ペアガラスに内部結露が発生?原因や防止法について

ペアガラスに内部結露が発生?原因や防止法について

ペアガラスに起こる内部結露は「不良」とも呼べる事態です。ガラス間に水滴が発生した場合、個人での解決はできません。万が一内部結露が発生していた場合は、メーカーへの問い合わせとなるのが一般的です。

今回は、ペアガラスの内部結露の原因や防止法、交換になった場合の費用などについて解説を行います。

■ペアガラスの内部結露とは?

ペアガラスの内部結露とは、ガラス間にある空気層内が結露してしまった状態を指します。

一般的な結露であれば、布などで水分を拭き取ることで問題は解決できるでしょう。しかし内部結露の場合は、ガラスの内側に水分が発生しているため拭き取りが困難です。万が一結露が発生すると、ガラスの透視性が損なわれます。また、Low-E複層ガラスの場合には、金属膜に対しても悪影響が及び、肝心の断熱性能が低下することも起こりえます。

なお、内部結露の多くは気温の低い冬の時期に起こる傾向にあります。日中の温度が比較的高い時間帯には目立ちませんが、夜間などに冷え込みが襲うと、再度水滴が現れるといった症状が一般的です。

■ペアガラスに内部結露が起こる原因

ペアガラスに内部結露が発生する主な原因は、封着材と呼ばれるシール剤の劣化です。

複層ガラスには、2枚のガラスの感覚を保つためにアルミや樹脂製のスペーサーという構成部材が用いられています。ここに吸湿剤を入れることで、空気層の湿度上昇を抑えています。

スペーサーとガラスは、封着材によって密閉されます。これにより空気の層へ湿気が入らないような構造となるのですが、封着材が劣化しヒビや穴ができてしまうと、水蒸気を含む空気が入り込んでしまうのです。結果、結露につながります。

なお、封着材以外の原因としては、窓ガラスのヒビも考えられます。こちらも同様に、空気の浸入を許してしまうため、結露につながってしまいます。

・封着材が劣化する原因

封着材の劣化は経年が主な原因ですが、それ以外にもサッシ部分の水溜まりが要因となるケースも考えられます。窓のサッシに備わった排水機能が劣化すると、サッシ内に水溜まりができます。そのまま放置を続けると、ペアガラスとサッシを固定するグレージングチャンネル(グレチャン)や封着材に水分が浸入し、劣化を促してしまいます。

■ペアガラスの内部結露を防止する方法

ペアガラスの内部結露防止を考えるのであれば、まずはサッシの水溜まり解消を検討しましょう。また、ペアガラスの冷えを防ぐことで、結露自体を抑制するという方法もあります。

・吸水グッズの活用

サッシ部分の水溜まりが原因で封着材が劣化することを考えるのであれば、その水分を吸い込んでしまうのが効果的です。そこで利用したいのが、外部結露対策にも使える吸水テープです。サッシ部分に貼り付けておくだけで、水溜まりの発生を抑えられます。

なお、近年では吸水テープ以外にもさまざまな吸水グッズが登場しています。置き型タイプであれば、換気の度に吸水シールをはがすといった手間もなくなり便利です。

・グレージングチャンネルの交換

グレージングチャンネルに劣化が起こっている場合は、交換を検討してみましょう。手で触り異常を感じられたなら、業者による交換を手配してください。ヒビや穴ができてしまうと、サッシに水溜まりができやすくなってしまいます。

なお、グレージングチャンネルは樹脂製のため、経年劣化は避けられません。取り付けから10年程度経っている場合は、異常がなくても交換をしておくと安心です。

・窓下ヒーターの設置

さらに本格的な内部結露防止を目指すのであれば、窓下ヒーターの活用もおすすめです。窓下にヒーターを設置し、上方に暖気を送るようにすると、ペアガラスが冷えるのを防止し、結露が起こりにくくなります。

吸水テープ等に比べると割高ではありますが、長期間の対策として考えれば有用と言えるでしょう。

■内部結露したペアガラスは交換が必要

ペアガラスに内部結露が発生してしまった場合には、ガラスの交換が必要です。ここで確認しておきたいのが、メーカーによる保証期間です。

多くのペアガラスには、10年程度の保証が設けられています。期間内であれば適切なサポートが期待できるので、不具合を見つけたら早めにメーカーへ連絡をしてください。

・交換時の費用について

内部結露が発生したペアガラスは、すべて取り替えではなく、ペアガラスだけの交換で対応できる場合があります。この場合にかかる費用はおおよそ5万円程度。サッシも合わせて交換となったとしても、工賃を含め10万円代で収まるケースも少なくありません。

ただし、ペアガラスには種類があり、機能性が高いものほど費用も高くなる点にはご注意ください。

■まとめ

ペアガラスは断熱性能も高く、結露も起こりにくい構造です。しかし、設置から時間が経てば、経年によって不具合が起こらないとも限りません。もしもサッシに水溜まりができているような状態が続くのであれば、気付いたときに拭き取るなどの対処を行いつつ、早めにメーカーの保証サポートを受けるようにしましょう。

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