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徹底解説!断熱最強の真空ガラススペーシアとは?

スペーシア交換のイメージ画像

スペーシアチェックのイメージ画像

エアコンを使っているのに暖かくない、冷たくないのは窓が原因の可能性が大いにあります

それは、窓の大部分を占める『ガラス』から熱が逃げているからです。

普段気にしないこのガラスは、実は交換することが出来ます

良いガラスに交換し熱を逃がさない、これを断熱と言います。

もっと冷房・暖房が効く快適な部屋にしたい!

本気で断熱について悩んでいる方に真空ガラス『スペーシア』をオススメします。

1.真空ガラス『スペーシア』とは

概要

スペーシアとは、断熱性が非常に高い、リフォーム用の窓ガラスです。

今お使いの窓ガラスをスペーシアに交換するリフォームを行うことで、お部屋の断熱性能がグッとアップします。

スペーシアサンプルのイメージ画像

世界初の真空技術を持ったガラス

スペーシアは、1997年10月に日本板硝子株式会社から発売されました。

真空ガラスのアイデアは1913年に公表されていましたが、なかなか製品化には至りませんでした。

その後、シドニー大学のリチャード・コリンズ教授が研究に着手し、真空ガラスの技術は進歩します。

1994年シドニー大学と日本板硝子株式会社が提携し、世界初の真空ガラス「スペーシア🄬」が誕生して量産化に成功しました。

スペーシアはとても薄いのに高い断熱性を発揮するという特徴があり、

今までの断熱ガラスではなしえなかった画期的なガラスとして販売されています。

スペーシアの構造

スペーシア構造のイメージ画像

POINT1 薄さ

スペーシアは、3mm厚のガラスを2枚使ったペアガラスです。

一般的なペアガラスは、ガラスの間に乾燥した空気を入れるのですが、スペーシアはその間を真空にします。

POINT2 Low-Eガラス

2枚のガラスのうち1枚に「Low-Eガラス」を使用しています。

Low-Eガラスとは、ガラスの片面に特殊な金属膜をコーディングしたガラスのことをいいます。

この金属膜があることで、熱の移動を抑えることが出来ます。

POINT3 マイクロスペーサー

真空ガラスは、2枚の間にスペーサーを挟むことで真空状態を保つことができます。

このスペーサーを「マイクロスペーサー」と呼びます。

真空にするときに何もないとガラスとガラスがくっついてしまうため、マイクロスペーサーを支えとして、ガラス同士がくっつくことを防いでいます。

POINT4 保護キャップ

スペーシアには、右上に丸い銀色の「保護キャップ」がついています。

真空にするために、右上の穴から空気を抜き、保護キャップを被せます。

この保護キャップがあることで真空状態を保つことができます。

スペーシア部位のイメージ画像

スペーシアの断熱性能が良い理由

理由1 真空状態だから

魔法瓶のイメージ画像

スペーシアは、ガラスとガラスの間が真空になっています。

これは魔法瓶と同じ構造です。

魔法瓶に飲み物を入れると、冷たいまま(暖かいまま)長時間温度をキープしてくれます。

スペーシアも同じ構造のため、住宅の保温をしてくれます

理由2 Low-Eガラスだから

LowEコーティングのイメージ画像

2枚のガラスのうち、1枚はLow-Eガラスを使用しています。

熱の移動には3パターンあり、伝導と対流と放射です。

このうち、住宅の熱移動の75%は放射によるものなのですが、この放射を遮ることができるのがLow-Eガラスです。

Low-Eガラスを使用することで、夏は外の暑さが室内に入らないように、冬は暖房の暖かさが室外に逃げないようにしてくれます。

1枚ガラスの約4倍の断熱性能

製品の断熱性を比べる時に、「熱貫流率」という単位を見ます。

これは、どれくらい熱を移動させるかを数値化したもので、数字が小さいほど断熱性能が高いことを表します。

JIS規格で定められた方法で各メーカーが算出した数値ですので、正確に比較できます。

・1枚ガラス 6.0W(㎡・K)

・ペアガラス 3.4W(㎡・K)

・Low-Eペアガラス 2.7W(㎡・K)

真空ガラススペーシア 1.4W(㎡・K)

※ペアガラス=日本板硝子㈱製「ペアマルチ」3mmガラス+乾燥空気層6mm+3mmガラス

※Low-Eペアガラス=日本板硝子㈱製「ペアマルチEA」Low-E3mmガラス+乾燥空気層6mm+3mmガラス

※真空ガラススペーシア=日本板硝子㈱製Low-E3mmガラス+真空層0.2mm+3mmガラス

熱貫流率のイメージ画像

数字は熱貫流率で、数字が小さいほど断熱性能に優れていることを示します。

データで見るとスペーシアの断熱性能は、1枚ガラスに比べて約4倍Low-Eペアガラスの約2倍もあります。

メーカー公認「認定店制度」で安心の取り付け

スペーシア認定証のイメージ画像

スペーシアは本当に良いガラスなので、認められたお店だけが取り扱うことができます。

これを「認定店制度」といい、認められたお店が「認定店」です。

認定店になるには特別な講習を受ける必要があり、どんな商品なのか・性能や構造・取り付け方や運び方といった専門知識を学びます。

スペーシアの看板を掲げられるのは認定店だけですので、看板のある安心の店舗に施工をお願いするのが良いでしょう。

真空ガラスのグレード

真空ガラスと言えば、日本板硝子㈱のスペーシアという商品を指すのですが、
スペーシアにはグレードがあります。

グレード 商品名 熱貫流率 特徴 オススメの場所
最上位 スーパースペーシア 0.65W(㎡・K) 5mm厚2枚のガラスを使った総厚10.2mmの真空ガラス。
マイクロスペーサーの数が少ないので、非常に高い断熱性能を持つ。
オフィスや店舗、一般住宅(マンション)
総厚が10.2mmのため、一般住宅に使う場合は「複層ガラス用サッシ」である必要がある。
最上位 スペーシア21 0.69W(㎡・K) スペーシアを使った複層ガラス。
ガラス枚数は3枚で、空気層には断熱効果の高いアルゴンガスを封入しているため非常に高い断熱性能を持つ。
オフィスや店舗、一般住宅(マンション)
総厚21.2mmの複層ガラスのため、一般住宅に使う場合は「複層ガラス用サッシ」である必要がある。
上位 スペーシアクール 1.0W(㎡・K) 使われているLow-E金属膜の種類が違うスペーシア。
より日射を遮ることができる。
一般住宅(西面、お風呂、脱衣所、トイレ、寝室、吹き抜け)
総厚6.2mmのため、一枚ガラスと交換することができる。
Low-Eの種類が「日射遮蔽」というタイプのため、とにかく遮蔽したい場所におすすめ。
普及 スペーシア 1.4W(㎡・K) 今回ご紹介している一般的に使われる真空ガラス。 一般住宅(リビング、書斎、子ども部屋)
総厚6.2mmのため、一枚ガラスと交換することができる。
Low-Eの種類が「日射取得」というタイプのため、冬の昼間に外の暖かい陽気を取りこむことができる。
廉価 クリアfit 2.6W(㎡・K) Low-E金属膜を使用していない真空ガラス。
Low-Eがないことで安価ではあるが、リフォームをして今のガラスと交換するのでは性能的に少しもったいない。
内窓
Low-Eが使われていないため、外の窓に使うには断熱性能が悪い。
逆に、内窓と組み合わせることで断熱性能と遮音性能が高まり、外のガラスを暖め過ぎないため非常に良い組合せとなる。

2.スペーシアを使うメリット

結露が気にならなくなる

スペーシア結露比較のイメージ画像

左が一般的な一枚ガラス、右がスペーシアです。

メーカーのデータによると、

・一枚ガラスでは、外気温が約13℃で結露します。

・スペーシアでは、約-19℃になるまで結露しません。

(室内温度25℃/湿度60%の場合)

毎朝の拭き取り作業の他にも、結露によるカビやサビ対策にもなります。

スペーシア温度比較のイメージ画像

冷暖房費が削減できる

スペーシア冷暖房費比較のイメージ画像

エアコンは、例えば27℃に設定した場合、

暖房は27℃になるまで室温を上げて

冷房は27℃になるまで室温を下げます。

つまり、27℃付近の室温を保てたらエアコンの消費電力を下げることができます。

これを、断熱といいます。

スペーシアは断熱性能が良いガラスですので、冷房にしても暖房にしても熱を移動させにくいです。

〈東京都での年間の冷暖房費〉

□一枚ガラス使用時90,300円

□スペーシア使用時53,900円

その差は36,400円と約40%も削減できます。

スペーシアへの交換費用と計算してみると、何年で元が取れるという試算がでます。

室温を一定に保てるので、快適になるだけではなく、お財布にも優しいのがポイントです。

防音対策になる

真空ガラスは、音が振動する空気すらないガラスなので遮音性能が非常に高いです。

遮音の性能はTで表し、T-1、T-2、T-3、T-4と4段階あります。

窓は通常T-1で、防音ガラスでT-2です。

真空ガラスの遮音等級はT-2と、防音ガラスと同じくらい音に強いガラスです。

寝室や書斎など、音が気になる場合は窓を見直してみるのも良いかもしれません。

薄い

スペーシア厚み比較のイメージ画像

一枚ガラスの厚みは通常3mmから5mmです。

そして、一枚ガラスが入っているサッシには9mm程度のガラス溝幅しかありません。

そのため、空気層の厚い複層ガラスは一枚ガラスの入っているサッシには、そのままでは入れられません

(先端をすぼめたアタッチ部材があります。)

しかし、スペーシアは真空層が0.2mmの総厚6.2mmのガラスですのでそのまま入れ替えることが出来ます

今のガラスを外しスペーシアをはめ込むだけの工事のため、数時間で終わります

その日の夜にはもうスペーシアの効果を実感することができます!

3.スペーシアを使うデメリット

開閉が重くなる

スペーシアは2枚のガラスを使っています。

一枚ガラスに比べ、2倍程度の重さがあるので開閉時に重みを感じることがあります

マイクロスペーサー・保護キャップは外せない

真空状態を保つための「マイクロスペーサー」と「保護キャップ」が見えます

これは外せないので、慣れるまでは気になるかもしれません。

不透明のデザインが変わる

ガラスの不透明は一般的に、ボコボコした模様の入っている「型ガラス」が使われます。

このボコボコがあるとうまく真空層が作れないので、スペーシアの不透明には「すりガラス」が使われます

すりガラスで困ることはないと思いますが、見た目が変わるので慣れるまでは気になるかもしれません。

スペーシア不透明比較のイメージ画像

※サッシ部分の結露

窓はサッシ+ガラスでできており、ガラスの面積が大きいのでガラスの断熱を替えるのは効果が大きいです。

しかしサッシがアルミの場合は、このアルミ部分が結露することがあります。

これはスペーシアのデメリットではありませんが、ガラスを交換しただけではサッシまで改善することはできないと知っておくとよいでしょう

4.スペーシアが取り付けできない場所

寸法が大きすぎる/小さすぎる

天窓

ガラス同士を合わせたコーナー窓

円形や台形の長方形や四角形以外の形

スペーシアを曲げる

サウナなど高温になる場所

四辺支持ができない状態

8階以上にある窓

※防火地域・準防火地域の注意点

ワイヤーが入っているガラスは網入りガラスと呼ばれる「防火ガラス」です。

網入りガラスと交換したい場合は、網入りスペーシアと交換しなければいけないのですが、網入りスペーシアは厚いので交換できない場合があります。

ガラス交換ができない場所には「カバー工法」か「内窓」によるリフォームをおすすめします。

5.10年保証
スペーシア保証書のイメージ画像

スペーシアを買うとこの保証書が付いてきます。

これは大切に保管しましょう。

スペーシアを作っている日本板硝子㈱は、製造後10年の品質保証をしています。

真空層を保っている「マイクロスペーサー」が、自然に落下しているものは不良品です。

不良品は交換してもらえますが、その期間が10年と非常に長いので安心できます。

保証内容が「マイクロスペーサーが落下しないこと」となっています。

0.2mmのマイクロスペーサーを28mm間隔で、ガラス全体に配置しているのですが、もし落下していたら保証対象です。

ただし、「正しく取り付けられた・正しく使用された」ことが条件です。

・認定店ではないところが取り付けた

・ぶつけてしまった

・自分でDIYをした

という場合は保証外となりますので、絶対に認定店から買い、取り付けまでお願いしてください
スペーシア取説のイメージ画像

あなたの街のスペーシア認定店を探すならこちらのサイトがオススメです。
【窓ナビ】

https://mado2.jp/

6.スペーシアがおすすめの場所

お風呂場・脱衣所

お風呂場や脱衣所は『ヒートショック』が最も発生する場所です。
ヒートショックのイメージ画像

ヒートショックとは、急激な温度差により脳や心臓がダメージを負う事故で、最悪亡くなるケースもあります。

ヒートショックの詳しい説明はこちらから。

お風呂に窓がある場合は、窓から侵入する冷気を抑えることができます。

予防・対策できることから始めて、健康を維持していきましょう!

リビング

費用と効果のイメージ画像

おそらくリビングは家の中で一番長く居る場所ではないでしょうか。

エアコンなどの冷暖房も使う機会が多いと光熱費も気になります。

リビングの窓の断熱性能を上げることで、光熱費を下げる効果を最も高めることができる場所なのです

寝室

寝室のイメージ画像

寝ている間ずっとエアコンを付けっぱなしにすると、朝起きたときに乾燥やだるさを感じることもありますよね。

冷暖房が切れた後も室温を維持するには窓の見直しが必須です。

逆に窓さえ良いものにできればかなり改善できます。

コールドドラフト現象という、窓で冷やされた冷気が床を這う現象がありますが、布団を床に敷いて寝ている場合は効果を実感しやすいと思います。

一日の疲れをしっかり取るためにも、窓の断熱を検討してみるのはいかがでしょうか。

7.スペーシアの参考価格

スペーシアサンプルのイメージ画像

掃き出し窓(高さ1800mm×幅800mm×2枚)
ガラス種 価格
〈スペーシア〉 130,000円
〈一枚ガラス〉(5mm厚) 59,000円
腰高窓(高さ900mm×幅800mm×2枚)
ガラス種 価格
〈スペーシア〉 77,000円
〈一枚ガラス〉(5mm厚) 40,000円

※工事費込みの参考価格です。(2019年11月時点)

ガラスの金額だけを見てしまうと高いと思いますが、スイッチングコストとランニングコストを計算してみると何年で元が取れるという試算が出せます。

ガラスを使うのにお金は掛からず、光熱費が下がるので、検討する際は長期で考えてみてください。

ガラスの投資はコスパが良いと思いますが、なにより快適になります。

8.工事の流れ

現場調査

実際の窓の寸法を測ったり、ガラスを運ぶための経路やトラックを置く場所の確認をします。

お見積り

現調後、正式な金額のお見積もりを受け取り、工事を決めます。

工事

窓から今のガラスを取り外し、スペーシアを入れます。

この作業は数時間で終わります。

工事費用は人工(にんく)といい、何人の人が動いたかで積算する場合が多いです。

小さいガラスなら1人工、大きいガラスなら2人工、荷揚げが困難な場所なら3~4人工というような感じです。

1回の工事で、まとめて数か所の工事をお願いするほうが工事費用を安く済ませることができます。

詳しいリフォームの流れはこちらから。

9.まとめ

・真空というすごい技術を使ったリフォーム用のガラスがスペーシアです。

・この真空ガラスを取り扱うためには、メーカーによる認定を受ける必要があり、認定を受けた施工店を「認定店」と呼びます。

・スペーシアには10年の製品保証がありますが、認定店以外の人が取り付けをした場合は保証を受けられません。

・スペーシアに替えると、結露から解放される・光熱費の削減・防音による快適さを得られます。

・スペーシアには、開閉が重くなる・マイクロスペーサーや保護キャップが気になる・不透明のデザインが変わるデメリットがあります。

家を建てた後、最も見直されないものの1つが『窓』です。

ただ、家電や他の製品と同じように窓も進化しています。

電気代が高騰している今、将来に備え窓を見直すもの良いと思います。

そのための1つの手段が真空ガラスへの交換です。

この記事が参考になれば幸いです。

最後まで読んでくださりありがとうございます。