窓断熱の効果とは?遮熱とどう違う?
住宅では窓断熱が重要とよく言われます。薄い窓ガラス1枚だけでは、強い紫外線や厳しい冷気から室内環境を守るのに不十分だからです。断熱性能の高い窓ガラスを取り付けるだけで、お部屋の快適性は各段に向上します。今回は、窓断熱の効果について、遮熱との違いを交えながらお伝えします。
■窓断熱とは?
熱が通りにくいことを意味する「断熱」。住宅建材のなかでも、窓がもっとも断熱が弱いとされます。というのも、窓は薄いガラス1枚で外気と接した状態となるためで、分厚い外壁や屋根と比べたらどうしても断熱性能が劣るのです。そのようなことから、窓リフォームによる住宅のアップデートが試みられています。
窓断熱のメリット
窓断熱に守られた家は、一年を通して過ごしやすい環境となります。夏は暑苦しく冬は凍えるように寒い、そんなガマンともおさらばできるのが窓断熱リフォームです。
冷え込みやすい浴室の窓を断熱窓にすることで、ヒートショックを防止できます。リビングや書斎など、滞在時間が長く冷暖房を使いがちな部屋も、断熱窓への交換で光熱費の大幅カットが可能です。使う部屋を間違えさえしなければ、大きな効果を呼び込めます。
■知っておきたい「断熱」と「遮熱」の違い
窓は断熱か?それとも遮熱か?迷われた方もいるかもしれません。あるいは、両者の意味がほとんど同じだと勘違いされている方もいるのではないかと思います。紛らわしいですが、断熱と遮熱では効果も施工方法もまったく異なります。断熱効果を期待しながら遮熱タイプの製品を選ぶ、このような間違いもあります。両者を分けて理解しておくことが大切です。
断熱と遮熱はどう違う?
断熱とは熱を通りにくくすること。暑い日には温度上昇を防ぎ、寒い日には室内の暖かい空気の流出を防ぐ効果があることは先ほど説明した通りです。一方、遮熱は「熱を遮る」と書きます。熱の反射を利用して温度上昇を防ぐわけですが、あくまで強い日差しを押さえて温度上昇を防ぐ効果を期待するもの。
■断熱効果のある窓
断熱効果のある窓ガラスにはさまざまなものがあります。これらの窓リフォームは、冷暖房の使用を抑える省エネ効果が期待できることから、国や自治体の補助金対象になりやすいのも大きな特徴です。
以下、断熱効果のある窓ガラスをご紹介します。
内窓(二重窓)
内窓とは、既存の窓ガラスの内側にサッシごと窓ガラスを設置したものを言います。窓ガラスの二重構造で高い断熱効果が期待できます。
内窓は、熱伝導率が低い樹脂製が採用されます。この点も断熱性能にすぐれるポイントです。もうひとつの特徴である高気密性は、防音で大きな効果を発揮します。浴室や寝室、リビングなどに適した窓です。
真空ガラス
真空ガラスは、2枚のガラスと真空層で大きな断熱効果を発揮します。日本板硝子製のスペーシア。その断熱性能は、1枚ガラスの約4倍。複層ガラスの約2倍というレベルです。
■まとめ
熱を通しにくくする加工を施すことで、一年通して快適な住環境をもたらす窓断熱。夏冬どちらの窓リフォームでも需要があります。一方、遮熱タイプの窓ガラスは、日差しブロックに効果を発揮するもので、用途は限定的です。リフォームを検討される場合は、どのタイプが最良となるか、それぞれの特徴をご理解のうえお選びください。