カバー工法で窓をリフォームすると、
どう変わるの?実際に断熱性・気密性を測定してみた!

1 窓の「カバー工法」とは
窓のカバー工法とは、一言で表現すると「窓をまるごと変えるリフォーム」です。サッシもガラスも新しいものにリフォームするので、色んなお悩みが一気に解決します!
カバー工法がどんな工事なのか、具体的に知りたい方はこちらをご覧ください。
<こんなお悩みのある方にオススメです>
- 結露がひどく、拭き掃除が大変
- 冬は窓から冷気が入って寒く、夏は外の暑さがジワジワ伝わって暑い
- 窓の建付けが悪くすき間風が入る
- 古くて開けづらくなった窓を開けやすくしたい
- 開かない窓(FIX窓・はめ殺し窓)を開けられる窓にして換気できるようにしたい など
2 カバー工法は本当に良いの?実験で証明!
窓全部が新しくなるので、上記のお悩みは一気に解決します。実際にカバー工法を行った後、快適になることはもちろん、窓が見違えるようにキレイになったと驚くお客様がほとんどです。
今回は何とかその快適さを証明できないかと思い、実験をしてみることにしました!
<実験で証明すること>
- ① 結露がどれくらい抑えられるのか
- ② 断熱性がどれくらいアップするのか
- ③ すき間風はなくなるのか

3 実験を行った環境
入居者の方が退居し、フルリフォームを控えている賃貸物件(築54年)を実験の場所として使用させてもらいました。実験の対象とする窓は、障子で仕切られている各部屋にあります。ひとつを元のままに、もう一つの窓をカバー工法にて新しくしました。
- <カバー工法で新しくした窓の仕様>
サッシ:YKK AP「エピソードNEO LB」→室内側は樹脂製のため断熱性が高く結露が起きづらい
ガラス:日本板硝子「真空ガラス スペーシア」→魔法瓶と同じ真空構造を持つ。一枚ガラスの4倍の超高断熱ガラス
今回はくもりガラス(型ガラス)を使用しています
今回使用したサッシとガラスは、高断熱タイプのものです。
カバー工法で窓を新しくすると見た目もキレイになり開閉もしやすくなりますが、せっかくの機会なので断熱性も求めてみました。
4【実験】結露は抑えられるのか
4-1条件・方法
・両部屋に濡れたタオルを置くなど湿度を上がりやすくし、エアコン(暖房・25℃・風量自動)を午前2時に作動するようにして、強制的に結露を発生させる環境を作る ・両部屋の湿度が同じになるように、加湿器を「自動モード」にして自動調整4-2結果
一枚ガラスの窓には結露が発生したが、
カバー工法した窓には全く結露が発生しなかった。

※一枚ガラス(右)は下の部分がくもりガラス、スペーシア(左)はガラス全体がくもりガラスです。
※温度計上部:部屋中央の温度、温度計下部:窓際床の温度
一枚ガラスには結露がたくさん発生しており、特にアルミ部分はしたたり落ちるほどでした。
一方、カバー工法後の窓には全く結露が発生していませんでした。ガラスやサッシ部分をくまなく見て指でぬぐったりもしましたが、結露は確認できませんでした。
4-3考察・感想
色々と条件はありますが、結露は温度の低い部分に発生しやすい特徴があります。窓に結露が発生しやすいのは壁や床・天井に比べて窓が極端に冷えてしまうからです。樹脂の熱伝導率はアルミの1/1000と言われています。サッシが樹脂製になることで極端に冷えることがなくなり、サッシ部分に結露が発生しなくなったと考えられます。 また、ガラスは真空構造を持つスペーシアを採用しています。魔法瓶に冷たい飲み物を入れて持ってもヒヤッとしないのと同じ仕組みで、ガラスが外の冷気を内側に伝えにくくしてくれるので、ガラスの内側は冷えていません。そのため、結露が発生しなかったのでしょう。 実際に全く結露がついていないのを確認した時は驚きました!手でサッシやガラスを触ってもヒヤッとしません。樹脂+真空でこんなにも変わることに驚きましたし、水滴などを拭きとる必要もないため、きっと毎日が楽になるだろうなと想像できました。5【実験】断熱性はアップするのか
5-1条件・方法
・両部屋の温度が一緒になるまでエアコン(暖房・25℃・風量自動)をつける ・ほぼ同じ温度になったらエアコンを停止する ・日が陰った時間に、10分おきに温度とサーモカメラで温度を計測する5-2結果
一枚ガラスの窓は、ガラスが冷たくなって温度の下がり方が早いが、
カバー工法した窓は、ガラスが暖かさをキープし温度の下がり方が緩やか。

※温度計上部:部屋中央の温度、温度計下部:窓際床の温度
カバー工法でリフォームした窓は、一枚ガラスのように全体が冷えていません。暖房を切った時のガラスの温度を、長時間キープできています。 それに対し、一枚ガラスの窓は暖房を切った瞬間から窓全体が冷たくなっていっています。断熱性がほとんどなく、外気温の影響を受けていることが分かります。
5-3考察・感想
カバー工法でリフォームした窓は、アルミの1/1000という熱伝導率の低い樹脂製サッシと魔法瓶のような効果のある真空ガラスという、断熱性の高い素材で組み合わせたからこその結果だと考えます。実際に窓際に寄ってもヒンヤリとした冷気を感じることもありませんでした。 対して一枚ガラスの窓は、暖房を切った時点ですでに窓全体の温度が低く、計測が終わるまでほぼ変わりませんでした。窓際に寄ると足元を中心に冷気を感じました。また一枚ガラスの窓の表面温度は終始冷たく、室温の下がり方も早いことから室内の温度を上げるためにカバー工法の窓の部屋よりエアコンがたくさん稼働していたのかなと思います。 比較して驚いたことは、カバー工法でリフォームした窓がある部屋の方が「温度にムラがない」ように感じたことです。温度が下がったとしても、不思議なことにほんわり暖かいように感じました。断熱性の低い窓がある部屋では、室温が冷やされて足元から冷気が流れてくる「コールドドラフト現象」が起こりますが、断熱性のある窓にすることで抑えられていると実感することが出来ました。個人の感覚なので、うまく伝えられないことが非常に残念ですが、私としてはこの実験で一番びっくりした体感でした。

6【実験】すき間風はなくなるのか
6-1条件・方法
・片側の窓、外側の中央下部で線香をたき、窓を閉める ・どれくらい線香の煙が室内側に入ってくるのかを確認する
6-2結果
古い窓は線香の煙がたくさん入ってきたが、
カバー工法でリフォームした窓は全く煙が入ってこなかった。

6-3考察・感想
今回使用しているサッシは、気密性が「A-4」と呼ばれる等級です。サッシの気密性はA-1からA-4までの4等級に分類され、A-4は最高等級になります。防音・防塵・断熱サッシと呼ばれるには、A-4等級を持っていなければなりません。この気密性の高さがあるからこそ、カバー工法した窓にはすき間風が全く入ってきませんでした。
7 実験のまとめ
【結露】しっかり押さえて、拭きとる必要なし!※
【断熱】外気温の影響を受けづらく、室温キープ!
【すき間風】最高等級の気密性で外気を取り込まない!
断熱性が高くなることで、結露や寒さを和らげることに繋がりました。また気密性ですきま風もカットするから、お家はとても快適になります。
8その他に良いところ
8-1見た目がキレイになる

8-2開閉がスムーズ
垂直や水平を正確に測り新しいサッシでカバーするため、歪みは解消されます。今回のガラスはペアガラスで一枚ガラスより重く、片側の窓の重さは約36㎏です。しかし元々の窓のすべりやすさと大型レバー(オプション)もあるため、指一本で窓の開閉ができるほど重さを感じません。また、音も静かで気になりません。9最後に
カバー工法は見た目もキレイになり開閉もスムーズになるなど、あらゆるお悩みを一気に解決してくれます。さらに、選ぶサッシやガラスによっては断熱性も高まり、実験のように室温をキープでき快適です。 せっかく窓全体を新しくするなら、今回の実験でご紹介したような高断熱タイプのサッシとガラスを検討してみてはいかがでしょうか。 ご予算やご要望にあったグレードの製品をご提案させていただきます。ぜひ一度、マドプロまでお気軽にご相談ください。※結露の発生にはあらゆる条件があります。たとえ断熱していたとしても、条件が揃ってしまうと発生することがあります。
断熱リフォームをした後も適度に換気をして、室内に湿気がこもりすぎないようにすることをオススメします。
