
第二回「ある日突然ガラスにヒビが…!?
ガラスの熱割れ」
ガラスの熱割れ」
みなさんこんにちは!
この道20年、窓に関することはなんでもお任せ!「まどすけ」です!
今回から「ガラス」のお話をしていくよ。
みんなすでに知っている通り、ガラスはとっても傷が付きやすくて、割れやすいよね。
最近では傷が付きにくく割れにくいガラスも登場しているけれど、それでも絶対に割れないガラスという物はこの世に存在しないんだ。
ガラス工事をする業者さんも当然その事を考慮して、運ぶ時から工事が終わるまで細心の注意を払って作業してくれているよ。ただ大きな割れ物をむき出しで扱っているから、工事の際にトラブルが時々起きてしまうのも現状なんだ。
みんなもガラスは割れ物だという事を再度認識した上で、あまり乱暴に扱わないようにしてね。割れてしまえば交換にお金が掛かってしまうし、割れたガラスの破片などで怪我をしてしまう可能性もあるからね。
前置きが長くなったけど、今回のコラムはガラス屋さんからすれば一番厄介な「急にガラスが割れてしまう現象」についてのお話をするよ。
その現象の名前は「熱割れ」と言うんだ。
熱割れはどうして起こるの?
名前から想像がつくかもしれないけれど、「熱割れ」とは何かが当たってガラスが割れるわけではなく、熱の力によって自然に割れてしまう現象の事なんだ。
では、どのようなメカニズムで熱割れが起こるのかを説明していくね。
前提としてみんなのおうちにある窓は、アルミサッシとガラスで構成されているという事を理解しておいてね。
太陽の直射日光が当たると、その当たった部分のガラスは表面温度がドンドン上がるけど、ガラスの端っこの部分はアルミサッシの中に入っているから温度が上がらない。

つまり、直射日光が当たり温度が上昇した部分は膨張するけど、端っこの部分は温度が上がっていないから膨張しない。
そしてガラス1枚の中で温度が上昇した部分が温度が上昇していない部分を引っ張る形になり、それが許容量を超えると「熱割れ」という形でガラスが割れてしまうんだ。

耐熱性ではないガラスのコップに熱湯を注ぐと割れてしまう事があるけど、これも同じ現象だよ。熱湯が直接触れた部分のガラスの温度は急激に上昇するけど、直接触れていない部分の温度が上がるまでに時間が掛かるから、その差が激しくなるとコップは割れてしまうんだ。
窓において熱割れという現象が起きる条件は、「気温が低く、アルミサッシの部分がよく冷やされる」「強い日差しが直接ガラスに当たって熱くなる」この2つが重なると起きやすくなる。だから良く晴れた冬場の午前中が一番危ないんだ。
このように、「外的要因を何も加えていないのにガラスが割れる」という現象もあるという事を覚えておいてね。
熱割れの見分け方

画像:株式会社LIXILホームページ
熱割れの際に入るヒビは、必ずと言って良い程アルミサッシの方から中心に向かって走るんだ。写真のような割れ方を見たらほぼ間違いなく熱割れと言えるよ。
何故このような割れ方をするかというと、アルミサッシの中でも特に下の方は温度が上がりにくいから、ガラスの下の部分と温度が上昇した中心部との温度差が激しくなりクラック(亀裂)が入るんだ。
何かがぶつかってガラスが割れた場合、どんなに小さい物でもぶつかった部分が基準となってそこから四方八方にヒビが走るから、違いは一目瞭然だよ。
熱割れを防ぐ方法
冒頭に述べた、熱割れがガラス屋にとって一番厄介である理由は、この現象をお客様に説明してもなかなか理解してもらえないからなんだ。
上記の条件を満たしてしまうと、極端な話をすれば工事の翌日にガラスが熱割れしてしまう事も。お客様からしたらたまったものではないけれど、ガラス屋さん側が悪いわけでもないんだ。
当然、熱割れには保障もついていないから例え工事の翌日に起こったとしても、再度自費で交換して頂くしかないんだ。この事にご理解頂くのに非常に骨が折れるというわけなんだね。
家の建っている位置であったり、方位によっても熱割れしやすい・しにくいの違いはあるから、しょっちゅう熱割れを起こすガラスもあれば全くしない物もあるよ。
なかなか防止が難しい現象だけど、あえて挙げるとすればブラインドやロールスクリーンなどをガラスに密着させたり、窓際に荷物を積む事を止めようね。そのような事をするとガラス付近に熱がこもり、温度が上昇しやすくなっちゃうよ。
今挙げた事例以外でも、「ガラス付近に熱がこもりそうな事」は極力やめておいてね!

万が一割れてしまった場合には、すぐにガラス屋さんに連絡して修理や交換をしてもらってね。
Mado Pro(マドプロ)の販売店さんは経験豊富なガラスのプロ達だから、熱割れで不安なことや困ったことがあったらぜひ一度相談してみてね。きっとみんなの力になってくれるよ!