真空ガラスとは?構造と特徴、得られる効果を徹底解説!

真空ガラスとは?構造と特徴、得られる効果を徹底解説!

真空ガラスとは、ガラスとガラスの間に真空層のある複層(ペア)ガラスのことです。一般的な一枚ガラスや複層ガラスに比べ、断熱性と遮音性に優れているという特徴があります。リフォームや新築を検討中の場合、ガラス選びの前に真空ガラスについて詳しく知っておきたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、真空ガラスに関する基礎知識や、真空ガラスに替えることでどんな効果が得られるのか、などの疑問について解説します。

■真空ガラスの基礎知識

真空ガラスとは、ガラスとガラスの間が真空になっているペアガラスです。ペアガラスの一種ですが、一般的な複層ガラスとはさまざまな違いがみられます。まずは、真空ガラスの構造や特徴など、基礎知識から確認しましょう。

・真空ガラスの構造

一般的な複層ガラスは、ガラスの間に約6mmの空気層が必要です。ガラス1枚の厚みが3mmとすると、ガラス2枚の厚みに空気層の厚みを合わせて総厚12mmにもなります。すると、今入っていた一枚ガラスより厚くなりすぎるため、既存サッシのガラスが入っていた溝幅と合わずサッシ全体の交換が必要となります。

一方真空ガラスは、2枚のガラスの間に真空層をもたせて作られます。真空層の厚みはわずか0.2mmのため、ガラス2枚の厚みを合わせても6.2mmです。既存のサッシのガラス溝幅がそのまま使用できるため、ガラスを交換するだけで済みます。

・真空ガラスの特徴

真空ガラスの構造は、外筒と内筒の間が真空状態になっている魔法瓶の原理と同じです。真空状態では熱の伝導や対流が起こらないため、放射された熱がほかのものに移ることはありません。魔法瓶にいれておいた冷たい飲み物や温かい飲み物が、時間が経っても冷たいまま、温かいままなのはそのためです。

真空ガラスは、ガラスとガラスの間の真空層が熱の伝導や対流を防ぐため、高い断熱効果が期待できます。ただし、宇宙空間のように全体が真空状態というわけではないため、サッシ部分などを通して外の気温が室温に影響することは少なからずあります。

・真空ガラスと複層ガラスの違い

複層ガラスは、ガラスとガラスの間に空気の層があるガラスです。なかには空気やアルゴンガスなどが封入されていますが、真空ガラスはこのような気体が一切入っていません。複層ガラスも、真空ガラスと同様に断熱性能が高いとされていますが気体が入っているため、少なからず熱の伝導や対流が発生します。

また、複層ガラスはガラスの厚みに加えて空気層の厚みもあるため、既存のサッシに合わない可能性があります。この場合、複層ガラスに替えるなら、サッシごとの交換が必要です。カバー工事や内外壁の補修工事という大がかりな工事が必要になるため、マンションや賃貸物件の場合は個人の判断で取り替えるのは難しいでしょう。

■真空ガラスの効果

真空ガラスは、その構造から日々の生活にさまざまなメリットをもたらしてくれます。ここでは、自宅の窓ガラスを真空ガラスに替えると、どんな効果が得られるのかについてご紹介します。

・屋外の気温に室温が左右されにくい

真空ガラスを使用する最大のメリットといえるのが、外の気温による影響を軽減できることです。熱の伝わり方には、伝導・対流・放射の3種類がありますが、真空ガラスは間に挟まれた真空の層が熱の伝導と対流を防ぐため、高い断熱効果が期待できます。

たとえば一枚板のガラスの場合、夏場の外の暑さがガラスに伝わり、空気によって対流が起こることで室温に影響がでます。真空のなかでは、熱が伝わらず、対流も起こらないため外からの熱をシャットアウトできるのです。

・冷暖房費の節約

住宅の中で、もっとも室内外の熱が出入りする場所は窓だといいます。冷暖房をいれていてもなかなか部屋が適温にならない場合、真空ガラスに替えることで悩みが解消できるかもしれません。断熱性が高い真空ガラスなら、室温が外の気温によって影響されることが少なくなるため、冷暖房の効きがよくなります。省エネで快適に過ごせるようになれば、冷暖房費の節約にもつながるでしょう。

・結露を防ぐ

外の気温と室温の温度差が激しくなる冬場は、結露ができやすくなります。一枚板のガラスでは、外の冷たい空気が伝わったガラスに室内の温かい空気が冷やされ、空気中の水分が結露となって現れます。真空ガラスは、屋外と室内の温度が伝わりづらいため結露の防止に効果的です。

ただし、サッシが一般的なアルミサッシの場合、サッシ部分が結露することがあります。

・遮音効果が期待できる

真空ガラスの2枚のガラスで真空層を挟んだ構造は、音の伝わりも軽減してくれます。窓が道路や線路に面している場合や、楽器の音漏れが心配な場合は、真空ガラスに替えることで音に関するストレスを軽減できるでしょう。真空ガラスを選べば、より高い遮音効果が期待できます。

■まとめ

真空ガラスの構造や特徴などの基礎知識や、メリットについてご紹介しました。一般的な複層ガラスよりも高価ではありますが、高い断熱性や遮音性があり、サッシの交換も不要です。冷暖房の効きが悪い、外の騒音がうるさいなどの悩みは、真空ガラスに替えることで解消できるかもしれません。リフォームや新築を検討中の方は、省エネで光熱費の節約にもつながる真空ガラスを、ぜひ候補の一つにいれてみてください。

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