複層ガラスのメリットとは?デメリットと対策、選び方も解説

複層ガラスのメリットとは?デメリットと対策、選び方も解説

光熱費の高騰による省エネ意識の高まりを受け、需要が増している複層ガラス。リフォームによって自宅の窓ガラスを複層ガラスに交換することで、省エネ性能の向上や窓の結露対策、紫外線のカットなどさまざまな効果を得られます。

そこで今回は、複層ガラスを導入するメリットを具体的に解説します。デメリットになる得るポイントやその対策についても触れますので、複層ガラスに興味がある場合はぜひ参考にしてください。

■複層ガラスの基礎知識

複層ガラスとは、2枚以上のガラスを、間に空気層やガス層を設けて組み合わせた窓ガラスのことです。ガラスの間の空間は「中空層」と呼ばれます。こちらの構造により、1枚のガラスから作られる単板ガラスと比較して、断熱性能が高いのが特徴です。近年、省エネや快適な居住空間の実現を求める声が高まる中で、複層ガラスの需要が増しています。

複層ガラスの中でも、2枚のガラスから作られるものを「ペアガラス」と呼びます。ペアガラスという名称は、ガラスメーカーであるAGC社の商標登録ではあるものの、わかりやすいことから広く浸透しています。

■複層ガラスを選ぶメリット

窓のリフォームで複層ガラスを設置すると、住環境にどのようなメリットがあるのでしょうか。こちらでは、代表的なものを5つご紹介します。

1.省エネ性能がアップする

複層ガラスは、空気層またはガス層が熱の伝導を抑えるため、室内の断熱性能を高められるのがメリットです。冬は室内の暖かい空気が外に逃げるのを防ぐことができ、暖房器具の使用時間や消費電力が減少します。同様に、夏は外からの熱が遮断されることで、室内の冷気が逃げにくくなり、冷房効果がアップします。結果として、年間のエネルギー消費を抑えることができ、電気代の節約にもつながるでしょう。

2.遮音性を高められる

複層ガラスには、防音効果の高い製品も販売されています。

具体的には、1枚1枚のガラスの厚みを変えたり、中空層を真空にしたりして、外部の騒音が室内に伝わるのを防ぐ仕組みです。これにより、交通量の多い道路沿いや騒音が気になる環境でも、複層ガラスを設置することで静かな居住空間を実現できます。

ただし、単に窓ガラスの遮音性を高めるだけであれば、内窓の設置で実現する方法もあります。

3.安全性が向上する

複層ガラスの中には、中空層に合成樹脂などを使用し、安全性を高めた製品もあります。一般的な単板ガラスや複層ガラスと比べて割れにくく、万が一破損した場合でも破片が飛び散りにくい特徴を持ちます。

また、ガラスの厚みが増すことで、窓を割って侵入しようとする不審者に対する防犯性も向上します。

4.窓の結露対策になる

複層ガラスの高い断熱性能により、窓の内側と外側の温度差が小さくなるため、窓に結露が発生しにくくなります。これにより、結露によるカビの発生や窓周りの湿気による悪影響を抑えることができます。

5.紫外線をカットできる

窓ガラスには、ある程度紫外線をカットする効果があります。複層ガラスの場合、その効果が単板ガラスと比べて高いのが特徴です。これにより、太陽光による家具や床材、カーテンなどの劣化・変色を防ぐことができます。

また、紫外線が原因となる肌へのダメージや目への負担も軽減できるため、健康面でもメリットがあります。

■複層ガラスのデメリットと対策

複層ガラスには上記の通り多くのメリットがあるものの、デメリットもあります。続いては、複層ガラスのデメリットとその対策をお伝えします。

・コストがかかる

複層ガラスは、単板ガラスと比べて製造工程が複雑であり、価格が高くなりやすい点がデメリットです。一般的には、ガラスの枚数が増えるほど価格も高くなる傾向にあります。

この点、長期的な省エネ効果や断熱性能の向上を考慮すれば、複層ガラスのコストは十分に見合うと言えます。また、リフォームや新築時に補助金や助成金を活用することで、費用負担を軽減することも可能です。

・重量や厚みが増す

複層ガラスは、単板ガラスよりも重量や厚みが増します。そのため、開閉にストレスを感じたり、今までの窓枠には設置できなかったりする可能性があります。

このようなデメリットを軽減するには、複層ガラスの取り扱いに慣れたプロの施工業者に相談するのが効果的です。自宅の環境に合わせて最適な複層ガラスを提案してもらうことができます。

また、近年は軽量化技術の進歩により、より軽い複層ガラスも市場に登場しています。重量が気になる場合はそのような製品を検討するのも良いでしょう。

・共鳴透過現象が発生する可能性がある

共鳴透過現象とは、複層ガラスのガラス同士が共鳴して、ある特定の周波数帯の音が逆に通りやすくなる現象を指します。複層ガラスの中でも、中空層に空気が入っているタイプで発生しやすい現象です。

共鳴透過現象を抑えるには、複層ガラスを設置する際に異なる厚さのガラスを組み合わせるのが良いでしょう。共鳴する周波数帯をずらすことができ、共鳴透過現象の防止に役立ちます。そのほかには、防音ガラスを採用したり、中空層が真空になっている製品を選んだりする方法も効果的です。

■複層ガラスを選ぶ際のポイント

自宅にとって最適な複層ガラスを選ぶには、以下のポイントを意識する必要があります。

・建物の立地やライフスタイル

どのような複層ガラスが適しているかは、建物の立地やライフスタイルによって変わってきます。

例えば、都市部や交通量の多い場所では、遮音性能を重視した複層ガラスを選ぶことが望ましいでしょう。また、小さな子供がいる家庭では、割れにくく安全性が高い複層ガラスが好まれます。複層ガラスを選ぶ際は、自宅の環境や家族構成を考慮したうえで、必要な性能を検討することが大切です。

・性能とコストのバランス

複層ガラスは、メーカーや製品ごとに断熱性能や遮音性能などの数値が異なります。気になる製品が見つかったら、性能とコストのバランスを考慮したうえで、最適なものを選びましょう。

コストを比較する際は、初期費用だけでなく長期的なコストも考慮することが重要です。省エネ効果による電気代の節約やメンテナンスのしやすさなどを評価し、総合的なコストパフォーマンスを算出しましょう。

■まとめ

今回は、複層ガラスのメリットやデメリット、選び方についてお伝えしました。複層ガラスは、コスト面や重量など気になる点はあるものの、省エネ効果や結露対策など快適な住環境の実現に役立つ多くのメリットがあります。近年は、軽量化や厚みを抑えた複層ガラスも登場しているため、デメリットが気になる場合でもまずは一度問い合わせてみるのがおすすめです。

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