合わせガラスは性能やメリットを理解して窓リフォームに活用!
合わせガラスは、複数枚のガラスが使われています。そのため、複層ガラスと混同されるケースが少なくありません。ただし実際は、構造面や性能面に、さまざまな差異が見られます。合わせガラスの特徴などを確認しておけば、窓をリフォームするとき参考になるでしょう。そこで今回は、合わせガラスの構造・特徴やメリットをご紹介します。
■合わせガラスの構造・特徴
合わせガラスは、複数枚のガラスを組み合わせるタイプの一種です。ただし、複層ガラスとは構造や性能面の特徴に違いがあります。
・基本的な構造
合わせガラスは、2枚以上の板ガラスの間に合成樹脂が挟まる構造です。
基本的には、複数枚のガラスが使われ、中間部分に合成樹脂を挟む状態で圧着されます。それぞれの板ガラスは、強い粘着力のある樹脂膜で貼り合わされた構造になっています。
ガラスが重ねられるため、同じく複数枚のガラスが組み合わさる複層ガラスと混同されがちです。ただし、複層ガラスは中間部分に合成樹脂が挟まるわけでなく、合わせガラスとは異なります。
それぞれ構造上の違いがあり、合成樹脂の有無により、性能面の特徴にも差異が生じています。
・性能面の特徴
合わせガラスは、合成樹脂の働きによる安全性の高さが大きな特徴です。
通常、複層ガラスは、2枚のガラスの間に空気層が生成されます。中間の空気層は、ガラスの周りにある空気の流れを妨げる特徴があります。窓ガラスに使うと室内外の熱は窓を移動しにくくなるため、部屋の断熱性を高めるのに効果的です。
それに対し、合わせガラスは、複数枚のガラスが合成樹脂で接着されています。耐貫通性能に優れ、何かが衝突しても簡単には突き破られません。また、ガラスが割れたとき、破片が飛び散りにくい性質も備えています。
そのため、部屋の窓に合わせガラスを設置した場合、防災や防犯に大きな効果を発揮すると期待できます。
■合わせガラスのメリット
部屋の窓に合わせガラスを用いるメリットは、安全性の向上をはじめ防音効果や紫外線カットなど多彩です。
・安全性の向上
安全性の向上は、合わせガラスがもたらす代表的なメリットです。
合わせガラスの中間にある樹脂膜は、ガラスに衝突した物体が貫通するリスクを抑えられます。強風で飛来物がぶつかっても、窓ガラスを突き抜けるトラブルは防ぎやすくなります。
また、合成樹脂がガラスを接着する構造は、割れたガラスの飛散を防ぐのにも有効です。ガラス片は広い範囲に飛び散りにくいため、鋭利な破片でケガするリスクも減らせます。
・防音効果
合わせガラスは、合成樹脂の種類によっては防音に効果的です。
ガラスを貼り合わせる合成樹脂には、防音性能に優れた種類があります。特殊な樹脂を中間部に挟んだ場合、通常の合わせガラスより高い防音効果を発揮するといわれています。
防音用の合わせガラスも、耐貫通性や飛散防止の性能は期待できます。部屋の窓に使えば、安全性とともに防音性も向上できるでしょう。
・紫外線カット
合わせガラスの樹脂膜は、紫外線をカットする効果も期待できます。
窓から紫外線が入ってくると、カーテンや窓際にある家具は、日焼けや変色などのトラブルを起こしやすくなります。合わせガラスで紫外線をカットすれば、カーテンや家具の劣化を防ぎやすくなるでしょう。
なお、合わせガラスは、デザインのバリエーションも豊富です。2枚のガラスの間に透明のカラーフィルムを入れられるため、窓の色合いを自分好みに変えられるメリットもあります。
■リフォーム時の注意点
部屋の窓を合わせガラスに変えるときは、どのような性能を期待できるかについて注意が必要です。
・断熱性の向上は難しい
合わせガラスは、基本的に断熱性の向上が難しいと指摘されています。
中間部分の樹脂膜は、種類によっては日光を遮ることが可能です。遮熱効果のあるタイプなら、外気の流入は阻止できると見込めます。ただし、熱の移動を防ぐことは難しいため、断熱性の向上は期待しにくいといわれています。
新幹線の合わせガラスは断熱性を備えていますが、樹脂膜の厚さが4~5mmあり費用は安くないでしょう。出費を抑えて部屋の断熱性を高めるなら、防犯複層ガラスを選ぶのが得策と考えられます。
・樹脂膜の選び方
合わせガラスの樹脂膜は、ニーズに合わせて選ぶ必要があるでしょう。
多くの樹脂膜は、耐貫通性の高さが特徴的です。防災を考えた場合、窓ガラスが割れたときの安全性は確保しやすいと見込めます。
樹脂膜の選び方は主に厚みです。ガラスの納まる溝幅や防犯性能によって変わってきます。
そのため、合わせガラスに使用する樹脂膜を選ぶときは、ニーズをふまえて検討することが大切です。
・費用の問題
合わせガラスにかかる費用も、窓リフォームで軽視できない問題に挙げられます。
通常の1枚ガラスに比べると、合わせガラスは性能面で優れています。防音性や遮熱性を備えたタイプは用途に適した合成樹脂が使われているため、購入代金も高くなりがちです。
費用を考慮せずに選ぶと、予算オーバーになるかもしれません。予算内で窓を合わせガラスに変えるなら、費用に目を向けることも大切と考えられます。
なお、どれくらい予算が必要か気になるときは、専門業者に相談することをおすすめします。
■まとめ
合わせガラスは、複数枚のガラスを合成樹脂で貼り合わせたタイプです。樹脂膜の種類によって、ガラスの性能や用途は変わってきます。そのため、窓リフォームで合わせガラスを使うときは、どの種類がニーズに合うか検討しておくとよいでしょう。