窓リフォームのカバー工法を徹底解説
カバー工法は、窓リフォームにおける工法のひとつです。既存の窓に何かしらの問題が発生している場合に有効で、かつ費用と工期を抑えられるというメリットがあります。また、サッシや窓ガラスが新品になるので、見た目も美しく蘇ります。機能性の高い窓ガラスを使えば、断熱性や防音性を高められる、といった効果も得られます。
一方で、窓枠が既存に比べると小さくなってしまうといったデメリットについては、承知しておかなければなりません。その他、雨戸によってカバー工法が使えない場合や、選択できない窓がある点にも注意が必要です。
こちらの記事では、窓リフォームにおけるカバー工法の概要やメリット・デメリット・注意点、施工の流れや費用・相場についてまとめています。カバー工法を使った窓リフォームを行う際に重要なポイントをまとめてありますので、ぜひ参考にしてください。
1.カバー工法とは?
2.窓のカバー工法を検討するタイミングは?
3.窓のカバー工法で得られる効果
4.窓のカバー工法のメリット
5.窓のカバー工法のデメリット
6.窓のカバー工法の施工手順
7.窓のカバー工法の注意点
8.窓のカバー工法の費用・相場
9.カバー工法を使った窓リフォームは補助金が使える?
10.カバー工法による施工後のメンテナンス
11.まとめ
■カバー工法とは?
カバー工法は端的に言うと「既存のものはそのままに、新しいものを上から被せる工事」のことです。屋根や外壁、ドア、そしてサッシなどで使われることが多い傾向にあります。ここでは、特に窓のカバー工法について解説をしています。
・窓を丸ごと新品に替えるカバー工法
窓のリフォームには、いくつか種類があります。
たとえば、既存のサッシをすべて取り除き、新しいサッシに付け替えるという方法は、もっともイメージのつきやすい方法です。しかし、解体や取り付けには手間がかかるため工期も延びますし、費用も高くなります。
カバー工法の場合は、上記でも解説したとおり「既存のサッシに新しいサッシを上から被せる」という手法を用います。解体の手間がなくなり、作業時間も短縮。廃棄物も少なくコストも安いといったメリットがあり、気軽に窓のリフォームが行えると人気になっています。
カバー工法のメリットについては、後ほどより詳しくご紹介します。
・はつり工法(壁カット工法)との違いは?
その他の手法との違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
はつり工法(壁カット工法)は、窓全体を交換する方法です。はじめに外壁材ごと窓を切断し、すべて撤去します。この際、手の届かない位置に窓がある場合は足場を組む必要があります。その後、新しいサッシを取り付け、モルタルやサイディングといったもので外壁をつくり、室内の内装についても壁紙の貼り替えなどを行います。
カバー工法に比べると大がかりな工事になり、施工費用も大きくなります。交換する窓の本数が多ければ1本あたりの施工費は安くなりますが、工期も長くなってしまいます。
一方で、さまざまな窓のなかから選択ができますし、完全に新しいサッシを取り付けられるので外壁を含めた防水性も高められます。築年数が古く、老朽化が懸念されるような住まいの場合には、とくにおすすめの工法です。
・二重窓(内窓)設置との違いは?
二重窓(内窓)の設置は、外壁や内装の工事不要で行える施工方法です。現在の窓を採寸し、それに合わせた内窓を製作・取り付けするという手順で施工が行われます。
費用は安く、工期も1窓あたり1時間程度とお手軽なのが特徴。また、断熱性や防音性を高められるのがメリットです。一方、窓の選択肢が少なかったり、窓の形状によっては取り付けができなかったり、という注意点もあります。
カバー工法との違いは「目的」です。料金や工期を抑えられるのが魅力ではありますが、そもそもカバー工法は劣化した既存のサッシを取り替えるのが大きな目的です。二重窓の場合は、新たに内窓がつくものの、既存のサッシはそのままなので、そこに問題があった場合には解決に至りません。現在の窓に新たな機能を追加したいという場合に、検討すべき施工方法と言えるでしょう。
・ガラス交換との違いは?
窓リフォームのなかには、窓ガラスのみを交換する工事も含まれます。手順としては、はじめに現在の窓ガラスを撤去し、そこに新しい窓ガラスを入れるだけです。上記の工法のなかでも、もっとも簡単な工事になります。
工期は短く、費用も安いのが最大のメリットですが、問題も少なくありません。まず、サッシがそのまま残るので、不具合がある場合は解決できません。選べる窓ガラスの種類も限られてします。こうした点が、カバー工法との違いです。
■窓のカバー工法を検討するタイミングは?
カバー工法は、サッシを新品に交換することで問題を解決できるリフォーム方法です。たとえば、以下のようなお悩みがある際には、窓のカバー工法を検討してみましょう。
- 窓を開け閉めする際にガタツキが起こっている
- 窓がしっかり閉まらず、鍵が掛けにくくなっている
- 窓からすき間風や雨水が入ってくるようになった
- 経年劣化で窓全体に錆びや汚れが発生している
なお、窓のカバー工法をする際には、窓ガラスの種類が選べるようになります。機能性を持った窓ガラスを選ぶと、防犯性や断熱性を高めるといった効果も見込めます。上記の問題の解決と合わせて、窓の機能を強化したい際にもカバー工法はおすすめです。
■窓のカバー工法で得られる効果
カバー工法で窓をリフォームすることは、現在の問題を解決できるだけでなく、窓の見た目を美しくしたり、機能性を追加したりできるという効果があります。以下で、代表的な効果について解説します。
・開閉がしやすくなる
カバー工法によってサッシが交換されると、レールから障子までは新しくなり、新品の状態で窓が利用できるようになります。
たとえば開閉時のガタツキなど、劣化等によって不具合があった場合は、確実な改善が見込めます。とくにサッシ部分に問題がある場合にはおすすめのリフォーム方法と言えるでしょう。
・すき間風を防止できる
窓からすき間風が吹いてくる原因は、サッシの歪みが原因の場合があります。サッシがうまくハマらなくなるため、すき間ができて風が入り込むからです。カバー工法によってサッシが新品の状態になると、歪みが解消されるためすき間風や雨水の吹き込みなどを防止できます。
・見た目がキレイになる
窓に錆びや汚れなどがある場合にも、カバー工法によるリフォームは有効です。窓全体を新品に交換できるので、審美性についても高められます。また、デザインなどもアップグレードできるので、内装にリフォームしたような効果も得られるでしょう。
・窓ガラスの種類を変えられる
窓ガラスにはさまざまな種類があります。一般的に用いられているフロートガラスでも問題はありせんが、カバー工法によるリフォームの際に種類を交換するのもおすすめです。
たとえば、防犯性や防災機能を高めるのであれば、防犯ガラスもおすすめです。風圧、衝撃に対する耐性が高いガラスなので、台風、犯罪といった被害を最小限に抑えるのに効果的です。
また、断熱性・防音性の高いペアガラス(複層ガラス)も近年では人気です。2枚のガラスの間に空気やガスの層を作ることにより、熱や音を伝えにくくしてくれます。断熱性が高まると、夏や冬の快適性がアップするほか、冷暖房機器の使用頻度を少なくできるため、節電にもつながります。
■窓のカバー工法のメリット
窓のカバー工法には、費用や工期といった面で大きなメリットがあります。その他の工法と比較しながら、そのメリットについて見ていきましょう。
・低コストで大きな効果が得られる
窓のカバー工法は、はつり工法(壁カット工法)とは異なり、既存のサッシをそのまま残す方法です。解体の手間がかからず、廃材もでません。工期が短くなれば、人件費も安くあがります。そのため、サッシ全体の問題を解決しつつ、コストを安価に抑えられるというメリットがあります。
たとえば、外壁を壊して新しくサッシを取り付けるとなれば、1窓あたり30万円以上の費用がかかることも少なくありません。一方、カバー工法であれば1日分の費用で済みます。
・工期が短くて済む
窓カバー工法は施工内容が比較的シンプルなので、工期を短く設定できます。対象の窓がいくつあるかにもよりますが、数が少なければ半日で完了となる場合もあり、数にもよりますが1~2日程度の工期ですみます。
はつり工法(壁カット工法)の場合は、窓の数が少なくても数日の工事期間が見込まれます。この間は窓が利用できなくなりますし、断熱性も失われます。冬の寒い時期などは避ける、といった配慮が必要になります。カバー工法であれば、こうした心配もいりません。
・数が少なくても手軽にリフォームできる
はつり工法(壁カット工法)は、多数の窓をリフォームする場合には1窓あたりの単価を安くできる、というメリットがあります。
逆に言えば、数が少なければ1窓当たりの施工費が割高になる、ということです。
たとえば、2階以上にある窓を、はつり工法(壁カット工法)でリフォームする場合には、外壁の解体なども必要になるため、足場を組む必要があります。足場は1回組むだけで大きな費用がかかりますから、それだけで大きな出費です。
一方、カバー工法は室内から施工できるため、足場は不要です。そのため、問題のある窓だけをリフォームしても、多額の費用がかかるということはありません。
■窓のカバー工法のデメリット
多くのメリットがある一方、窓のカバー工法にはいくつかのデメリットも存在します。とくに大きいのは、窓ガラスの面積が小さくなってしまう点です。その他のデメリットも含め、以下で解説します。
・窓のガラス面積が小さくなる
カバー工法によって窓をリフォームすると、既存の窓ガラスよりも、面積が小さくなってしまいます。これは、既存のサッシに新しいサッシを被せる、という方法のため避けられません。具体的には、窓の間口における巾・高さの寸法が、およそ5~10センチ程度ずつ小さくなります。
元が大きな窓であれば、数センチの差はそこまで気にならないかもしれません。しかし、キッチンやトイレなどに付いているような小窓の場合は、数センチの差が大きな割合を占めます。施工後、思っていたよりも小さくなってしまった、という方も少なくありません。
そのため、カバー工法による窓リフォームを検討する際には、必ず窓が小さくなることをイメージしておくようにしましょう。もしも小さくなりすぎることが問題であれば、別の方法について考え直してみてください。
・段差ができてしまう
カバー工法では、四方の辺に対して新しいフレームが設置されます。
そのため、どうしても下枠に段差ができてしまうのがデメリットのひとつです。フラットな形状に施工する方法もありますが、一般的には段差ができてしまうと考えておきましょう。
・選べる窓の選択肢が少なくなる
カバー工法に対応した窓は、限られています。そのため、ご自身が交換したいと考えていた窓がカバー工法に対応するかどうかを、事前に考えなくてはなりません。
なお、断熱等の機能性を求める場合には、施工業者に相談をするのが一番です。窓のリフォームを熟知した業者であれば、カバー工法に対応した窓を提案してくれます。
ちなみに、カバー工法に対応する窓は、他の工法で使用できる窓に比べてどうしても割高な傾向にあります。そのため、家中の窓をリフォームするといった場合には割高になってしまう可能性も考えられます。とは言え、施工費用自体が安く済むため、トータルのバランスを見てよく検討する必要があります。
・外壁面の防水には懸念が残る
はつり工法(壁カット工法)とは異なり、カバー工法では既存のサッシがそのまま残されます。そのため、もしこの防水性が劣化している状態だと、カバー工法でリフォームをした後にも、雨漏れなどが起こる可能性があります。劣化具合を見た上で、必要であればはつり工法(壁カット工法)なども検討しなくてはなりません。
■窓のカバー工法の施工手順
次に、実際のカバー工法における施工手順をSTEP順でご紹介します。内容を見ていただくと分かるとおり、高い技術が求められるものの、設置自体は至ってシンプルです。
・STEP1. 既存窓の撤去
はじめに、現在の窓を取り外すことからスタートします。これは、新規の窓を設置のための基本的な準備作業です。
・STEP 2. 新しいサッシ枠の取り付け
次に、既設のサッシ枠に新たなサッシ枠を覆うように固定します。この際、もし既設のサッシ枠に歪みが存在すれば、その歪みに合わせて新しいサッシ枠を調節します。
・STEP 3. コーキングの施工
サッシ枠の設置が完了した後は、隙間にコーキング材を充填します。この段階では、完成時の見た目を良くするためのマスキングが重要なポイントとなります。
・STEP 4. 新しい窓の取り付け
コーキング作業が完了した後、新しい窓を設置します。これにより、カバー工法による窓リフォームが終了となります。
・作業時間とその後の注意
窓の数によりますが、一般的な住宅であれば作業自体は1~2日で終わります。ただし、コーキングは24時間以上乾燥させる必要があるため、作業後は特に注意が必要です。とくに、子どものいる家庭では、作業日は窓に触らないよう指導しておくことをおすすめします。
■窓のカバー工法の注意点
カバー工法を使った窓のリフォームを行う際には、そもそもカバー工法が適用できるか、使いたい窓用ガラスが対応しているかについて調べて起きましょう。
また、マンションの場合には承諾・承認が必要になるケースもあります。以下、それぞれのポイントを解説します。
・雨戸があるとカバー工法ができない場合がある
既存の窓に雨戸が設置されている場合は、カバー工法を使った窓のリフォームが難しい場合があります。ただし、一部の製品のなかには窓の飛び出しが抑えられているものもあるため、この場合は雨戸があっても施工ができるケースもあります。
施工を依頼する際には、はじめに業者へ雨戸があることを伝えましょう。その上で採寸などを行ってもらい、カバー工法が可能かどうかを相談してみてください。
・使えない窓の種類がある
デメリットの項目でもお伝えしたとおり、カバー工法の場合、使える窓が限られてきます。事前の確認が重要です。
とは言え、実際には市販の窓用ガラスのほとんどはカバー工法に対応しています。断熱ガラスや防犯ガラス、ペアガラスなどです。機能性の高い窓用ガラスを選択すれば、断熱機能を高められるのでおすすめです。
・マンションの場合は承諾・承認が必要
マンションの窓は共有部分となります。そのため、マンション規約次第ではありますが、ガラスの交換や窓交換を行うに当たり、管理組合から承認を得る必要があります。
ちなみに、共有部分については管理組合による修繕積立金を用いた全戸改修が基本です。そのため、個別の改修が禁止されている可能性もないとは言えません。ただし、管理規約に自己負担による窓リフォームを許容する条項があれば、原則として実施が可能になります。
その他、借家の場合には必ず大家さんの承諾が必要になります。マンションの管理会社が窓口となっている場合もあるので、まずは事前に相談するようにしてください。
・信頼できる業者を選ぶ
カバー工法を含む窓のリフォームにおいては、信頼性の高い業者の選定がとても重要です。
業者によって、ガラスの選択肢や施工の詳細には違いがあります。それにより、見積もりに大きな差が生じることも少なくありません。リフォームを検討している際には、複数の業者から見積もりを取得し、詳細を比較検討することが重要となります。
さらに、窓の取り付けは技術的なノウハウが必要です。施工ミスがあると、雨漏りが発生するリスクが高まります。そのため、経験豊富で信頼できる業者を選択することが望ましいです。
信頼できる業者を見つけるのは容易ではありません。しかし、打ち合わせを通じて業者や職人の対応を見て、その人柄を掴むことは可能です。対話を通じて、業者がカバー工法に対する理解と専門知識を持っているかを評価できます。
また、他の業者に比べて見積もりが極端に安い場合は注意が必要です。極端に低い見積もりは、工費を適切に計算していないか、あるいは低品質の材料を使用している可能性が考えられます。見積もりの詳細が不明確な場合や、疑問が残る場合には、その業者との契約を避けておくほうが無難でしょう。
■窓のカバー工法の費用・相場
カバー工法は窓のリフォームにおける手軽な手法ですが、使用する窓の種類により費用は変動します。
例えば、幅170cm×高さ120cmの中窓をリフォームする際、木造住宅では約16万円、鉄筋コンクリート建築では約23万円からとなると考えられます。
さらに大きな、幅170cm×高さ180cmの掃き出し窓のリフォームでは、木造住宅で約18万円、鉄筋コンクリート建築で約30万円からが見込まれます。
以下はYKKAPが出している参考価格(引違い窓・Low-E複層ガラス~トリプルガラス)です。商品代と工事費が含まれます(木造住宅として)。
大 掃き出し窓 | 幅 160 ~ 190cm
高さ 190 ~ 200cm |
約 26〜36 万円 |
中 腰高窓 | 幅 160 ~ 190cm
高さ 90 ~ 110cm |
約 18〜25 万円 |
小 小窓 | 幅 70 ~ 80cm
高さ 90 ~ 110cm |
約 15〜22 万円 |
重要な要素は窓自体のコストです。カバー工法では、工賃や施工時間は従来のはつり工法(壁カット工法)と比較して安く抑えられますが、窓そのものの費用はそこまで変わりません。むしろ、カバー工法に対応した窓は割高になる可能性もあります。
したがって、価格が高めのペアガラスや真空断熱ガラスを使用する場合、先程示した工事費以上に費用が増える可能性があります。さらに、窓枠に高断熱効果のある素材を使用する場合も、追加の費用が発生することを考慮しておきましょう。
・その他の工法との費用比較
はつり工法(壁カット工法) | 窓枠の取り外しには、壁の一部を破壊する作業が必要です。これにより、廃材の処理費用や壁紙や床材の張り替え費用、場合によっては足場設置費用などが発生します。
具体的には、小窓の場合でも一窓あたり約10万円以上、大きな掃き出し窓では40万円から50万円程度が必要です。 |
二重窓(内窓)設置 | 二重窓の設置は、比較的費用を安く抑えられる方法です。しかし、単体よりも複数の窓を一度にリフォームするシチュエーションに適しています。このアプローチは、外壁や屋根の断熱リフォームと比べて、より費用効率が良いと言えます。具体的には、平均的な30坪の2階建て住宅において、おおよそ100万円程度の投資で全窓の断熱化を実現することが可能です。 |
ガラス交換 | ガラス交換にかかる費用は、ガラス本体代とガラス交換の作業代、交換の為の出張代、古いガラスの処分代です。これは他の工法とも共通していますが、ガラス交換のみの場合は作業代が安くなります。一般的には、種類によって2万円~5万円が相場です。 |
上記のように、カバー工法は、はつり工法(壁カット工法)よりは安く、二重窓(内窓)設置よりは高い費用がかかります。
ただし、前述のとおりそれぞれの工法は目的が異なります。単にガラスが割れてしまっただけということであれば、ガラス交換のみを行うのがもっとも安価です。しかし。サッシ自体に問題が発生しているのであれば、内窓の設置などでは解決ができません。この場合は、はつり工法(壁カット工法)とカバー方法のどちらかを選ぶことになります。
両者を比較すると、カバー工法の費用は安く、工期も短いので手軽と言えるでしょう。
■カバー工法を使った窓リフォームは補助金が使える?
窓のリフォームに際しては、国からの補助金を利用できる可能性があります。これは、日本が国際的にCO2排出量を25%削減するという公約を受けた結果、設立されたものです。
具体的には、高性能建材による既存住宅における断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)や次世代省エネ建材支援事業(次世代建材)などが挙げられます。
これらの補助金は窓だけに限らず、外壁や屋根なども含まれます。したがって、リフォームを計画する際には、補助金の適用対象になるかを一度確認してみることをおすすめします。
ただし、補助金の額は工事の内容や使用材料、申請時期などによって変わる可能性があります。そのため、リフォームを計画する際には、事前に業者や関連行政機関に詳細を確認することが重要です。
・補助金申請時の注意点
補助金を申請するにあたっては、いくつかの重要な注意点があります。
ひとつ目は、大部分の補助金は工事開始前に申請する必要があるという点です。工事が既に開始していたり、完成した後では申請が認められない可能性があります。従って、計画的に行動し、工事開始までのスケジュールを十分に考慮することが重要です。
ふたつ目の注意点は、補助金は予算の上限に達すると受付が終了することがあるという点です。新年度の予算が発表され、受付開始が告知されても、多数の応募があると早い時期に受付終了となることがあります。したがって、早めの申請が望ましいです。こまめに、補助金に関する情報のチェックをしておきましょう。
最後に、補助金の提供は国だけに限らず、各自治体も独自のリフォーム補助金を設けていることがあります。国と自治体から同時に補助金を受けることも可能な場合があるため、両方の情報をチェックしておくことが重要です。
・補助金の相談は窓リフォームにプロへ
補助金を受けるためには申請が必須で、その申請には複雑な書類が必要となることがあります。
個人での準備が困難な場合や、業者による書類作成が必要な場合もあるため、リフォームを依頼する業者と十分な打ち合わせを行い、計画を立てることが重要です。
リフォーム専門の業者であれば、補助金の申請情報に詳しく、適切なアドバイスを提供してくれるはずです。また、工事は申請が承認されてから始まるため、スケジューリングも含めて業者との打ち合わせを進めることをおすすめします。
■カバー工法による施工後のメンテナンス
カバー工法はサッシを新品に交換する方法なので、交換の頻度は少ないです。
しかし、窓は使い方によって劣化が早くなる箇所のひとつでもあります。より長い期間にわたり交換した窓を使い続けるためにも、日々のメンテナンスを心がけましょう。
・サッシレールのお手入れ
まずは、サッシレールの小まめな清掃を行いましょう。
レールに汚れが溜まってしまうと、サッシ戸や戸車の動きが悪くなります。あまりに汚れが溜まると、鍵が掛けられなくなることも。こうした事態を防ぐために、定期的なお手入れを実施してください。頻度としては1年に1回程度でも効果が得られます。
ほこり程度であれば、掃除機でも吸い取りは可能です。もう少ししつこい汚れであれば、ハケや霧吹きなどを使ってみましょう。それでも落とせない汚れの場合には、布を巻いた割り箸や歯ブラシなどで擦ってください。
なお、金属のヘラなどで強く擦るとレースに傷が付き、歪みなどが起こる可能性もあるので注意してください。
・サッシの調整
サッシからすき間風が入ってきたり、ガタツキがあったりする場合には、クレセントの調整を試してみましょう。ネジを緩めた後、金具が左右に動くかを確認してください。もしも金具が動くようなら、本体側のネジを緩めます。
その後、クレセントの動きが落ち着く位置でネジを閉め直してください。また、戸車に不具合がある場合は、調節ネジで解決ができる場合があります。
もしもこうした調整でも問題が解消されない場合には、カバー工法をしてくれた業者に問い合わせをし、修理などを依頼するようにしましょう。
■まとめ
最後に、窓リフォームにおけるカバー工法についてまとめます。
カバー工法は、既存のサッシに新たなサッシを取り付ける方法で、以下のようなメリットと効果があります。
- はつり工法(壁カット工法)に比べて工期・費用を大きく抑えられる
- 対象の窓が少なくても手軽にリフォームが行える
- 二重窓(内窓)設置やガラス交換にはない効果が得られる
- すき間風やガタツキなどの問題を解消できる
- 窓全体が新品になるので見た目が美しく蘇る
一方で、窓枠が既存よりも小さくなる、段差が生まれる、といった点には注意が必要です。また、雨戸があって施工ができなかったり、使いたいと思っていた窓が適用外だったりする可能性も考えなくてはなりません。
上記を踏まえると、カバー工法を使った間取りフォームを行う場合には、業者への事前相談が重要です。この際には、使える補助金がないかなども確認してみましょう。ただし、カバー工法には高い技術力も求められるため、業者選定の際には信頼がおけるかどうかを必ずチェックしてください。