
本記事では、ガラス交換で窓のリフォームをする際のメリットやデメリットを中心に、リフォームするべきかの判断基準や、リフォーム後に後悔しないためのポイントについてお伝えしてきました。
ガラス交換のメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット |
デメリット |
・断熱効果が期待できる ・日射対策が期待できる ・結露対策が期待できる ・防音効果が期待できる ・防犯効果が期待できる
→窓の性能が全体的に向上し、日常生活の満足感が上がる! |
・サッシがゆがんでいると思ったような効果が得られない場合がある ・費用が高額になる場合がある ・内窓に比べると防音・防犯効果が劣る ・カバー工法ほど全体の見た目が良くない
→状況によって後悔する場合があるので事前確認必須! |
上記を踏まえると、以下に当てはまる人はガラス交換でリフォームを行うべきです。
ガラス交換でリフォームすべきケース |
断熱対策・日射防止・結露防止し窓の性能を向上させたい 防音や防犯効果を第一優先としていない サッシを含めた窓の見た目を良くする必要はない サッシにゆがみや開けづらさがない サッシの使用期間が20年未満 |
防音や防犯効果を最優先にしている、あるいはサッシに不具合があったり、見た目を良くしたかったりする場合は、以下のように内窓やカバー工法でのリフォームを選択したほうがよいでしょう。
内窓でリフォームすべきケース |
予算が限られている より強力な防音や防犯効果を求めたい |
カバー工法でリフォームすべきケース |
サッシを新しくして見た目を変えたい 既存のサッシを20年以上使用している |
リフォームにおける優先事項を認識したうえで、最適な方法を決めていきましょう。
本記事が、ガラス交換による窓リフォームを検討している方の参考になれば幸いです。