室内でも多い熱中症!だから窓の暑さ対策は怠れない
夏に発生する熱中症は、室内にいても危険なことがあります。紫外線が強く差し込んでくる西側や南側の部屋はとくに室温上昇を招きやすく、エアコンもつけずに過ごすと熱中症リスクを高めます。いつでも快適に過ごすには、窓の暑さ対策を講じて室温の上がり過ぎを防ぐことが大切。今回は、熱中症予防になる窓の暑さ対策をご紹介します。
■室内でも多い熱中症
熱中症といえば屋外での運動中や移動中に発生しやすいイメージがあるかもしれません。しかし、消防庁の調べによると、2017~2019年の熱中症発生場所で多かったのが敷地内を含む住居で、全体の4割近くに上ったといいます。室内の温度や過ごし方次第で熱中症リスクが上昇する点に注意が必要です。
温度や湿度が上がりやすい環境に注意
熱中症発生の原因には、「環境」「健康状態」「行動」の3つの因子が関係してきます。これは室外でも室内でも変わりません。
《室内で熱中症が発生しやすくなる状況》
*環境
・紫外線が強く差し込む部屋
・風通しが悪い部屋
・エアコン不使用
・ 洗濯機の熱がこもりやすい浴室や脱衣場 など
*健康状態
・体調不良
・ 体力低下
・睡眠不足
・乳児や高齢者
*行動
・ 屋外で長時間作業
・水分補給をせずに過ごす
ひょっとすると、室内が暑苦しくなる要因は「窓の断熱不足」かもしれません。屋内に侵入する熱の多くは窓を経路としているためで、窓の暑さ対策を講じるだけでだいぶ緩和できることがあります。窓周りを改善して暑さ解消につなげられる対策は複数ありますので、手軽にはじめられるものから試してみるとよいかもしれません。
室内で熱中症にならない予防策として、まず室温や湿度を適切に調整することが大切。同時に、室温や湿度が上がりやすい状況になる根本原因は何かを突き止め、それに合った対策が望まれます。温度を上げている要因は「窓」かもしれない温度や湿度が上がりやすい環境に加え、体調不良や水分補給の欠如などの条件が重なると、熱中症リスクは上昇します。
■簡単!自分でできる暑さ対策
窓をしっかりガードするだけで、紫外線を緩和し、室温の急上昇を防止できます。ここでは自分でもできる手頃な暑さ対策をご紹介します。
遮光・遮熱カーテン
カーテン類のなかには、遮光性や遮熱性のあるタイプも存在します。これら遮光カーテン、遮熱カーテンには強い日差しを遮る効果があり、暑さ対策としておすすめ。西日が当たりやすい寝室やリビングなどに取り付けてうまく温度をコントロールしましょう。
すだれ、サンシェード
すだれやサンシェードも日差しブロックに有効なアイテムです。これらはデザイン性も高く、インテリアをおしゃれにする目的で購入される方もいます。風を適度に通す機能性や、清涼感を感じさせる雰囲気もメリットです。
遮熱フィルム
日光を遮る遮熱フィルムには紫外線をカットする効果があります。窓ガラスに貼るだけの簡単作業なのでDIYも難しくありません。ただし気泡などが発生すると効果を正しく得られない可能性もあるので、きれいに貼る自信がないときは施工業者に依頼するとよいでしょう。
断熱シート
断熱シートも窓ガラスに貼るだけで暑さ防止になるDIY向けの対策。この効果は、遮熱フィルムにある「放射熱を遮る」ではなく、「室温を一定に保つ」ことにあります。熱の確保が一定で済むため、冷房の調節で室内を適温に保つことができます。
■もっとも効果が高いのは窓ガラス交換
長期かつ本格的な窓の暑さ対策を検討するなら、遮熱効果の高い窓ガラス交換がおすすめです。以下、性能の高い窓ガラスをご紹介しましょう。
遮熱効果が高い窓ガラス
・ペアガラス(Low-Eタイプ)
ペアガラスとは2枚重ねになった窓ガラスで、間に空気層が形成されています。一般的なガラスと比べ分厚い層になっており、特殊な金属膜(Low-E膜)が放射熱を遮ります。断熱効果も高いため冬場の活躍にも期待がもてます。これらに加え防犯・防音効果も高いすぐれた機能ガラスです。
・真空ガラス
構造はペアガラスと似ていますが、2枚重ねの間に真空層が形成されているのが特徴です。このガラスには高い断熱効果も期待できるため、真冬の寒さ対策にも最適。人気の真空ガラス製品「スペーシア」には一般ガラスの4倍もの断熱効果があり、さらにLow-E膜も装備しているので、夏・冬両方におすすめです。高い性能を誇る分費用は高額となるものの、省エネ製品ということで補助金の対象となります。リフォームを検討するのでしたら補助金情報も事前にチェックしましょう。
■まとめ
窓の暑さ対策についてお伝えしました。熱中症のリスクは室内にも隠れています。室内の温度や湿度の上がり具合に注意して、エアコンの調整や適度な水分補給で対策を取りましょう。
事前の対策としては、サンシェードやすだれ、遮光カーテン、遮熱フィルム、断熱シェードの取り付けなどがおすすめです。これらDIY対策もよいですが、より長期的に、より本格的に対策を検討するなら、遮熱・断熱効果の高い窓ガラス交換がベスト。真空ガラスやペアガラスへの交換で、熱の侵入や湿度の上昇を防ぎ、室内を適温の環境でキープできます。これらは冬の寒さ対策にもなるため、一年通して快適な空間づくりにも貢献します。