断熱ガラスの種類や性能

断熱ガラスの種類や性能

断熱ガラスは外気が入り込むのを防ぎ、室内の熱をしっかり閉じ込めることで、快適な環境づくりに役立ちます。また、室温を保てることでエアコンの稼働率が抑えられ、電気代の節約につながる場合も。しかし、そもそも断熱ガラスの仕組みについてよく知らないという方も多いでしょう。そこで今回は、断熱ガラスの概要や種類、性能について解説します。併せて、近年主流となっているエコガラスについてもご紹介していますので、断熱リフォーム等をお考えの方はぜひ参考にしてください。

■断熱ガラスとは?

断熱ガラスとは、熱を断つ(通しにくくする)構造や加工がされたガラスのことです。ガラスを数枚重ねた複層ガラスは、その代表例として知られています。これは、ガラスの間に空気層を作ることで、断熱効果を引き出します。

ただし、単に複層ガラスと言っても、より断熱性能を高めるために枚数を増やしたり、ガラスの間に特殊なガスを封入したりと、いくつかの種類に分類できます。以下から、その違いを含めて解説します。

・ペアガラス

ペア(2枚)のガラスを重ね合わせたタイプの断熱ガラスです。ガラス間には乾燥空気が入っており、1枚に比べると断熱効果は約2倍になります。ちなみに、空気層が厚いほど断熱制度は高まります。ただし、ペアガラスには遮熱効果はありません。

・Low-E複層ガラス

Low-EとはLow-Emissivityの略で低放射を表す言葉です。Low-E複層ガラスは、Low-E膜という特殊な金属膜がコーティングされているのが特徴です。ペアガラスの内側に添付されることで断熱効果が高まるだけでなく、外部からの日差しによる熱を遮る(=遮熱)効果が得られます。ペアガラスに比べると約1.7倍の断熱効果が得られるため、より厳しい暑さ・寒さにも対応できます。

・トリプルガラス(Low-E三層ガラス)

ガラスを三枚(トリプル)重ね合わせたタイプの断熱ガラスです。空気層がもうひとつできるので、断熱効果もさらに高まります。また、Low-E膜による効果も期待できます。なお、空気層にアルゴンガスやクリプトンガスなどの不活性ガスが封入されている製品も少なくありません。北欧などの寒冷地では一般的で、日本においても北海道や東北地方で用いられる場合があります。

・トリプルガラス(複層真空ガラス)

ガラス間の2つの空気層を、真空層とアルゴンガス層にすることで、トリプルガラスよりもさらに断熱効果を高めたガラスです。

■断熱ガラス(Low-E複層ガラス)の性能とポイント

断熱性能は熱貫流率にて表されます。数値が小さくなるにつれ、断熱性能が高いと評価されます。選定の際には、この数値に注目しましょう。

併せて確認したいのが日射熱取得率です。これは、遮熱性能を表す数値であり、日光熱(日射熱)の取り込み具合に関わります。ただし、注意したいのが遮熱ガラス(Low-E複層ガラス)には遮熱高断熱(日射遮蔽)タイプと高断熱(日射取得)タイプがあることです。

前者に関しては、冬の日差しによる熱も奪ってしまいます。南側の窓に使うと、結果として部屋が暖まらない可能性も。この場合は南側に高断熱タイプを使い、ほかの方角の窓には遮熱高断熱タイプを使うなど、使い分けを行いましょう。

■今の主流はエコガラス

現在、新築物件やリフォームで断熱・遮熱性能を高めようとする際には、エコガラスと呼ばれる製品を使うケースが増えています。これは、Low-E膜が付帯したLow-E複層ガラスやトリプルガラスを表す呼称で、板硝子協会によって定められました。

普及が始まったのは2010年頃。それまでは一般複層ガラスが主流でしたが、徐々に採用率が増加。現在では戸建て住宅で8割以上、共同住宅でも3割弱にまで達しています。ちなみに、新築やリフォームの際に摘要される国や自治体の優遇制度では、アルミ樹脂複合窓とLow-E複層ガラスの組み合わせが目安のひとつです。そのため、断熱リフォーム等を検討される際には、Low-E複層ガラス以上の断熱性能を持つ商品を選ぶようにしましょう。

なお、自宅のペアガラスがエコガラスかを確認するには、エコガラスマークをチェックしましょう。対象商品には、刻印が刻まれていたり、シールなどが貼られていたりします。もしも自宅のガラスがエコガラスでないのなら、交換等を検討してみましょう。とくに、日常的な結露や冬に寒さを感じているのであれば効果的。併せて交換やカバー工法といった断熱リフォームを行えば、快適かつ省エネな生活が期待できます。

■まとめ

今回は断熱ガラスについての基礎知識をお届けしました。2000年頃に新築・リフォームされた住宅の場合は、一般複層ガラスが採用されているケースがほとんどです。ガラスの種類だけがすべてではありませんが、もしも生活に不快を感じていたり、電気代の高さに悩んでいたりするようなら、ぜひ今回ご紹介したエコガラスの導入をご検討ください。

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